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創作長編小説を読んでもらうために

 カクヨムコン9に参加しています。

 カクヨムだけでなく、小説家になろう、アルファポリス、エブリスタ……など創作小説を発表する場が無数にある時代になった。世はまさに大小説時代。ありったけの夢をかき集めコンテストに応募する人も増えた。私もその一人である。
 カクヨムコンにはKADOKAWA系列のレーベルが多く参加しており、いっぺんにたくさんの編集部に作品を見てもらえるチャンスだ。ここは、原稿を編集部に送るタイプの新人賞とは一線を画すポイントだろう。郵送のための煩雑な準備も必要ない。カクヨムに自信作を投稿するだけでいい。
 
 昔の話になるが、私は第一回カクヨムコンにも応募した。異世界ファンタジー部門に、転生なしチートなしハイファンタジーで挑んで、なんとか読者選考を通ることができた。以下がその作品。かなり硬派。

 当時は、人生を賭けて挑むのだという不退転の決意で向かっていた。だが、今振り返ると、その考え方は本当に良くなかった。自分の首を締め、胃腸を痛めつける自傷行為に等しかったと思う。
 そこで、カクヨムコン9に作品を出すにあたり、今の私の考え方を書いておこうと思った。


 Web小説投稿サイトは、【無料の巨大書店】だと思っている。投稿すれば、書店の棚に、自分の書いた本がそっと並ぶ。
 では、棚に並んだその本を、たまたまお客さんが手に取る確率はいかほどだろうか? 同じ棚に「大人気! 書籍化決定!」と書かれた本があったら、お客さんはそっちの本を手に取るんじゃないだろうか?

 どの本を読むか選ぶとき、基準は人それぞれだろう。この作家が好きだから、挿絵の人が好きだから、友人が面白いって言ってたから、流行ってるから……「無名の人の本だから読もう!」とはならない。ならないのだ。コンテストに応募したのに自作品が読まれなくて苦しんでいる人だって、他の人の本を読むときに「無名の人の本だから読もう!」とはならない……と思う。
 こんなに面白いのに自分の作品が読まれないなんておかしい! と、ほとんどの人が思うだろう。自信作を出しているのだから。
 読まれない第一の原因は、作品の内容ではなく、無名さにある。読者からすれば、我々のような存在は、どこの馬の骨とも知れんやつなのだ。
「無名の作者が書いた無名の作品」のままでは読まれない。では、どうしたらいいか。答えは簡単で、「有名な作品」を目指すことだ。

 自分の作品を有名にするにはどうするか。
 宣伝である。
 それも自信に満ち溢れた、私の作品は超面白かっこいいぜ! というノリのを、何度も。
 目立たせる、お客さんの目に触れる回数を増やすことが、一番重要である。たまたま誰かに見つけてもらえるのを待つのではなく、書店を訪れる人々に自分の作品を認識してもらい、作品に直接手を伸ばしてもらう。
 とにかく、まずそこから。

 自分の作品の存在を認識してもらう。
 そのためには自信に溢れた熱心な宣伝が絶対に必要。
 本当に面白い作品なら読んでもらった時点で読者がひとり増えるし、なんなら「面白かった!」と周囲に話してくれるかもしれない。

 書籍化が決定した作品も、書籍を売るために宣伝をする。当たり前である。ただ、編集部という味方が増えるので、宣伝を作者自身でする必要がなくなる。味方が自分しかいないうちは、全部自分でやらなければならない……当たり前の帰結だ。

 web小説は投稿したらそれで終わりではない。読んでもらうための宣伝まで作品の一部と考えるべきだ。商業の世界に、手に取ってもらうための努力をしていない商品などあるだろうか?
 読んでもらいたいなら、読んでもらうための努力をできる限りする。特にカクヨムコンのように読者からの評価が必要になるコンテストならなおさら、自分のために、作品のために、宣伝をするべきだ。「面白ければ読まれる」というのはもはや「間違い」だろう。

 作品を継続して読んでもらうには、二段階のステップを踏む必要がある。

 1.手に取ってもらう
 2.面白いと感じてもらう


 1がなければ、2はありえない。大小説時代においてはまず、1に注力すべき。2は、そもそもみんな当たり前に力を入れているだろう。

 第一回カクヨムコンのときの私は、ただ決意だけがあり、具体的な方法論を何も持っていなかった。宣伝のための努力をしていないのに、読まれないことで苦しんで胃を痛めていた。そんなの当たり前でしょうがと当時の私に言ってやりたい。要は、目を引くCMの打ち方を学ばないといけなかったのだ。

 カクヨムコンも第9回を数え、規模が大きくなっている。今回の私の作品は、まだ手に取ってもらう段階で苦戦している。この記事をここまで読んでくれた方は、私の作品も読んでみてほしい。
 そして、カクヨムにユーザー登録をして、私の作品に☆をつけてほしい。感想もレビューもほしい。こういうのは格好つけて孤高の創作者を気取ってはダメなのだ。どんなことも言わないと伝わらない。
 ☆やレビューを無理強いはしない。もちろん、面白いと思えたらでいい。作者自身は面白いと思うが、物語の好みは人それぞれだから。
 
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 よろしくお願いします。

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