みんなは誰を見ているの?
私に対する周りの評価といえば、優秀とか真面目とか、そんなのばかりだ。実際にそう言われた。色んな人に言われた。親にも友達にも先生にも。
その度に私ははあ、そうですか、と思う。だってそれは私じゃないから。真面目に見えるのは、怒られるのが怖くてじっとしているから。本当は怠惰で、めんどくさがり屋で、とにかく寝ていたい。
優秀とは?はて、なぜそう言われるのか分からない。成績とか出身大学とかでそう思われているんだと思う。そうですか、って感じ。お勉強が出来たからって、他のこともなんでも出来ると思うんですか?スポーツは苦手だし、不器用だし。
それに今は鬱病になって、ただ生きているだけでも必死だ。そしてにんげんに擬態していても、また優秀だとかなんだとか言われる。どこに目が付いているのでしょう?何も考えていないのでしょうか?それとも煽られているのでしょうか?
けれどそれは、必死に自分を誤魔化してきた私の罪でもある。小さい頃は親に迷惑をかけまいと必死だった。それは即ちいい子になることを意味していた。周囲からの期待に応えられなければ私の居場所は消えて無くなる。罵倒され足蹴にされ追い出されるのだ。だから何も失敗してはいけない。自分を追い込んで、必死に真面目で優秀な自分を演じてきた。自分の失敗はひた隠しにしてきた。
もう疲れたよ、もういいよね、頑張らなくて。今まで頑張ってきたことのせいで私は苦しんでいる。頑張りに殺されそうだ。周囲からの間違った評価に殺されそうだ。
誰か、本当の私を見て。本当の私を認めて。それでもいいんだって言ってよ。お願いだから、たったひとりでもいいから、お願い。