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地方出身東大生の受験体験記 

ご挨拶

ごきげんよう。みなさんお変わりありませんか。
最近日照時間が長くなって気分がいい…のですが、そろそろ大学の二次試験が近づいて参りましたね。かくいう私は、東京観光楽しかったなという呑気な感想と、とにかく胃の調子が悪く何も食べられず、ホテルでびいびい泣き叫んでいたことが思い出されてなんとなく冬自体が嫌い。そんな思い出をご開陳するのと、東京大学の学生であるという個人情報を公衆に曝け出すことに関してとても気が引けたのですが、辛酸を舐めまくったことで、みんなこんなもんよのリマインド並びにシミュレーションのお役に立てればと筆をとりました。一般的な注意はすでに他のウェブサイトからも読めると思うので、地方出身ハード系受験のサバイバーとして言えることをいくつか。あくまでも個人の感想です。正確な情報はご自身で確認ください。また、センシティブなトピックですので不快感を与えてしまう表現等ありましたら即刻修正いたします。ご遠慮なく連絡ください。

私のバックグラウンド

地方出身。白衣に憧れており、研究者になりたかった。理系で早慶東大を受験し全部落ちて浪人確定。ちなみに現役浪人合わせて一番難しかった試験は早稲田理工学部の英語。長文読解の文章が解読不能。

浪人時代は共通テスト利用から何からかんからとりあえず出願を出しまくり、実際に足を運んで受験したのは
・同志社(法だったっけかな)
・早稲田(法文)
・慶應(法文)
・東大(文科三類)
の4校。

現役時代は実力がなさすぎたことから参考にならないと判断し、浪人時代を思い返します。

一般的注意

体調だけはしっかり整えてください。風邪気味だと思ったらあまり詰めすぎないようにしましょう。最後で不安なのはわかりますが睡眠時間8時間はとりましょう。もっと寝たい人はもっと寝てもいいです。どうしても寝られないという人、それはそれで大丈夫なので、体を休めていると思って目を瞑ってみてください。あとは、深呼吸に集中して他のことは全て忘れていくイメージで。寝られない〜と心配になりすぎないでください。寒いし結構疲れてます。体だけでも休めることに意味があります!ストレッチもお勧めです。

全ての科目が終了するまで絶対に答え合わせしない方がいいです。絶対。
友達や模範解答とかに関わらず。確かにミスはしていたが思ったより配点が低く全体に大きな影響は及さなかった、本当に大失点をしたが、得意な科目でやけに易化して点数が稼げてしまった、などなど、受験は最後まで何が起こるかわからないものです。あとあなたの記憶は意外と間違っている。自身の解答を間違って記憶していることもとみにありえます。問題用紙に丸をつけたから大丈夫?迷って最後の数分で答えを変えたかもしれない。意外と覚えてないものです。すなわち、自分での答え合わせに客観性は保証されないのです。また、点数配分を決めるのは大学の担当者であり塾ではありません。そのため、塾の解答速報が正しいとは限りません。今年から採点方式にマイナーチェンジが起こっていたとしても、なんらおかしいことではありません。自己採点というのはテストが終了した後に次のテストに備えるための参考資料にすぎません。合否が決まるかどうかの基準として扱うのには無理があります。ミスに気づいて解答を変えられるわけじゃなし、無意味。採点は受験が終わった後に☺️

あと、時々「この問題はこうだよね」「全完(全ての問題を完璧に解答すること)できなかった…」とか変なこと言ってる輩がいっつも見かけられますが大体男性なのはなんでなんですかね?そういうやつは虚飾を気取っているかマジでできる天才タイプのどちらかです。
元々受かるだろうと思っている人たちにとってはこういう変異種は高みの見物かもしれませんが、ギリギリでつっこみに来ていた私は個人的最大苦手の世界史を「簡単だった〜💫」というやつを見かけた時には心の中でガミガミ女のくつわかましてました。過激派でごめんなさい。苦しんだんです。ほんと。反省しています。まあ、天才ちゃんとはもはや争えないし、虚勢張る人と争ったってしょうがないし、本当にライバルになるのは友達とくっちゃべったりせずコツコツと参考書を開いて勉強している近くの生徒さんそして自分自身です。冷静に流して最後の追い込み頑張るのが一番現実的です笑


スコットランド Dundeeにて 左の2つががみがみ女のくつわ
ジェンダー的には憤懣やる方ない道具です…。

同志社

これは地方で受験しました。受験の雰囲気に慣れるための受験でした。お手洗いが割と混んでいたのと、同じ高校や塾の人たちがいてなんとなく気まずく、精神衛生面的にかえって良くなかったかもしれない。内容は難しくはないのだが、何せ競争率が高いのでしっかり準備してくる人が多いです。私も合格したが、予想よりも余裕の合格ではなかったのが印象に残りました。雰囲気に慣れるための受験で補欠や落ちたりなんかしていたらメンタルがやられるので、共通テストで同レベルの私大を抑えられる自信がある人は早慶のみでいいかもしれないと思います。簡単というより、むしろその逆。準備にかかる時間を鑑みると、コスパが悪くなる可能性はあると思います。過去問も十分に解けない中の受験となると、試験中の時間配分の計画が立てづらいことから、心の余裕がなくなる可能性もあります。

早稲田・慶應

東京受験に関して

新幹線で勉強しようと思ったら酔った。普段は大丈夫な人でも緊張や疲れで酔うことはありうるのでもしも体調が悪いと思ったら無理せず勉強はお休みしましょう。体のコンディションだけは大切に…。あと、受験日数が離れるようであれば、普段からの勉強場所の方が落ち着いて勉強できるのでできるだけ一時帰宅しましょう。地方出身者の予想以上に東京には刺激が多すぎる笑

あと、東京の特性について。

東京(関東)は日本で最も地震が多いです。体感1ヶ月に1、2回程度は震度2か3くらいがくるので、そんなに焦らなくて大丈夫です👍地震が起こった時は、机の下。頭を防御。情報を確認してもしも何もなければ普通に過ごしてください。といいつつ、私が東京受験した時は福島で震度6くらい大揺れして東京もかなり来ました。情報収集も大切なんですが、あまりにも動揺してしまってもよくないので、公共交通機関と被害状況の概要くらいわかったら頭のところに落ちてきたら危険なものがないかは一応確認し、さっさと寝ましょう。あとはもう、時間に余裕を持って会場に到着するしかない。

地震が来て交通機関に影響が出た場合。公共交通機関を使っていれば、別室受験など、なんらかの特別措置は大学側も用意するはずです。状況が危険でなければ何時間かかってもいいのでとりあえず大学まで行きましょう。逆に特別措置が効かなくなったら困るので自家用車などのプライベートなものは使わないようにしてください。こういうイレギュラーに対応するために、やはり携帯電話は持っておいたほうがいいです。

また、東京は電車の線がたくさんあります。困ったら上を見て歩くと、しっかり色分けされていますし説明もわかりやすいです。それでもわかんなかったらドツボにハマる前に車掌さんに聞きましょう。ただ、前日までに一度ホテルから下見に行って、時間がどれくらいかかるのか確認しておきましょう。乗り換えの接続のこともありますから、電車の時間も厳密に決めてしまったほうがいいと思います。早めに着くとライバルがいて緊張する気持ちもわからなくはありませんが、本当に線が多いのと朝は混雑しているのと駅が予想以上に広いのとで、お上りさんは1時間半くらい前に到着を目指すことをお勧めします。

大学について


早稲田はとにかくお手洗いの混雑がひどい。文学部で受験した棟なんて一つのフロアにつき女子トイレ2つしかなかった。長蛇の列。大学生のアルバイターさんが他のお手洗いに連れて行ってくれるが、そこでもかなり待たされる。30分で行ければいい方。ひどい時は1時間はかかったと記憶しています。長い休み時間はトイレに並ぶためだけにある。ですから、我慢できなくなる前に早めに行ったほうがいいです笑休憩時間にガッツリ勉強するという考えは捨てましょう。かといって、何もせずに頭良さそうなライバルに囲まれて延々過ごすのもかえってストレスがかかるのでトイレに行く時は参考書必携。水分は控えたら体調不良の元なのでちゃんととってくださいね。

慶應もお手洗いは並びますが早稲田ほどでは…、それでもすごく並ばされたとは思います。あと慶應のチャイムは可愛いんだけれどよくわかんない音なので最初聞いた時に不思議な気持ちになりました。なんならYouTubeで事前に聞いておくといいかもしれません。責任を持ってコピーアンドペーストするため今試しに聞いたんですけれどギェ〜〜〜〜〜!!って感じ。鳥肌たった。まさに受験の音!(慶應義塾大学の方々ごめんなさい。試験難しくて難しくて…。)

勉強の戦略

多分今年の受験はもう間に合わないかな?申し訳ない…早稲田慶應は、どの問題を捨てるかあらかじめ計画を練っておく必要があります。同志社までなら持ち合わせの知識量でほとんどの回答を埋めることができますが、早稲田慶應はふるいおとしに完全フォーカスした受験形態であるがゆえに、激マニアックな問題が出るからです。

国立と私立大学の受験者ならびに受験形態の違いについて考えると、どうしても国立受験者が不利であることは明らかです。
国立は論述型で芯のある回答がかければかけるほど点数が加算されていきます。それか共通テストの配分が大きく、基礎力の持ちよう(特に数学は私立大学専願よりも強いはず)が評価されます。すなわち、元々実力があるか、もしくは解答を導けなかったとしても自身の思考を正確にかつ形式に則って他者にわかりやすく言語化できる能力が評価されます。
比べて私立は
・私立にも興味がある国立志望民
・特定の私立を目指す私立専願民
がしのぎを削るところです。MARCH・関関同立レベルは10個ほど大学があって多少受験者も分散するかもしれませんが早慶は2校。そこに国立受験者もなだれ込むわけですから、競争の熾烈さは国立よりも私立トップにおいて極まる…と考えています。あくまでも私の推測ですが。設問形式も先述した通りいかに点数に差をつけるかを考えた作り。例えば、アイヌの言葉をきく問題が早慶のどっちだったか忘れましたけれど、過去問で出てました。カムイとかコタンとか。いや、色々なカルチャーを知ることは大切だと思うけど、受験で聞くことではない。絶対に笑

この問題形式の違いが国立志望民と私立専願民のリソースを割く先の違いになっていきます。国立志望民は、全教科において要点をしっかり抑えているという基礎力が強み(特定の科目で殴りこみを強行し、全てのアラを清算する強者も存在しますが…)。一方で私大を専願している人たちは個々の大学の特徴に付随する細かな知識やテクニック、設問の傾向までしっかり掴んでいるのが強みだと思う。どちらが良い悪いというわけではありません。戦略の違い、行きたい大学によってそうなるのは自明です。完全に蛇足ですが、国立志望民は共通テストの良かった点数を一部の科目に置き換えられる受験というのがあるので、金銭的に余裕がありそうだったら検討してみるといいかもしれません。私は早稲田の日本史を共通テスト数学2Bにすげかえました。

ただ、少なくとも私立大学受験では国立志望民が明らかに不利。ここでなんとか合格をもらうには、基礎力だけでなんとかなる問題をできるだけ間違えずに、そして時間をかけて答え、テクニックがいる問題に拘泥せず気持ちよく捨てるということです。だって絶対わかんないもん…。わかったらラッキー、棚ぼた!くらいまで開き直れるくらいの過去問分析(最低5年分)をすると揺るがない精神を手に入れることができます。完璧主義だと辛くなるかもしれませんが、ミスを極限まで減らせれば一応受かる配分で難問と回答可能な問の割合に配分されている(はず…)ここでいかに気持ちよく捨てられるかが大切。
ただ、空欄は極力作らないように。
わからない問題を空欄にして出そうとするとマーク等がずれるなどのトラブルが起こります。ハングリー精神の観点からも、とにかく勘でも全問埋めて出して、数点は頂いちゃいましょう。

しかし、前述の話を覆して失礼しますが、塾の先生曰く慶應の法学部に受かったら東大には受かる!らしいです。すなわち慶應の法学落ちても東大には受かるってことです笑もしも私大で不合格が出てもあまり落ち込まずに次に切り替えるのが大事かなと思います。涙
あと、私大は落ちちゃった時に不合格者の中でランク分けが出るんですが、私大は補欠合格がわりあい多く、例年このランクまでは連絡くるな〜という慣行らしきものがあるので確認はしておきましょう。補欠合格の連絡が来たら入学金諸々の手続きはお早めに!1日くらいで閉まっちゃいます。国立でも時々出るらしいけれどね、補欠合格。

東大


シモの問題は困らない。常識の範囲内の列。ありがたや。
あと、今は赤門使えないみたいですが、理系受験者の皆様、正門とか赤門とかは毎年混み合いますので弥生門を使うとスムーズにいけます。ご参考までに。構内が込み入っているので、道にさえ迷わないように気をつければ環境は最高です。

ただ、ここで…私、1日目の数学をやらかしまして。ギャン泣き。喚き散らしながら開いていた世界史の教科書、全く集中できなくて気休めにしかなっていない。母に「帰る?」と聞かれたくらい。ここまで頑張ったのに嘘やろ、と思って「帰らん」と言ってぐじぐじ泣いてましたが、一瞬揺らいだので変なこと言うのやめてほしい…笑
で、二日目の世界史受けた後に先述した「簡単だった〜🌷」の人ですよ。勘弁してくれ。ただ、あの時はあと数時間で解放される!の方が強くてもうどうでもよかった。

難しくないことはできないながらに感じとっていたので私は落ちたって思いました。のちに、数学は振るわなかったものの、世界史国語でなんとか持ち堪えたこと、日本史で元々の算段より取れていたこと、英語がなんか急上昇していたことで、合格をもらえたことがわかりました。総合点は、受験2週間前の模擬から40点ほど上がっていました。

パッと聞いたらすごい気もしますが、冷静に考えたら実はそうでもないんです。数学を除いた科目数合計4つ。一科目につき10点伸びれば合計40点伸びる。模擬試験ではしっかり配点も決まっていますが、本番の採点では、さらっと読んで大まかに採点している、という噂をチラッと聞いたことがあります。採点が甘くて5点、実力が伸びて記号問題1個2個取れれば、不可能ではありません。また、最後の追い込み、そんな短期間で点数上がったら今までに上がってるわ!私もそう思ってました。でも違うんですよね。最後の追い込みでは過去問をやり込むので、実力も伸びますがそれ以上にテスト形式に慣れ実力を100%アウトプットする力が伸びるようです。自身のポテンシャルが可視化されていなかったため評価できていなかった、しかしそれが本番近くになって明らかになった、だから「最後は伸びる!」なんていうわけです笑

というわけで、どんなことが起ころうと最後まで受けてきてください。
受験時期直前なので詳しい言及は控えますが、チャンスは一回である時点で多少の運はファクターとして働き得ます。一般受験において、スタートラインは違っても、ゴールラインが一緒。そこに不公平の秘匿、もしくは叩き上げの希望を見出した人もいるかもしれませんが、翻って言えば、できなかった理由はあなただけの問題ではない。ただ、最大の味方であるはずの自分が自分を信じられなくなるこの時期。居心地の悪さを感じていると自分が生きている意味とは、みたいなことを考え出すので(経験者は語る…)、何か感謝できるものを探してください。受験に直接的に関係しなくても、友達でもコンビニの店員さんでも、道路工事のスタッフさんでも構いません。自分が生活できることに無理矢理にでもそのありがたみを探してみてください。

泣いても笑っても、もうこれでおしまいです。自分を責めすぎず、できない自分、サボった自分を受け入れて、ぶつかってきてください。頑張らなくていい、あなたのせいでもない、いっそ開き直って、その場は楽しんできてください。

最後に一つ、おまじないの言葉を贈ります。たった数日間、受験が終わるまででいいので騙されたと思って

あなたの性格の如何に関わらず

「本番に強い」

母が私に向かって呪詛のように繰り返していた言葉

って言い聞かせてください。
自分に嘘をついているわけではありません。(特に本番に弱いと思っているみなさんは自己への従来の評価を相対化し、)「本番に強い」という新たな価値観を「言葉」という強いメッセンジャーで自身に投影することで、潜在的な能力の覚醒(厨二病みたいでカッコいい!)、その言葉への順応性を引き出すのです。本番前の伸びるがうんたらと一緒笑

気休めだと思ってやってみてください。意外と効きます。







…とまあ偉そうな根性論を語っていますが、私は元々こういう曲(『ノンフィクション』)が好きな人間です。受験期によく聴いていて、今でもやなことあるたび思い出すこの曲。みんな受験に限らず人知れずどこかで苦しんでるねって当たり前の事実にふと気付かされる曲ですが、受験生は鬱がうつってもいかんので(意図せず親父ギャグ)今は聴かないことをお勧めします笑











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