雪国にはクリスタルのような結晶物が降る
オレは雪国育ちだったので、冬の八甲田山のスキーのリフトで、よく雪が結晶の形を留めている状態で落ちてくるような体験があり、それは普通だった。
市内では溶けて形が良く分からないけど、高度がある気温の低い山の上では、5角形の肉眼で見えるほどの大きさの結晶が一個単位で落ちてくる。黒っぽいスキーウェアーの腕のコウのあたりが見えやすい。
リフトの上の長い時間の良い暇つぶしになるのだが、コレが結構楽しいものなのだ。その理由は結晶の5角形の基本の形を守りつつ、バリエーションは無限にあるらしく、どれ一つとして、同じものはないその形がとてもキレイなのだ。
スキー手袋を見ているだけで、へぇー、へぇー…と驚きが延々と連続するので、それはそれは楽しい。結構な快楽的な体験だ。
つまり、青森にはそういうクリスタルのような結晶構造をもつ凝固した個体物が降って来て、それが3ヶ月間つもった状態になって覆い尽くされるわけだから、きっと全部が霊場みたいになっていてもおかしくはないと思う。冬の恐山とか、なんか凄いことになっていそうで、冬の富士山とかもそうだけど、畏れ多い感じがする。
ちょっと帰省したくなっきてた。