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僕は無罪のおじさんから逃げた
小2の頃、学校に行く途中に信号待ちしてて。
その時、一緒に待ってた知らないおじさんが突然「ここの信号は長いねぇ!」って言うてきて、恐怖で走って逃げたことがある。
僕に逃げられたおじさんは、子供に恐怖を植え付けてしまった罪悪感と、不審者として報告されるかもしれないという不安に襲われたと思う。一気にメンタルやられたんじゃないかな。青信号になっても渡らずに、その場に立ちすくんだんじゃないかな。
「不審者じゃないよ」って僕に伝えることもできない。逃げた僕を走って追いかけたらそれこそ不審者だし。
「不審者じゃないよー!」って叫ぶこともできない。周りの人からしたらただの大声不審者だし。
長いこと生きてきたおじさんでも、一番どうすればいいかわからん状況だったと思う。
一方、僕は結構走りましたよ。1塁から3塁くらいの距離を、西川遥輝選手くらいの速さで走りました。走ってる途中、怖くて後ろを振り返ることも出来ませんでした。全力でおじさんが追っかけてきてるような気がしたんです。既に僕の頭の中では、おじさんは鬼に変換されていたので、全力で鬼から逃げていました。
当然僕は、いつもの通学路ではない知らない道に出てしまうわけです。戻ればよかったんですが、あの時僕の中では戻るという選択肢が自然と除外されてました。僕もおじさんのように立ちすくんでいると、僕と同じ制服をきた子が歩いていたので、その子に付いていくことで学校に到着しました。
学校や親に報告はしませんでした。面倒なことを嫌ったのかな。割と前の話なので心情までは覚えていません。
いつか謝りたいです。僕がおじさんなら、今でも覚えていると思います。いつ警察がインターホンを押してくるか、ビクビク怯えながら日々を過ごしていると思います。
もしこの記事に心当たりのあるおじさんがいれば、言ってください。謝ります。