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とある米の旅立ちを想う
とんがったコシヒカリが出荷されていく。
7~8年ぶりの直播のくせに、ドローンで播種。しかも倒れやすいばらまき散播なうえ、倒伏しやすいコシヒカリを撒いた。
暖かく湿っぽい草丈が伸びがっこうな今年は特に厳しい。2筆1ヘクタールのうち、1筆はしっかりベタつぶれていた。
コーティングの段階からこのコシヒカリはとんがっていた。
種子コーティングはカルパー。内包する酸素の関係で1週間以内に播種しなきゃいけないネックがある。そこをJAの勧めで、‘‘理論上は‘‘ 芽が出てくるという、3週間前にコーティングをした種を使った。播種当日、保険でマイコスを混ぜ込む。
予定よりも出芽まで日にちがかかり、いよいよ他から苗を買ってきて植え直さなきゃと思ってた頃、2週間後にぴょこぴょこ芽が出たときにはさすがに安堵した。
こんなエッジの効いた興奮する栽培方法は久しぶりだ。いや、初めてだったかもしれない。毎日田んぼに行くのが楽しみだった。
そんなコシヒカリが刈られ、乾燥・調整され、1トンパックに詰められ出荷されていく。感慨深い。
来年もドローン播種を続けていく。収量が良かったわけでもなく、草管理が完璧だったわけでもない。先の見えない領域に突っ込んでいく興奮や怖さは、虚心坦懐、不確実な未来を勇気をもって前に進む戸頭農場のビジョンである。
倒れなかった1筆はなぜか?マイコスの効用、施肥の量など、頭の中ではもう来年の播種が始まっている。