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うっかりの袖

息子が保育園の年中さんやった頃の話

保育園から帰る車中、えらく真剣な声で息子が話しかけてきた

「おかあさん……おかあさんって……」

うん?なんやなんや?おかあさん何ぞやらかしたか?

「おかあさんってプリンセスなん?」

ほへゃあ???!!!

へ?なんで?

「だってその袖……プリンセスが着る服なんやろ?」

あ!!!!!パフスリーブ!!!


子どもの頃からレースとフリルとリボンが大好きやった私は
中学生になってまんまとPINK HOUSEにはまった

好きが高じて販売員になったほど

(5年間の和裁修行を終えてもうすぐ卒業式というところで、とっとと辞めてPINK HOUSEのおねーさんとして就職した。いやアンタお礼奉公はどうした……)

販売の仕事を辞めてからもPINK HOUSEは着続けていたけど、モラ野郎があまりいい顔をしなかった
しかたなくPINK HOUSE以外を着るようになったけど、ほんのりレースとフリルとリボンとピンタックとパフスリーブを選ぶことはやめなかった

やめなかった、というより無意識で選んでた

その日着ていたのはパフスリーブのTシャツ

パフスリーブといっても袖山のギャザーは、ほんのちょっとだけ
そんなに目立つようなふんわり具合ではないはずやったのに

きっとクラスのプリンセス好き女子に聞かれたんやと思う


ぐあああああごめんやで息子~~~


40過ぎてパフスリーブはあかんよなあ

気付かんくてホンマごめん



さすがにパフスリーブは封印したけど
来週には四捨五入したら還暦に近くなる今でも、レース使ってる服は着てるで

年を取っても好きな服を着るのは大事

生きる力をくれるからな


けど、あれはホンマに恥ずかしかったわ……

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