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敗けたときに人の本性が出る! 川淵三郎「グッドルーザー」を語る
ヤフーニュースを眺めていると、『「途中でこけちゃいました」に救われた――川淵三郎、「グッドルーザー」を語る』なる記事を発見。
川淵三郎氏はJリーグの初代チェアマン。
川淵氏へのインタビューなのだが、なかなかいい記事だったので紹介。
グッドルーザー(goog loser)とは、潔く負けを認める人のこと。
「途中でこけちゃいました」は、バルセロナ五輪男子マラソンにおける谷口浩美選手の言葉。
谷口選手は途中で転倒して靴が脱げ、その影響で8位。
試合後の谷口選手の第一声が「途中でこけちゃいました。」だった。
当時、谷口選手はメダル候補の一人。
しかし、泣きも悔しがる表情もせず、さわやかな笑顔で「こけちゃいました。」とインタビューに答える。
当時、私は高校生だったと思うが、谷口選手のこの言葉に不思議な感動を覚え、今でも記憶に残っている。
川淵氏もグッドルーザーの一人として谷口選手の名前を挙げている。
記事の中にも出てくるが、スポーツコンサルタントの広瀬一郎氏は「ある人が真にスポーツマンであるかどうかは、勝負に負けたときの態度でわかる。負けた時に素直に負けを認め、それでいて頭を垂れず、相手を称え、意気消沈せずにすぐ次に備える人が真のスポーツマンだ」という。
川淵氏も機会あるごとにグッドルーザーについて言及するという。
グッドルーザーという言葉は、スポーツ以外にも当てはまることだろう。
人生に失敗はつきもの。
その失敗を失敗として潔く受け止めることが肝要。
私の好きな精神科医・作家・Youtuberの樺沢紫苑先生は、精神の成長に必要な行動のベスト3は「失敗すること・恥をかくこと・追いつめられること」としている。
大切なのは失敗を冷静に見つめ、フィードバックすること。
フィードバックするには、潔く失敗を認めることが大前提。
つまり、負けを認めないことは、マナー・スポーツマンシップにもとるだけでなく、自己成長の妨げにもなるということだ。
スポーツが自己成長を目的としているならば、敗北にこそスポーツの本質があるといっていいのかもしれない。
東京オリンピックは1年延期になってしまったが、是非、日本の選手には、メダル以上に敗けたときの素晴らしい振る舞いを世界に見せて欲しい。