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ひまわりさんに

先日、利用者さんとお別れした。
とっても明るくてパワフルで元気を振りまく人だったから、ひまわりさんと呼ぶことにします。

体に障害がある人だったから、私がみていた元気さとは別の弱いところがもちろんあったのだろう。何が原因かは分からないけれど、冬の温度差だったり、風邪をこじらせたりが原因で亡くなる利用者さんを何人かみてきた。冬の突然のお別れ…。

突然のお別れは心の置き場がない。
なぜ、どうして、あんなに元気だったのに、とぐるぐる回るだけだ。

ひまわりさんは私くらいの年齢で
明るくて冗談が言えてユーモアがあって
好きなアイドルや野球チームを熱く応援してた。
車椅子をびゅーん、と早く動かして廊下を行き来していた。言葉はでないけど、スマホを使いこなして文字で話していた。自分でできることは自分でやる強さのある人だった。

初めてひまわりさんのお風呂介助に入ったとき、
片足の膝から下がないのを見てドキっとした。
そしてテキパキと装具をはずしたりつけたりを自分で当たり前にこなしている姿をみて、すごいな、と驚いたのだった。

明るさも、元気さも、面白さも、情熱もあって
自分のことは自分でやって、家族や親戚を大事にしているひまわりさんが、強くてかっこよく、うらやましく見えた。

お別れ会には仕事で行けなかったけど、
その日の職場からみた夕焼けは、とても美しい青から紫のグラデーションだった。
利用者さんや職員さんと「きれいだね」と眺めた。私は言わなかったけど、きっとひまわりさんが旅立つ空だったから、こんなに美しかったんだと思った。

ひまわりさんの生が見せてくれた美しいものに感謝して、お別れします。ありがとう。みんな、ひまわりさんが大好きだったよ。

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