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【秋田の新風】マタギに憧れ山へ、地域の交流促す

秋田県北部に位置し、「マタギ発祥の地」といわれる北秋田市阿仁地区に2019年に移住して5年。広島市出身の益田光さん(30)はマタギとして活動する傍ら地域の公民館長を務め、幅広く活動している。東京農大の学生だった15年、阿仁地区を初めて訪問。マタギをはじめ地域の文化について住民から話を聞く機会があった。「山から授かったもので生計を立てる。そんな生活スタイルがあることに感動した。移住後間もなく、集団で猟に当たる「巻き狩り」に参加。当初はマタギ同士で交わされる独特の言葉が分からず苦労した。今では、猟期になると山に週3日以上入り、他のマタギと連携して大声を上げてクマやヤマドリを追い込む。
 北秋田市に約40人いるマタギの多くは高齢者。近年は益田さんのようにマタギに憧れて移住する若者が数人おり、ベテランに刺激を与えているようだ。個人事業主として、市の特産品であるクロモジ茶のインターネット販売も手がける。作り方は住民から教わったという。 
 今春には、市内の大阿仁公民館の館長に就任。住民の交流会を企画した。「阿仁のファンを増やすとともに、住民をつなぐ役割を果たしていきたい」と話す。(秋田魁新報社)


クロモジ茶の原料となるオオバクロモジを採取する益田さん=2024年7月、秋田県北秋田市阿仁

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