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【岩手の味わい】雪室で熟成カフェラテ

 雪深いからこそ、生み出せる味がある。東北地方屈指の豪雪地帯、岩手県西和賀町の地域ブランド「ユキノチカラ」。この夏、地元の西和賀高と企画した雪室熟成コーヒー豆を使った「カフェラテベース」が誕生した。町内事業者らが2015年に立ち上げた活動は広がりを見せている。
 緑に囲まれた焼地台(やきちだい)公園にあるカフェ、111COFFEE(佐藤義=ただし=代表)。町を代表する湯田牛乳と割った同校3年の平沢美鈴さんは「牛乳とコーヒー、どちらの良さも引き立つ」と話し、金田一ひかりさんも「商品化に向けて試行錯誤した活動が実った」とほほ笑んだ。
 ブランドを運営する協議会が22年度、佐藤代表(35)に協力を依頼。生徒と試飲を重ね、地域資源を生かすコンセプトから豆を雪室で熟成し「角が取れた」味に仕上がった。ネットや町内の施設で取り扱い、反応も上々だ。
 特産の西わらびのほか、お菓子やビール、ジャムなどブランドの商品は幅広い。若い感性が掛け合わされた新たなチャレンジに、協議会事務局の加藤紗栄さん(47)は「既存の商品もリブランドで魅力が増した。培われた雪国の食文化を強みに変えていく」と展望する。(岩手日報社)

カフェラテベースを開発した西和賀高の平沢さん(右)と金田一さん、奥は佐藤さん=2024年8月、岩手県西和賀町間木野の111COFFEE


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