東京大学2021年国語第4問 『子規の画』夏目漱石
これまでの東大現代文にはなかった種類の問題といえる。これまでは感覚的な問題文もあるにはあったが、それでも少なくとも文中に解答に使えそうなことばが点在していた。しかし本問は、「心情について説明せよ」という設問が二つもあることに象徴されるように、文中のことばから作中の人物の思いを類推しないと解けない設問ばかりである。
事実、この年の入試問題に関し東大が公表した「出題の意図と解答」の「『国語』の出題意図」には、「行間が雄弁な文章なので、表面的な読み取りでは太刀打ちできません。『