絶対に変わらないもの

家族への愛だ。ちょっといかにもでクサイけど、最近そう思う。

オレは元の奥さんと出会った事で、生まれて初めて体験する〈感情や生き方〉を知ったのだが、この〈初めて感〉は彼女でしか体験する事が出来なかっただろうと思えるくらいのもので、斬新な切り口で、とても革新的で、とても霊的なモノを感じる、ただ一つの対象だ。

オレの〈元カノリスト〉の一番最後を飾るにふさわしい、運命的な存在だった。

結婚すると人間いろいろと変わる。オレは変化が激しかった。
それまでの〈リスト〉の体験の中で得た経験の集大成を、彼女のトーンと共振させるのだ。そりぁあ人間のトーンも変わるだろう。〈あり方〉みたいな意味のモノが激変した。

具体的には、飲み会や食事会に行かなくなった。どうしても興味が向かないので、断るようになった。毎週クラブに行って、女の子が大好きなこのオレがダヨ。
1ミリも興味が向かないのだ。そういう初めての気持ちを味わった。

誰かに頭を操作されているように、意識がそこに向かなくなった。

家族しか見えなくなった。その周りが見えない感じが気持ちよくて、海の映像をモニターで見るのと、海にダイレクトエントリーする感じくらい変化の差があった。

それは自分の両親や兄弟に対する愛情ともまた違った思いだった。

コレから彼らの様々な一面を知る事になる予感が、気持ちよいエネルギーの流れを強化しているのが理解出来ると感じた。

家族の愛を知ると、こういう変化が起こる。
んで、それは絶対に変化しない感情なのだと最近、生まれて初めて気がついた。

それまでの恋愛は、真剣だったが変化する愛だった。時間とか状況の変化で総量も変化した。まぁ当たり前なんだけど。

でも家族への愛は、時間や状況で変化しないのだ。実際に今それを体験している。2年間離れても、1ミリも変化がない。
いくら注意を逸らしても、考えないようにしても、いつも同じ総量で視点も変わらず不動でそこに愛が存在している。
愛以外も出てくるけど、数日で気持ちも変わる。いろんな感情が出ては消えるなか、家族への愛だけが消えずに残ってそこに在る。

それは「キーン」と続く高い金属音のようにじっとそこにある感じのイメージでオレの中に存在している。

物理世界でどんな出来事が起こっても、それには影響を与えられないので、別の次元に存在しているモノなのだとも思う。
精神的にどのような感情を感じようと、その愛の感情だけは影響を受けずにそこにあるように感じるので、普通の感情とも別の次元に存在している気がする。

それをオレはとても不思議に思う。その愛は絶対に変化しないもので、動かずじっと存在するものだ。
それがオレをとても不思議な気分にさせる。
本当に、なんでなんだろう。
そりゃあ、いろんな感情に隠れて見えなくなることはあったが、全く揺らぐ事なくそれがオレの中にずっとあったのだと、最近気がついた。

不思議すぎておもしろい。

オレの両親もそういう様に、変わらずオレを愛しているのだろう。そのおかげでオレは子供たちを同じように愛せているのだろうと思う。



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