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建築家っておもしろい 古谷誠章+NASCAの仕事 古谷 誠章 (著)を読んで。

怒りたくないし、怒られるのも嫌です。

引越しで、いつもの散髪屋に行けなくなるとすごく困る。

散髪屋はある。あっちこっちでグルグル渦まいて回ってます。でも、どこでもいいわけではない。

散髪は仕方ないので行く。楽しみに感じたことはない。だから極力負担のないところがいい。

気になるのは家からの距離や、営業時間、もちろん価格も。 それと入口のガラス戸が、青っぽいのは苦手だ。

足で探す。現場100回。排気ダクトのよごれ加減で美味い中華屋を探すように散髪屋を吟味する。理髪デカだ。

店の2階は住居なのかを確認する。上に住んでる場合、大将ひとりでやってるからスグに混雑する。待ち時間に直結するので重要だ。

住居と店の入口が共用の場合,大将の息子を見かけることもある。これはヘルプで入る奥さんが家の用事で頻繁に抜ける事を意味する。

次に客の自転車のカマキリハンドル率。中学の兄ちゃんは髪型の注文が多い。聞いてくれない店にはこないのだ。流行りについていってるかを見る。

店の中で関西ウオーカーをめくる。真冬なのに花火特集号だ。もう夏はとっくに過ぎている。残念な気持ちでページを閉じると、表紙がめっちゃ若い常盤貴子だった。待ち時間の客対応は重要だ。

いくらカットの注文をつけようが、思うような髪型になることはほぼない。基本おまかせなのだ。中学の兄ちゃんが細かく注文して目指してるイメージを追いかけても店も限界がある。そんなにカリスマはいない。

ここだと思ってザックリ注文してあとはまかせるのだ。だから店選びが重要になる。

注文住宅、注文建築も同じ。基本おまかせ。注文通りにできると思い込むと失敗する。

親身になって何回も話し合いはある。でも注文側は素人だし、完璧に理解できないし、「上手くやってくれるだろう」と期待でスルーする。だけど、おまかせする気はない。できてから文句を言う。

作る方は、話し合いで伝えたと思いこんでいる。なにを今さらと思う。

それはスタッフに何度も言うことですね。「言っておいたのですが」じゃダメだと言うんです。相手が理解するまで言わなきゃ、伝えたことにならないでしょう?相手が納得するまでが「伝わる」ということだと思っています。「連絡した」「報告した」そんなのは意味がないよ。          禅とジブリ 鈴木 敏夫 (著): 淡交社         

理解するまで伝える気力と、調べてあとは任せる気持ちがいい建築には欠かせない。人のために作る建築の現場が読める。





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