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【火星移住計画を学ぶ】 第一回 「Mars One」

 こんにちは!Tohoku Space CommunityのTaikiです。今回のnoteは、【宇宙工学を学ぶ】シリーズ第一弾【火星移住計画を学ぶ】第一回「Mars One」です!

 皆さん近頃はどうお過ごしでしょうか?僕はというと、学校開始が延期され、さらに対人での部活・サークル活動も当分禁止になってしまいました。。。最近はYouTubeで音楽を聴きながらパソコンで作業することにハマっています。(そろそろ新たな曲を開拓したいのでオススメがあれば教えてください)そんなわけで今回のnote、若干長めに書かせていただきました。他にやることがなかったからとか、そういうわけでは決してございません。本当です。信じてください。

 冗談はさておき、前置きが長くなりましたが、記念すべき第一回、少しでも多くの人に楽しんでもらえたら嬉しいです!!!


【Mars Oneとは】

 「Mars One」とは、2011年に創設されたオランダの会社で、火星移住を目標とする非営利団体「Mars One Foundation」と、メディアなどを通して資金を調達する営利団体「Mars One Ventures AG」からなっています。2012年に「2025年までに人間の植民地を火星に設立する」と発表し、話題になったのを覚えている方も少なくないのではないでしょうか。その後、最初の宇宙飛行士を募集した時、4人の募集に対し、20万人以上の応募が来たというのですから驚きです✨

 しかしここ最近、めっきり「Mars One」のことを耳にしなかったので調べてみたところ、なんとこの会社、倒産していました。。。(汗)CEOのランスドルプさんは「倒産したのはMars One Ventures AGの方だけで、Mars One Foundationに影響はない」と言っているそうなのですが、SNSの投稿も2019年3月ごろから、1年近く止まっているため、かなりのダメージを受けたのは間違いないでしょう。

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                                                                             Bas Lansdorp, CEO of Mars One

 この会社、設立された当初から「実現不可能」「時期が急すぎる」などの批評をうけていました。マサチューセッツ工科大学のMIT News Officeは2014年に、Mars One Projectを「楽観的すぎる」と評する記事[1]を書いています。この記事の中で私が注目したのは「impossible」と言う単語が一度も使われていなかったことです。代わりに「infeasible」「not feasible」 という単語が使われていました。このことから、MITは火星移住計画を決して「不可能」と言っているわけではなく、技術的にも資金的にも今のままでは「実行不可能」と言いたいのだと、私は受け取りました。

 宇宙の研究開発は、他の研究開発に比べてかかる期間と費用が桁違いです。例えば、自動車やスマートフォンの開発はたった一年でも物凄いスピードで進化していることを実感できます。一方で宇宙開発はというと、人類が月に到達してから早50年が経ちました。これはあくまで一つの指標に過ぎないのですが、宇宙開発は目に見える現実的な成果を得るためにはかなり時間がかかるということがわかると思います。人生とは短いもので、人はすぐに結果を求めてしまいます。投資家の立場になってみれば、納得せざるを得ないです。もしプロジェクトが大成功しても、投資家本人がこの世を去った後ではあまり意味がありませんから。Mars One Projectも最初の4人を火星に送るのに、最低でも60億ドルを必要としていました。現実的な見返りがなければこの額はなかなか集まらないと思い、早めの時期設定をしてしまったランスドルプさんの気持ちも痛いほどわかります。(事実、計画は最初に決めたスケジュールよりも延期されています)

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                                                                                           NASA's Journey to Mars

 宇宙工学は、未来のための工学です。MITの言葉を借りるならば、決して「impossible」ではないですが現時点では「infeasible」なことが多いと思います。「火星移住」をはじめ「宇宙エレベーター」「月面望遠鏡」など、一見妄想に聞こえることも「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」という言葉があるように50年、100年後にはどうなっているのか、考えるだけでワクワクが止まらないのは僕だけではないはずです。現在、Mars Oneがどのように動いているのかは僕にはわかりませんが、火星移住というとても大きな夢を見せていただいたことに感謝しています。これが少しでも現実に近づくように、これからも微力ながら応援させていただこうと思います。

 長くなりましたが、Mars Oneについては以上となります。次回【火星移住計画を学ぶ】第二回「火星 〜そこに水はあるのか〜」ではタイトル通り、火星に焦点を当てていきたいと思います!


【最後に】

 暗い話で終わるのはちょっと悔しいので、最後に火星に関する明るい話題を紹介して終わりたいと思います!

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                                                                                                    NASA/JPL-Caltech

 つい先日の話ですが、火星に行く次のローバーの名前が「Perseverance」に決まりましたね。類語に「Patience」という単語がありますが「Patience」は精神的な耐久力を意味する「忍耐」「我慢」という意味で「Perseverance」は努力や根性、熱心さを意味する「忍耐」「我慢」を意味するという違いがあります。根気よく、熱量を持って、継続的に努力を積みかさなければならない火星探査にはぴったりな名前だと思います!このnoteの一番下に、名付け親のAlex君のスピーチとインタビューの動画を貼っておきます。興味がある方はぜひ観てみてください!あんなに堂々と話しているのに、Alex君実はまだ13歳なんですね😲僕は人前でのプレゼンとかいまだに苦手なので、見習わなくては。。。


【Tohoku Space Community について】

 Tohoku Space Communityは、星空をはじめ天文学にロケット、宇宙エレベーター、宇宙建築学まで、幅広く興味を持った学生が、「東北の宇宙をワクワクさせる」を合言葉に活動している団体です!


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【参考文献】

サムネイル画像のURL

Mars One Official Website

[1] MIT News Office, Jennifer Chu, October 14, 2014
https://news.mit.edu/2014/technical-feasibility-mars-one-1014

[2] Mars One Colony Project Delays Manned Red Planet Mission to 2026
https://www.space.com/28877-mars-one-colony-launch-delay.html

[3] Goodbye Mars One, The Fake Mission To Mars That Fooled The World, Jonathan O'Callagham, Feb, 11, 2019
https://www.forbes.com/sites/jonathanocallaghan/2019/02/11/goodbye-mars-one-the-fake-mission-to-mars-that-fooled-the-world/#67ee66f02af5

[4] Two MIT students lay out the facts about why the Mars One mission is bogus, Kelly Dickerson, Sep, 19, 2015
https://www.businessinsider.com/mars-one-mit-students-mission-not-feasible-debate-2015-8


【Alex君のスピーチ&インタビュー】




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