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【山形なればこそ】ヤマガタエクスペリエンス

 春の増水期にだけ現れる「水没林」を巡るカヌー、巨大な氷瀑(ひょうばく)を望むスノートレッキング、雲海に覆われた置賜盆地を見下ろす熱気球体験|。山形県の四季の豊かさや自然風土に着目した体験型観光ツアーが近年、次々と誕生している。
 手がけるのは、山形県飯豊町の「ヤマガタエクスペリエンス」。代表の堀江守弘さん(43)は、北欧留学や民間企業勤務を経て、2017年に同町にUターンし、18年に水没林ガイドを担う前身団体を引き継いだ。
 水没林は雪解け水で増水し、立木の下部がダム湖に沈むことで生まれる「以前からあった風景」だが、写真映えするとして当時、注目を浴び始めていた。関東圏からも観光客が足を運び、感激する姿に触れて「地域の当たり前の中に、観光誘客の原石があると気付かされた」と振り返る。
 23年から県内各地で実施している熱気球のフライト体験は、観光誘客だけでなく、住民が地元の魅力に再認識してほしいとの狙いもあるという。「まだ気付かれていない原石を見つけて磨き上げ、世界に発信していくのが使命。観光ガイドを職業として本県に根付かせる先駆けになる」。表情は決意と誇りに満ちていた。(山形新聞社)


カヌーツアーを手がける堀江さん=2024年9月28日、山形県飯豊町・白川湖

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