【本文公開】『バスケセンスが身につく88の発想』◆part1
「センスがある=天賦の才」は完全なる思い込み! 誰でも実戦に活かせる「バスケセンス」は身につけることができるのです。
本書『バスケセンスが身につく88の発想』は、初心者を含めたすべてのバスケットボールプレーヤーやコーチ、保護者、そして観戦者(ファン)までを対象に、「制限」から解放された「自由」な発想をするためのヒントとして、世界のトップ選手が見せる“センスあふれるプレー”を解説。
計88の思考&実践方法を紹介していきます。読み終えたあと、読者の皆さんが「制限にとらわれることなく自由な発想をしたい」「制限にとらわれずに自由な発想をさせたい」と思ってもらえれば幸いです。
多くの現役選手、指導者、保護者の方々から好評をいただき、感謝の意を込めて、本書の中身を一部公開していきます。第1回は、“バスケットボールの神様”と称される「マイケル・ジョーダン」です。明日から使えるセンスを高める方法の数々、ぜひ実践してみてください。
本文目次
【ジャンプ後のオプションを持つ】
——マイケル・ジョーダン
レイアップは逃げずに打て、ジャンプパスはするな?
レイアップショットの指導場面では「レイアップでは敵から逃げないで力強くリングに向かいなさい」というアドバイスを聞くことがあります。
ショットまでのコースが空いているにもかかわらず逃げてしまうプレーヤーに対して有効なフィードバックでしょう。さらに、「ジャンプパス禁止」のルールを掲げているチームもあります。状況判断をせずにステップを切ってしまうプレーヤーには有効なのかもしれません。
では、ウイングでボールを受け、ベースライン側からドライブしてマークマンを振り切り、ペイントエリアに差しかかったあたりでレイアップを打つために力強くステップを踏み切ったシチュエーションを考えてみましょう。
空中へと力強く飛び立ったところ、敵のプレーヤーがショットブロックに飛び出してきた場合、パスの選択肢がないからといってその敵から逃げずに力強くリングに向かうと、ショットブロックの餌食になります。
ダブルクラッチ
バスケットボールの神様であるジョーダンは、同様の場面においてダブルクラッチを選択します。リングへと向かうジョーダンは、ペイントエリアに差しかかったあたりで力強くステップを踏み空中に飛び立ちます。
そのジャンプの軌道は、ダンクショットもしくはレイアップを放つようにリングに向かって斜め上方へと向かいます。敵のプレーヤーがブロックに飛び出してこなければ、そのままダンクやレイアップで得点します。もし、ショットブロックに来るプレーヤーが現れたら、ショットモーションを中止し、空中でそのプレーヤーをかわしてからショットを放ちます。
ジョーダンは、状況によっては力強くレイアップに持ち込んでファウルをもらうこともありますが、敵のプレーヤーから逃げるオプションも持っているのです。
ジャンプ後のオプション
ゲームにおいて、ディフェンス側もそうやすやすとレイアップを打たせてはくれません。ブロックされるのを待つのみでは、あまりにも芸がない。
ダブルクラッチは、「空中」という動きをコントロールしにくい状態のなかで、ショットフェイクをかけて敵のプレーヤーをかわしてショットを放つことから、難易度の高いプレーになります。さらに、一定の滞空時間も求められます。しかし、ディフェンス側から考えると、ダブルクラッチのタイミングに合わせてブロックをすることはもっと難易度が高くなるでしょう。
したがって、ジャンプしてからのオプションとしてダブルクラッチを身につける価値は高いといえるのです。
読んで頂きありがとうございました。第1回の掲載はここまでということで、次回の更新をお楽しみにお待ちください。
88のプレーを解説する本書籍では、普段見過ごしがちなプレーや気にも留めないようなプレーにも焦点を当て、掘り下げることで、その裏側に隠された意味や効果を解説しております。
気になった方ぜひ、本書籍をお手に取って頂ければと思います。
part1 【ジャンプ後のオプションを持つ】——マイケル・ジョーダン
part2 【ドリブルのリズムを変える】——比江島慎
part3 【テクニックの目的を新たに見いだす】——ジェームズ・ハーデン
part4 【パスコースを開通させる】ーーマジック・ジョンソン
special 【イーブンナンバーを攻め切る】——ラッセル・ウエストブルック
part5 【軽く楽に放てる感覚】ーーステフィン・カリー
part6 【得意なプレーを伸ばす】——ニック・ファジーカス
part7 【上半身を下半身で調整してショット】——コービー・ブライアント
part8 【新たなテクニックを創造する】——ジェイソン・ウィリアムス
最終回 【加速するスペースを作る】——レブロン・ジェームズ