見出し画像

注文したコロッケが5年経ったけど来ない。

皆さんは『旭屋』という
お店を知っているだろうか。

大正15年創業の兵庫の精肉店で、
そのお店のオンラインストアで
販売している「極みコロッケ」
というのがトンデモナイ人気なのだ。
既にネットやニュースでも
度々取り上げられているので
ご存じの方も多いと思う。

角切りにした神戸牛がゴロゴロ入って
肉の材料費だけで販売価格を上回るため
売れば売るほど赤字になるという。
しかも、一つひとつ手づくりだから
注文に製造が追いつかない状況で、
2016年に一度販売を中止したものの
再販の声があまりに多く
2019年に販売を再開。

私が注文したのは
この販売を再開した2019年なのだが、
その時に届いたメールがこちら(一部抜粋

極みコロッケのご注文は只今大変込み合っております。
機械を使わない100%手造りの商品につき
1日の製造個数に限界がございます。
大変申し訳ございませんが、商品の発送まで
お時間をいただきますことをご了承ください。
現在は、約12年半の待ちが発生しており、
商品は「2032年3月の出荷予定」となります。
大変長いお時間お待たせして本当に申し訳ございません。
毎日一生懸命手造りさせていただいておりますので
何卒ご了承の上お待ちくださいますよう
重ねてお願い申し上げます。

旭屋からの発送予定日連絡メール

12年半待ち。
頼んだコロッケが届く間に
オリンピックを3大会も挟むのだ。
私がコロッケを注文した時
小学校に入学した子が、
順調に育っていたならば
私がコロッケを口にする頃には
高校を卒業する計算になる。
恐らくコロッケが届く前には
私が住む札幌にも
北海道新幹線が開通しているはずだ。

ただ、このコロッケの存在を
知っている人と知らない人では
恐らくリアクションに
結構な差があるのではなかろうか。

何せ2024年6月時点で
この極みコロッケの予約待ちは
43年待ちに延びている。
先ほどの例えで言うなら、
オリンピックは10大会を挟み、
コロッケを注文した時に生まれた子は
コロッケを口にする頃には
中間管理職になって
健康診断ではバリウムを飲むし、
北海道新幹線はもしかしたら
サハリンあたりまで
伸び切っているかもしれない。


そんな訳で、
私が極みコロッケを食べるには
あと8年待つ必要があるのだが、
コロッケを注文した時は
一人暮らしだったのが
現在妻帯者になってしまった。
おかげで5個入りを全て
独り占めできるはずだったのが、
分け前が2個半になってしまった。

もし、私がこの8年の間に
養子縁組で子どもを迎えて、
ホストファミリーとして
留学生を住まわせ、
たまたま『隣の晩ごはん』ロケ中の
ヨネスケに突撃されたら
私の分け前は1個になる可能性だってある。

ただ、到着予定となる
2032年3月はちょうど
私の50歳の誕生日でもある。
バースデー特権として
やっぱり5個貰える
可能性も無くはないか。

ともあれ、とりあえず50歳を
平穏無事に迎えられるよう
健やかに生きていきたいと思う。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?