技術職から事務職への転身、2つの職種経験を生かしてクリエイティブを届けたい
技術職から事務職へキャリアチェンジしたきっかけ
―茨城県のご出身とのことですが、なぜ東北電力への入社を希望したのでしょうか。
私の実家は茨城県内ですが、福島県との県境近くで、東北は常に身近な存在でした。中学生の時に震災を経験したのですが、復旧作業中の東北電力社員を見かけることがありました。その懸命に復旧作業に当たる姿を見て「電力会社の仕事って、かっこいい!」と感じていました。
電力社員への憧れの気持ちと、東北への親近感から、当社への入社を決意しました。
―実際に電力社員となり、これまでどのような仕事をしてきたのでしょうか。
入社から約7年間は、主に変電設備のメンテナンスや新設工事などを担当していました。変電所で扱う電圧は、最も高いもので50万ボルト。常に人命・安全最優先で作業に当たらなければなりません。作業に従事する一人ひとりの危機管理能力が求められる現場で、協力会社の皆さんを統括する立場を任されていたため、責任感とリーダーシップを持って仕事に取り組んでいました。震災時にいろいろ見聞きしたことが改めて地域を考えるきっかけとなりました。自分自身が成長することで、地域に貢献したいという思いがあります。そのためには新しい環境に飛び込んで、いろんな経験を重ねながら、知見を広げることが重要だと思っていました。
2023年にキャリアデザイン・チャレンジ制度※を活用して、これまで所属していた技術職からサービスの魅力を伝えるプロモーション業務へキャリアチェンジすることを決めました。私にとって、入社以来の最大のチャレンジになりましたね。
※意欲のある人材を社内から広く公募し、社員の主体的なキャリア形成を支援する制度。
2つの職種経験が私の強み
―大きな決断になったと思いますが、前職からのギャップを感じることはありますか。
そうですね。身近なところで言えば、毎日着ていた作業服を着用する機会がめっきり減り、ビジネスカジュアルで仕事をしているのはギャップのひとつかもしれません。もちろん、仕事の進め方も異なります。技術職は何よりも安全を最優先に、ルールやマニュアルに従いながら、一つひとつのプロセスを抜け漏れなくしっかりと順序立てて進める必要があります。
一方、プロモーション業務では、ストーリー構成などロジックを組み立てつつも、自分の感性を生かして表現していく場面も多く、それが醍醐味でもあります。異動直後は慣れない業務に苦労することもありましたが、上司や先輩からフォローいただき、CM制作に携わる姿勢やマインドが身についてきたと感じています。
変電設備のメンテナンスという「電気を届ける仕事」とCM制作という「伝える仕事」。職種に違いはありますが、やはりそれぞれにやりがいと楽しさがありますね。
―感性を生かす業務は楽しそうですが、正解がないという難しさも感じます。
答えのない仕事であるがゆえに、チーム内で意見が割れることも少なくなく、自分の感性を生かしつつも、周囲の意見にもしっかりと耳を傾け、多くの関係者が納得のいくCMを作ることが重要と考えています。
いかにして関係者から合意を取り付けていくのか、担当者として腕の見せ所でもありますね。
2024年10月28日より開始した「冬のいまがカエドキキャンペーン」のCM制作を手掛ける。
CM制作担当者としての心構え
―魅力的なCMを作るために、取り組んでいることなどはありますか。
CM担当になってから、あらゆるCMを制作サイドの視点で見るようなりました。同じCMでも15秒と30秒でそれぞれ何カット入れているのかなど、「いいな」と思ったアイデアは自分の中に蓄積して、それを業務にも反映しています。
また、休日には海や川へよく釣りに行くのですが、なるべく新しいスポットへ行くように心がけています。これが直接的にクリエイティビティに結びついているかは分かりませんが、日常の些細な選択でも、考え方や行動を少し変えてみるだけで、新しい出会いや発見があると思っていて。正解がない仕事だからこそ、日頃からアンテナを高くして過ごすことで、身近なところからCM制作のヒントを得ています。
―今後、挑戦したいことを教えてください。
販売プロモーションだけでなく、現場で活躍する社員にフォーカスしたコンテンツ制作なども行ってみたいです。
当社の社員は画一的なイメージを持たれがちですが、職人気質な人やユーモアに溢れた人など、さまざまな個性をもった社員が各職場で活躍しています。これまでの技術部門での経験や現在のプロモーション業務の経験を生かして、たくさんの方々に社員が輝く姿を知っていただき、中学生時代の私のように、電力社員を「かっこいい!」と思っていただけるようなコンテンツを世の中に発信できたら嬉しいですね。
※本インタビューは2024年10月に行いました