【第24節】ピーターパンの似合うスタジアム
今シーズン、鹿児島ユナイテッドのホームゲームでは優里さんの「ピーターパン」が流されている。
スポーツを歌った曲というわけではないのだろうけれど、逆転を望むその歌はサッカースタジアムにマッチしていて気分が高まる。
シーズンの始まりに曲名を知って、すぐに曲を購入した。
普段からよく聴くし、ホームゲームの日はスタジアムへの道中でリピート再生している。
とはいえ、今シーズンの鹿児島ユナイテッドはホームに強い。
この日までの11試合は8勝1分2敗。
8勝のうち、先制されたのも1試合だけで逆転勝ちは第2節の八戸戦しかなかった。
ただ、引き分けや負けの三つはいずれも先制されて逆転できなかったというのも事実。
先制して勝ち切るのがベストだけれど、シーズンも残り3分の1になって逆転劇を見たいとも思っていた。
鹿児島に秋はない
9月になり、鹿児島でも朝晩はだいぶ過ごしやすくなってきたとはいえ、日中はまだまだ暑い。
キックオフの2時間、スタジアムに着くころは陽射しがきつかった。
雨の心配がないのはよかったが、この日は桜島上空の風は西向きに吹いていた。
つまり、試合中に桜島が噴火するともろに火山灰を浴びる恐れがあった。
黙っていてくれる分には見栄えのする山なんだけど、屋外にいるときの灰は勘弁してほしい。
結果的に、試合中はほとんど影響がないぐらいだったけれど、試合後は結構ひどかったらしい。
試合後にワンタッチポイント会員の来場ポイントが+100になったとクラブ公式のツイッターで知った。
たぶん、というかほぼ間違いなく、灰の日ポイントなるものがあるのは日本で鹿児島ユナイテッドだけ。
閑話休題。
バックスタンド側でいつもの辺りの席を確保すると、スタグルを確保するためスタジアムをぐるっと回る。
ちょっと人が少ないのかなと思ったけれど、入場者数が5,000人近かったので、きっと陽射しが弱まってから多くの人が来場したんだろう。
スタグルの列も僕が行ったころはほとんどなかったので、わりかし楽に購入することができた。
この日は豚丼。
全体的にさっぱりしている分、肉やお米の甘さが際立っておいしかった。
あと、写真は撮ってないけれど、この日のスタグルでは「さつまいも祭」が開催されていたので、大学芋も食べた。
こちらも素材の味がしっかり味わえる一品だった。
チャントはやっぱりいい
この日も声出し応援適用試合だった。
白波スタジアムでは3試合目だけれど、歌声が響くとサッカーを観ているという気分にさせてもらえる。
試合開始が近づくにつれて、チャントの迫力が増してくるとさらに気持ちが高まる。
そうして試合が始まった。
が、開始からわずか43秒。
鹿児島ユナイテッドは先制されてしまう。
けれど静寂に包まれたのはわずかな時間だけ。
すぐに選手を後押しするチャントと手拍子が続いた。
チームの失敗にため息だけが響くスタジアムは、もうない。
すぐに再開した試合で、鹿児島ユナイテッドはポジションを入れ替えて、打開を図る。
その成果はすぐに出た。
前半27分。
左サイドでスタートした五領選手が本来の右サイドに戻ってドリブルで切り込む。
相手ディフェンダーを2人はがして、そのままシュート。
最後はリーグ得点ランキングトップの有田選手がコースを変えて試合を振り出しに戻した。
追いついてからは冷静に試合が観られた。
会場も盛り上がって、すぐに逆転できるという雰囲気が感じられた。
チャントももちろんよかったけれど、それとは関係なく自然発生的な手拍子もあった。
目指すところはすぐそこだった。
そして前半32分。
有田選手がPKを決めて試合をひっくり返した。
第三者にはなれない
後半は互いに1点ずつを決めて、最終スコアは3-2だった。
3-1となってからは余裕で終われるかと思ったけれど、その後に1点差に詰め寄られるとハラハラする場面もあった。
第三者的な目線だと3-2のサッカーの試合は面白いんだろうけど、必ずしもそう思えないのはサポーターの業みたいなものだからしょうがない。
とにかく、こういう展開でも勝ち切れるあたり、今年のチームはやっぱり強い。
今シーズン、1回目の逆転勝利は第2節。
初戦が引き分けだったこともあって、まだ今年のチームがどうなのか期待と不安が半々だった。
一方、シーズンの3分の2が終わった今の段階の逆転勝利は素直に力があるからだと思える。
ただ、気がかりなのは失点が増えてきていること。
逆転勝ちが少なかったというのは、点を取られていなかったということの裏返しでもある。
首位と勝点4差で、3位と勝ち点で並んでいる今の状況では、言うまでもなく気が抜けない。
残り10試合、ホームに限れば5試合。
スローガンの通り、One Team, One Gameを貫くチームが観たい。
次の週末もホーム戦。
天気が少し心配だけれど、心配するのは空の雲行きだけにする。
勝てると信じてスタジアムに行こう。