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絵本『すてきな三にんぐみ』を読んで

子供の読み聞かせ用に町立図書館から借りてきた絵本。

『すてきな三にんぐみ』

初めて読んだけどとても印象深く、色々思うことがあったのでnoteしておこうと思った。


物語の内容


黒いマント、帽子をかぶった3人組は宝集めに夢中な泥棒


ラッパ銃、胡椒吹きつけ、マサカリを武器にお金持ちを襲って宝を奪っている


お宝は隠れ家に運び込む


ある日3人組はティファニーという女の子と出会いお宝の代わりにティファニーを連れて帰る


ティファニーは3人にお宝をどうするか尋ねる。しかし3人組はどうするつもりもなく、目的もなく集めてきていたことに気づく。


3人は寂しく悲しい気持ちで暮らしている孤児たちを集めて宝でお城を書い、子供達と一緒に暮らし始める。


孤児たちはどんどん増えていき…


お城の周りに家を建て、大きな村となる。3人組を忘れない為に3人にそっくりな3つの大きな塔を建てる。

というお話です。

この絵本のメッセージとは

この物語の解釈やメッセージは
・本当の宝物とは金銀財宝ではなく子供の笑顔や幸せ
・善悪とは何かを子供に伝え考えるきっかけをつくる

などが挙がる。つまり

・物事の本質、本来の目的はなに?
・物事の裏表について

という2点だと思う。

物事の本質、本来の目的とは

3人組はお宝集めに夢中でその後の目的や狙いなど特になかった。
それは第三者であるティファニーちゃんに素朴に質問を投げかけられてハッと気づく。

「お宝=みんなが羨むもの、素晴らしいもの」という考えのもと、とにかく集めて集めて手にいれる。それは自分たちの価値観ではなく、人からみた価値観でとにかく手に入れてみるが実際にお宝そのものに価値など見出してなかった。

自分を振り返った時、私も自分軸での価値観ではなく、他人軸や世間の価値観で良し悪しを決める思考癖があるな、と思った。そう思う理由や原因、自分にとっての幸せとは、という視点を深ぼらずに。

きっとそんな軸で得たものなんて、ティファニーちゃんの様な純粋な目を持った第三者から「そしてその後どうするの?」と聞かれたら一気に空虚なものになるんだろうな。

物事の裏表について

この物語ではある角度から見ると3人組は悪人でもあり善人でもある。
もちろんお宝を盗まれた側にとってはにっくき強盗犯であるし、許せない悪人だろう。しかし孤児たちから見たら3人組は自分たちを救ってくれたスーパーヒーローだし感謝と尊敬の対象者である。

何事もそうだけど表裏、陰と陽があるように1つのものに相反するものが存在するのだと思う。それをどう見るかは自分の置かれた環境や価値観で決まるのだろうけど、1つの事象に対して1つだけが正解なわけではない。

白黒はっきりつける事は時に苦しみを伴う場合がある。
「あの人はこうだ」とか「自分ってこうだからダメだな」とか。

ジャッジして決めつけるのはそれ以上の許容を認めないことになるから、時には物事に対して曖昧さ、淡い状態も受け入れるよう時には自分を緩めたいなと思った。

本×リトリート

絵本ってとても良い。

文字量が少ない分、読み手の解釈の幅は広がるし、考えさせられるきっかけを与えてくれる。

絵本や本は学びを提供してくれる他、今の自分へ気づきを与えてくれる手軽で身近なリトリート方法。

「読書リトリート」を行なっている方やBooks Retreatという名の施設もあるくらい、本はあっという間に非日常空間へ連れて行ってくれるツールです。

読書の秋。

数時間〜半日でできる読書リトリート、いかがでしょう?

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