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【福島の味わい】菜種油搾りの技術引き継ぐ/CFで1351万円

 2022年末に廃業した平出油屋(福島県会津若松市)の伝統的な菜種油搾りの技術を引き継ごうと、とうふ屋おはら(同県喜多方市)店主の小原直樹さん(65)は設備を譲り受け、喜多方市内の空き蔵で来秋にも油搾りを本格稼働させる。小原さんは「限りなく平出油屋と同じ品質の油を作り、後世につないでいきたい」と意気込む。

 1841年創業の平出油屋は、全国でも珍しい「玉締め圧搾法」という伝統的な製法で菜種油とごま油を作り続けてきた。しかし、6代目の平出祐一さん(77)には「第二の人生を歩みたい」との思いがあり、惜しまれつつ廃業を決めた。

 「何とか平出さんの菜種油を未来に残したい」。とうふ屋の開店当初から平出油屋の油を使って厚揚げなどを製造販売してきた小原さんは技術の継承を決意。平出さんから製法を学んだ。

 インターネット上で資金調達を図るクラウドファンディングを活用し、蔵の改修費や設備の修理費を募ると40日間で目標額を超える1351万円が集まった。「全国からの温かい支援に感謝したい。さらに若い世代に技術や設備をバトンタッチできるよう後継者探しにも力を入れたい」と小原さん。一度は途絶えた菜種油が再び息を吹き返す。(福島民友新聞社)


「菜種油搾りの伝統の技術を引き継ぎ、後世につなぎたい」と決意を新たにする小原さん=2024年9月、福島県会津若松市・旧平出油屋

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