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【福島の味わい】タコシウマイで漁業復興を発信

福島県新地町のJR新地駅近くに8月、アンテナショップ「浜福」がオープンした。弁当やコーヒー、地場産品などを販売している。イートインコーナーでは、地域住民らが飲食を楽しむ。主力商品は「タコシウマイ」だ。地域の特産品にしようと2022年3月に発売した。
 タコシウマイは浜福代表の日下智子さん(52)らが開発した。日下さんは事務用品卸売りなどの仕事の傍ら、サークルやNPOの活動を通して町の振興に力を注いできた。
 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故の発生後、新地町をはじめ、福島県内の魚介類の水揚げや出荷が激減した。魅力ある海産物を発信し、被災地を盛り上げようと開発に乗り出した。
 21年春、地元産のタコを使ったご当地シウマイ作りに着手した。試作を重ね、タコの他、タラのすり身、タマネギなどを原料にした商品を生み出した。タコの風味とプリプリとした食感を堪能できる。
 販売が始まると、新地の新たな土産品として人気を獲得した。1店だった取扱店が現在は約20店に増えた。日下さんは「福島県を代表する商品として成長させたい。浜通りの『多幸(タコ)』を全国に広めていく」と張り切っている。


「タコシウマイを全国に広めたい」と誓う日下さん=2024年8月、福島県新地町

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