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【秋田の味わい】リンゴのおいしさ お酒で発信

お酒を通じて、地元の果物のおいしさを伝えたい―。秋田県横手市十文字町でゲストハウスと醸造所を運営する阿部円香さん(34)はそんな思いを胸に、リンゴを発酵させて造るアルコール飲料「ハードサイダー」を販売している。
 横手市は県内有数の果樹産地。ハードサイダーの原料となるリンゴは地元農家から仕入れている。主力商品には「やたか」という品種を使用。「甘みと酸味のバランスが良く、食事にも合うすっきりとした味わいです」
 実家はこうじ屋を営み、子どものころから発酵食は身近な存在だった。大学卒業後の2017年、発酵食を扱うバーを併設したゲストハウス「カモシバ」をオープンさせた。
 バーを訪れた地元農家にもらったリンゴを食べてから「横手だからこそできるお酒を造りたい」と思うようになり、ハードサイダー造りに着手した。米国で研修を積み、20年に自社ブランド「オーケー、アダム」を設立。23年には自社醸造所を構えた。
 ハードサイダーは県内の小売店でも販売。ファンが少しずつ増えてきたと感じている。今後は海外輸出も視野に入れる。「横手のリンゴで、この土地の魅力を存分に感じてもらえるお酒をこれからも造っていきたい」
(秋田魁新報社)

自社醸造所で、ハードサイダーの魅力を語る阿部さん=2024年8月、秋田県横手市十文字町


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