Tohma

暇つぶし程度に。

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最近の記事

短編小説「暴走CA」

「お客様の中に上から目線が行き過ぎてもはや悪口で知恵袋の回答をする何様はいらっしゃいませんか!!」 今日でCAをやめる先輩の暴走が始まった。 初めて聞いた何様の使い方だ。 「お客様の中に切り取り記事に踊らされるだけならまだしも、被害者であるタレントに極端な意見を述べ二次災害を起こしている天然の危険因子様はいらっしゃいませんか!!」 先輩はかねがね言っていた。 「普段ネットで見かけるアホが客の中にいるかもって考えたら吐き気がする。」 「お客様の中にどこの馬の恥骨が書いた

    • 短編小説「モバイルバッテリー」

      君の隣で目が覚める。 布団の中の君の手を探し当て、君が起きないように握る。 横を見ると君の寝顔が見れて、部屋を見渡すと君の生活が見れる。 ずっとこの時間でいい。このままがいい。 「何か食べる?」 目を閉じたまま君が言う。起きていたのか。 「大丈夫、おなか空いてない」 「じゃあコーヒー淹れるね」 オーバーサイズのスウェットを着て、君は台所に向かう。 「今日何限から?」君は少し眠そうだ。 「午後からだよ」 君はお湯を沸かし、戸棚からピンクのコップと青のコップを取り出す。 「私二

      • 短編小説「7秒に賭けたオタク」

        親からの仕送りは、グッズやライブ、イベントや配信でみるみる無くなっていく。それほどりなちゃんを愛している。 誰よりもりなちゃんを知っているし、りなちゃんも俺のことを覚えてくれている。勝機はある。 この握手会で、俺はりなちゃんに番号を渡す。 握手を利用して、自分の電話番号を書いた紙をりなちゃんに渡すのだ。 「次の方、どうぞ」 俺の番が回ってきた。 大事なのは、紙を渡したことを剥がし役(スタッフ)に悟られないようにすることだ。 りなちゃんが紙に驚いたり、会話が明らかに不自然だ

        • 短編小説「木を登る」

          「おじさんも一緒にかくれんぼしようよ!」 かわいい子供たちだ。だが今日は残りの時間、この公園のベンチで優雅に小説を読むと決めたのだ。 「おじさんじゃなくてお兄さん。今忙しいからごめんな。」 「お兄さん!かくれんぼしようよー」 「ごめんな」 「いやだ!しよー!」 「じゃあ、一回だけな。」 かくれんぼには小さい頃のトラウマがある。 みんなが俺を見つけるのを諦め、知らない間に帰ったのだ。しかもでかい木の上に隠れていた俺は怖くて降りられなくなり、夜中に母さんが探しに来るまで、暗い木

          短編小説「これ虫?」

          西暦30XX年、二人の青年は砂漠で見たことのない生物に出会った 「これ虫?」「それにしてはでかすぎん?」 「カラフルだな」「きもちわりぃ」 「ぜんぜん動かんな、刺激してみよ」「え、まじで」 青年はそれの腹部をつつく 「転がった」「きもちわりぃー」 「なんか黄色っぽい液体がみえる」「きもちわりぃ~」 「でもこれ、死んでるんじゃね?」「うん、死んでる」 「教授に見せに行こうや、新種かもだし」 青年達はそれを持ち、教授の部屋に向かった 「で、教授、これはなんていう生き物なの?」

          短編小説「これ虫?」

          短編小説「わざとじゃない」

          「お母さん、ごめんなさい、花瓶が. . . 」 「怪我はなかった?大丈夫?」 「本当にごめんなさい。」 「わざとじゃないもんね。祐汰が無事で良かった。」 母は、故意じゃなければ怒らない人でした。というか、故意でもほぼ怒られません。僕もずっと、母のような寛大で立派な人間のつもりでしたが、弟の奏汰の事は嫌いでした。 例えば小学5年生の頃――奏汰はその時2年生でした――、母の作った味噌汁を、奏汰がこぼしたんです。母は、奏汰に味噌汁がかかっていないか心配していました。奏汰は黙って

          短編小説「わざとじゃない」

          短編小説「暖炉に誰かの宝物」

          男の住む家には、長い間使われていない暖炉があった。その暖炉には不定期に、「誰かの宝物」が落ちてくる。ある日は記念写真、ある日はサッカーボール、またある日には結婚指輪まで落ちてきた。その度に男は、どこかで困っているであろう持ち主を思い、いたたまれない気持ちになるのであった。 ある日、記録的な寒さとなった。毎年冬になっても暖炉に火をつけない男であったが、その日ばかりは我慢ができなかった。暖かい暖炉の前に包まり、夜を耐え忍ぶ。翌朝、暖炉の中には、丸焦げのクマのぬいぐるみが転がって

          短編小説「暖炉に誰かの宝物」

          短編小説「非沈黙サウナ」

          「あの駅前に新しくできた飲み屋行ったんすよ」 「お、どうだった?かわいい店員さんはいたか?」 普通こんな大声でサウナで喋るか?何十ものサウナを回ってきたが、ここはダントツでうるさい。 サウナは静かに楽しんでこそだが、こいつらはイかれてるらしい。 「いたんですよ。その子結構ドジで、よく注文間違えたり、卓番間違えたりしてて、そこがまた愛くるしいというか。」 「顔が可愛いとドジってのもポイントだな!お前は若いんだから声かければいいじゃねえか」 俺がいることを知っていてこの声量

          短編小説「非沈黙サウナ」

          短編小説「サンタさんの存在が懸かったパンドラの箱」

          「ソラがあける!!」 ソラは最近、ダンボールを開けることを覚えた。家に届いたダンボールは全部ソラが開ける。 ハサミも使わずに、ただテープを雑にはがして開けるだけで自慢げなソラに、私は癒やされる。 今日も、ダンボールが届いた。 宅配業者から受け取った妻のサヤカは、ソラの届かない高いところにそれを置いた。いつもならダンボールはすぐにソラに渡すが、今日は渡さなかった。 その理由は予想がつく。中身は、先日サヤカと相談して買った、ソラへのクリスマスプレゼントだ。 ソラはサンタさんを

          短編小説「サンタさんの存在が懸かったパンドラの箱」

          短編小説「俺が神経衰弱に勝ったら、付き合ってください」

          マサキと四谷さんは両想いだ。本人たち以外みんな知っている。 これは、2人の想いを懸けたタイマン神経衰弱だ。 中学生活においての最大のミッション、「修学旅行で女子部屋に忍び込む」を成功させた俺とマサキだったが、もはやこの状況、俺の恋愛はどうでもいい。 「俺が神経衰弱に勝ったら、付き合ってください」と言い放ったマサキの目は真剣だった。部活の大会の時と同じ目をしていた。 一方、四谷さんは困り照れていた。変わった条件に困り、どこか真っ直ぐなその言葉に照れていた。 ちなみに、なぜマサ

          短編小説「俺が神経衰弱に勝ったら、付き合ってください」

          皿うどんが許せない

          どこがうどんなんですかあれ。うどん要素ないですやん。 僕は最初にあの料理を見たとき、「あれ?うどんってこうだったっけ?」ってなりましたよ。どうみてもうどんではないですよね。 僕は皿うどんの「うどん」の部分に腹を立てていますが、「皿」の部分にはもっと腹を立てています。名付け親テキトーすぎるやろ。 ラーメンを皿に乗せたらラーメンになりますか?綾鷹を皿に注いだら皿綾鷹ですか?サラサーティとか皿に乗せたら皿サラサーティですか?違いますよね。 「皿うどん」という名前は全て間違っていま

          皿うどんが許せない

          じゃんけんぽいぽいが許せない

          「「じゃんけんぽいぽいどっちだすの、たーらこっちだすよ」」 「「あいこでぽいぽいどっち出すの、たーらこっちだすよ」」 「あんたちょっと馬鹿ね」 「あんたよりマシよ」 「「ビームシュワッチ!」」 「「ビームシュワッチ!」」 「ほら見なさい」 いろんなローカルルールがあるのですが僕の地域はこうです。 もとは志村けんさんのコント番組から始まったもので、今は地域によってルールが違います。 前半、本当にゲーム性高いんですよ。「「じゃんけんぽいぽいどっちだすの」」でグーチョキパーの中

          じゃんけんぽいぽいが許せない

          僕は無罪のおじさんから逃げた

          小2の頃、学校に行く途中に信号待ちしてて。 その時、一緒に待ってた知らないおじさんが突然「ここの信号は長いねぇ!」って言うてきて、恐怖で走って逃げたことがある。 僕に逃げられたおじさんは、子供に恐怖を植え付けてしまった罪悪感と、不審者として報告されるかもしれないという不安に襲われたと思う。一気にメンタルやられたんじゃないかな。青信号になっても渡らずに、その場に立ちすくんだんじゃないかな。 「不審者じゃないよ」って僕に伝えることもできない。逃げた僕を走って追いかけたらそれこそ

          僕は無罪のおじさんから逃げた

          好き勝手に書く

          noteは改行ができるらしい。 おおおおお出来た!今までできなかったんですよ こんなふうに段落が変わってしまってたんです。Shift+Enterで改行なんですって。 これでもっと読みやすい文章がかけそうです。 嬉しい、たくさん改行したい。 うぇい やー ちぇけら 改行楽しいですね。 今回の記事だけは、たくさん改行 させてください。改行したい気分なんで す。なんか、初めて覚えた 言葉を 使いたがる小 学生のようです ね。 実はこれ、テキトーに改行してると見せかけて、一番左を

          好き勝手に書く

          音姫って

          音姫ってなんで流水音なんですかね?男性の叫び声とかじゃダメなのかな。トイレの個室から「ああ゛あ゛゛あ゛゛あ゛ああああ!!!!」って聞こえる世の中って悪くはないですよね。悪いか。 音姫を知らない人が音姫をきくと、「めちゃくちゃウォシュレット使う人だなぁ」とか「めちゃくちゃ体調悪い人だなぁ」とか思っちゃいそうです。なんでわざわざ、色々と連想ができてしまう流水音をチョイスしたのかな。 他の音にするならなんだろう。途切れない音がいいですよね。そうだな、高校野球の試合開始のサイレン

          音姫って

          チーズインハンバーグが許せない

          チーズインハンバーグって直訳すると、「ハンバーグの中のチーズ」です。おかしくないですか?チーズがメインになってます。 「お待たせしました、チーズインハンバーグです。」って言って料理出すのは、 「お待たせしました、ハンバーグの中のチーズです。」 って言ってるのと同じですよ。全国のチーズインハンバーグ提供職人の皆様は恥ずかしくないんですか。外国の方が聞いたら「あ、さっきまでハンバーグの中にあったチーズが出てくるのかな?」って思いますよ。いや、思いますよ。「思わねーよw」と思

          チーズインハンバーグが許せない