遠野物語74

栃内のカクラサマは右の大小二つである。土淵一村では三つか四つある。いずれのカクラサマも木の半身像で、なたの荒削りの無恰好なものである。しかし人の顔であるということだけはわかる。カクラサマとは以前は神々の旅をして休息なさる場所の名であったが、その地にいつもいらっしゃる神をこのように呼ぶこととなった。

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