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中小企業の力でできた国内初の“アレ”

当麻産の「日本初キャンピングサウナバス」が今、さまざまなメディアを賑わせています。

サウナの本場フィンランドには街中を走行するサウナバスを見ることができるそうですが、なぜ当麻のような田舎で“日本初”となるサウナバスが完成したのかをご紹介します。

キーワードは「中小企業の力」

サウナバスを製作したのは町内にあるトウマ電子工業㈱のキャンピングカー製作部門「Touma Auto Project 」。トウマ電子工業さんはもともと旅客機のコクピット用ブラウン管の電子銃をメインに製造する企業。液晶モニターが主流になったことで電子銃の製造をやめ、今はクラスターイオン方式除菌脱臭器や遠赤外線シートなどを製造しています。同社の製品は一般に流通されている製品と一線を画すアイデアが盛り込まれています。例えば「クラスターイオン方式除菌脱臭器」には、数倍の放電ポイントを持つイオン発生ユニットを内蔵。除菌、脱臭に非常に効果があり、さらにメンテナンスしやすいことから東京消防庁特殊救急車への導入をはじめ全国の医療機関で使用されています。

遠赤外線シートは即断性に優れ、さらに樹脂でラミネートしていることから衝撃にも強く、住宅の床暖房にも活用できます。さらにこのシートを用いたサウナルームの製作も自社で行っています。

そのトウマ電子工業のもう一つの業態がキャンピングカーの製作。お客さんのニーズに寄り添った特殊車両を生み出している同社に、「Made in 当麻町「“ととのう”町」サウナプロジェクト」を進めようとする村椿哲朗町長が相談したのは“けん引式のサウナルームを製作できないか?”でした。さらに「日本全国のサウナ―のあこがれ、フィンランドにしかないサウナバスができたらすごいですよね…」と付け加えた町長に対する只野憲弥社長の回答は意外なものでした。

「うちの会社にあるキャンピングバスならサウナルーム作れるかも…」。

国内には前例のないサウナバス。これまで培ったノウハウと柔軟な発想により、町長の相談からわずか3か月という速さで完成。6月にはレンタカー登録も終わり、貸し出し可能となりました。

サウナにはサウナストーブが必須です。もちろんサウナバスにもサウナストーブが設置されています。このストーブにも町内企業の力が注がれています。

始めは車内に設置できそうなコンパクトサイズのサウナストーブをインターネットで購入。車輛の天井に穴をあけ、煙突を出し雨などが入らないように出口を加工する予定だったのですが…サウナストーブが海外製品だったため煙突の太さが日本の規格と合わず自由に加工をすることが不可能でした。そこで只野社長が相談したのが町内の事業所「世良鉄工株式会社」さん。この会社はセラフレームという住宅用の梁材を主に製作しています。さらに3D CADを使ってさまざまなデザインの鉄工製品を製作しています。世良鉄工さんが購入したストーブをもとにパソコンで図面を起こし、そのデータでストーブが製作されました。もちろん煙突の太さは国産の基準と合致しています。

サウナルームでイメージするのは壁や天井、床、いすと全てが木材で囲まれた空間。町の基幹産業である林業を支えている当麻町森林組合さんがサウナバスのために木材を製材提供してくれました。サウナバス内部には当麻町産のトドマツ材が使用されています。木材を使用するにあたって町内で銘木業を営む「北央銘木×HOKUON」の吉田明弘代表もオブザーバーとして参加。さらに吉田さんは町木であるイチイの木を使って、サウナバスに貼る看板も製作してくれました。

「中小企業」同士の連携と発想力、そして技術力により完成した国内初の「キャンピングサウナバス」。サウナルームだけでなく乗車部分にも町産木材が施され、ユーザーが使いやすいギミックも満載です。よく考えてみたら木の香りがするバスってすごいですよね。

最後に、トウマ電子工業さんは「パウダーアイスメーカー」という製品も製造しています。いわゆるかき氷機なんですが氷を砕くのではなく、低温に冷やされた回転式ドラムに水を供給することで霜のように凍り付き、それを削り取っていくという仕組み。“まるで粉雪”と謳っているとおりふんわり柔らかなかき氷ができます。さらに液体を凍らせるのでジュースをそのままかき氷にすることもでき濃厚な味を楽しめます。(お酒もかき氷にできるそうです。キンキンに冷えて美味しくいただけるそうですが、原液そのままなのですぐ酔っぱらってしまうそうです…)

これからの季節、サウナに入って美味しいかき氷を楽しむのも良いですね♪

【サウナバスはレンタカーとして6月21日からふるさと納税返礼品にラインアップします】

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当麻町内にはアースバックサウナ工法で作られたサウナもあります。ぜひこちらの記事もごらんください