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鎮痛系漢方薬
次の効能を持つ漢方はどれか。1つ選べ。
体力中等度以下で手足が冷えて肩がこり、ときにみぞおちが膨満するものの頭痛、頭痛に伴う吐き気・嘔吐、しゃっくりに適すとされる。
1 芍薬甘草湯
2 釣藤散
3 呉茱萸湯
4 疎経活血湯
5 桂枝加朮附湯
答えは決まりましたか?
鎮痛と言っても、頭痛や四肢の痛みなど、色々ありますよね。
この辺は大まかにイメージして覚えていくとスムーズに進むと思います。
では、解答です。
A. 3 呉茱萸湯
それでは、大まかに見ていきましょう。
頭痛に使う漢方薬
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
釣藤散(ちょうとうさん)
五苓散(ごれいさん)
呉茱萸湯
●効能効果
手足の冷えやすい中等度以下の体力のものの次の諸症:習慣性偏頭痛、習慣性頭痛、嘔吐、脚気衝心
呉茱萸湯は、吐き気を伴う頭痛や片頭痛に有効とされています。
主薬の呉茱萸には健胃作用があるため、胃腸が弱い方にも使いやすいことが特徴です。
効能で見分けるキーワード
『冷え性+吐き気+しゃっくり(+頭痛)』
問題を解くときは、しゃっくりで見分けている方が多いようです。
是非参考にしてください。
釣藤散
●効能効果
体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどがあるものの次の諸症:慢性頭痛、神経症、高血圧の傾向のあるもの
釣藤散はイライラ、眩暈、不眠、高血圧に伴う頭痛や耳鳴りに有効とされています。
頭痛薬で挙げた漢方の中で唯一甘草を含む点も覚えておきましょう。
効能で見分けるキーワード
『高血圧+耳鳴り(+頭痛)』
五苓散
●効能効果
体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔い
五苓散は気圧の変化で現れる頭痛や二日酔いに有効とされています。
利水作用をもつ漢方が構成の大半を占めています。
水が滞りを改善し、外に出していくイメージを持つと良いでしょう。
効能で見分けるキーワード
『天気痛+二日酔い』
体の痛みに使う漢方薬
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)
痛み止めは炎症を抑える必要があるため、甘草が含有されていることがほどんどです。
上記漢方にはすべて甘草が含まれています。
芍薬甘草湯
●効能効果
体力に関わらず使用でき、筋肉の急激なけいれんを伴う痛みのあるものの次の諸症:こむらがえり、筋肉のけいれん、腹痛、腰痛
芍薬甘草湯は名前の通り、芍薬と甘草のみで構成される漢方薬です。
即効性があり、こむら返り等の筋肉の痙攣によく使われます。
効能で見分けるキーワード
『こむら返り』
疎経活血湯
●効能効果
体力中等度で、痛みがあり、ときにしびれがあるものの次の諸症:関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛
疎経活血湯は、駆瘀血作用により、血流を良くしてしびれを改善する漢方薬です。
名前に活血とある通りの作用ですね!
効能で見分けるキーワード
『しびれ+体の痛み』
桂枝加朮附湯
●効能効果
体力虚弱で、汗が出、手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの次の諸症: 関節痛、神経痛
桂枝加朮附湯は手足のこわばりがある場合の関節痛などに用いられます。
附子で体を温め、蒼朮で余分な水を体外へ排出する作用があるため、手足の冷えたものに有効とされています。
効能で見分けるキーワード
『手足のこわばり+冷え+関節痛』
麻杏薏甘湯
●効能効果
体力中等度なものの次の諸症:関節痛、神経痛、筋肉痛、いぼ、手足のあれ(手足の湿疹・皮膚炎)
麻杏薏甘湯は関節等の腫れに有効とされる漢方薬です。
名前は構成生薬の頭文字(麻黄・杏仁・薏苡仁・甘草)が由来です。
薏苡仁は皮膚トラブルによく使われる薬であることと、いぼや湿疹、皮膚炎と結びつけると覚えやすいと思います。
効能で見分けるキーワード
『皮膚トラブル+関節(または筋肉)の腫れ』
鎮痛系漢方は以上です!
お疲れ様でした!