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野原工芸、シャープペンシルのその後

私は芯が減ってガイドパイプが紙にこすれてしまうのが嫌で、ついつい芯を長めに出しておくクセがあるのですが、そのために芯を折ってしまうことが間々あります。

ところがこのペンは、芯は同じように長めに出すのですが、(使い始めた先月中旬から)まだ一度も折れていません。その芯は始めに入っていたもので、「ぺんてる・ハイポリマーHB芯」とのことです。

その芯がよいのか……芯が折れにくい機構、構造なのか……ペンの形が、芯の折れない持ち方に自然と導いてくれるのか……不分明ですが、おもしろいなと感じています。

このところシャーペンは、このペンばかりを使っているので他と比べられない……他のペンの芯を入れ替えてまで検証するほどのことではないと今のところは考えています。

私のペンの持ち方は引き続き寝かせ気味ではあるものの、少し立てて書いていることも、しだいに増えてきた気がします。ペンが持ち方を教えてくれているところは多分にあるのでしょう。

野原工芸シャープペンシル(ミネバリ)

私にはモノグサなところがあって、オイルを塗布しての手入れというものがどうもできそうにありません。「できないのではなくて、やらないだけでしょう」と看破されれば、なるほどその通りだと肯くほかはありませんが、その気持ちの問題こそがやっかいでもあるわけです。「わかっていてもできない」というのもまた真でしょう。

そんな私の耳に啓示のように響いたのが、「毎日使うのがいちばんの手入れだ」という見解です。何でも、手の皮脂がうまく働いて、木軸を乾燥から守ってくれるらしいのです。毎日とはいかなくとも、週に五日ほど使うのであればさほど難しくありません。私はそちらの道を進むことに決めました。

そうすると、犬を飼うのにも似た責任などといえば、実際に飼われている方から「全然違う」と怒られそうですが――、ペンの使い手の側には、何か責任感のようなものも求められ、背筋が伸びる気がします。

シャーペンは、この一本か、せいぜいあともう一本……それ以上増えると、このペンを「毎日使う」ことが難しくなりそうです。そうしたわけで、大した旅ではなかったですが、私のシャーペン探索の旅は終りを告げました。

このペンの相棒として、木軸ほど手のかからない樹脂製か金属製のシャーペンを探すことはあるかもしれません。

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