ことば、ベクトル。きみへ、
僕は言葉が好きだ。文章が好きだ。読むのも書くのも。だからnoteにはこんなに記事が溜まっている。
でも同時に、他人に向けた言葉、というものを扱うのは苦手だ。苦手だ、とやっと気がついた。
相手を傷つけるのは怖い。言葉はとんでもない凶器になることがある。ひとを殺してしまえるくらいの凶器だ。そしてどんなに注意して使っても、いつか誰かを傷つけることは避けられない。
相手に理解してもらうことは難しい。同じ知識を、感性を、人生を共有しているひとはいないから。自分は理解されない、と常々思っているのに、自分だって相手を理解できないことを忘れていた。少しでも分かってもらえるように、いろんな言葉を使ってみるのを忘れていた。どこまで分かってどこから分からないか、確かめることを忘れていた。
頭でっかちで、こうして独り言ばかり書いてるから、相手の話を聞くのを忘れてしまう。どう思ってるか、思われてるか、それらに怯えているくせに。いや、怯えているから無意識に聞くことから逃げているのだろうか。
またnoteに記事が増える。独り言の記事が。でも同時に、これは忘れないために書く、きみとの話のことを、きみのことを思うために書く、きみのための記事でもある。いつもと少しだけベクトルを変えてみる。自分ばっかりじゃなくて、きみに向ける。僕のことを考えてくれるきみに。恥ずかしがり屋のきみに。優しくて誠実なきみに。賢くて面白いきみに。もっと大事にしたいよ、もっと褒めさせてくれ、もっと話を聞かせて、もっと触れていたいよ。
もうこんなにも寂しいからさ、いくらあっても足りないんだ、きみが。