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シンプルなシャドーイングのやり方【4ステップ】
TOEIC900点、英検1級ホルダー大学生のけんとです。
私は普段英語学習を通した学びを発信しています。
さて、今回の記事は
「リスニングがなかなか上がらない」
「リスニングの効果的な勉強法が分からない」
といった方に向けて、私がオススメする''シャドーイング''という学習法のやり方をご紹介します。
私はこのシャドーイングのおかげで苦手だったリスニングを克服することができたので、あなたにもぜひシャドーイングの威力を感じてもらいたいです。
それでは
Let's get started!
目次
シャドーイングとは?
まず最初にシャドーイング(Shadowing)はどういう意味だと思いますか?
シャドーイングとは「聞こえてくる英文を影のように後から追いかける」という意味です。
これだけではしっくりきませんか?
では、皆さんが好きな音楽を聞いている場面を想像して下さい。
好きな音楽が聞こえてきたとき、あなたもついつられて歌ってしまうことありませんか?
シャドーイングとはまさにこのことなのです。
影のように音を後から追いかける
このイメージを持っていただければOKです👌
ではなぜシャドーイングがリスニングに効果的なのでしょうか?
解説します!
シャドーイングの効果
先ほどシャドーイングとは、聞こえてきた英文を影のように後から追いかけることだとお伝えしました。
これが脳内でどんな作用があってどう効果的なのかといった科学的根拠については以下の本で学んでください。
ここでは私がシャドーイングでどうリスニング力が上がったかの個人的な経験をお伝えします。
まず私が本気でシャドーイングを行ったのは、大学3回生のときです。
当時ふとしたときにTOEICの勉強を始めようと意気込み、リスニングの勉強法に関するブログを読み漁っていました。
その中でどうやらシャドーイングが効果的だと分かりました。
そのときとりあえずブログに紹介されていたTOEIC用の長文がついた単語帳を購入しシャドーイングを行いました。
1長文あたり10~20回詰まらずシャドーイングができるまで繰り返しました。
回数には特にこだわらず、自分が納得できるまでやりました。
このシャドーイングを1ヶ月行った結果、TOEICの公式問題集で75問/100問の正答率をマークしました。
リスニングが高校時代苦手だった(センター試験のリスニング34点/50点)私からするとこの得点率は非常に嬉しかった覚えがあります。
さらに大学受験を終えて2年ほど英語のブランクがあったので、シャドーイングで少しずつ感覚を取り戻せました。
ここでシャドーイングの威力を実感し、次はTOEIC公式問題集のリスニングPart3と4をメインにシャドーイングを継続しました。
すると6ヶ月間で75問→85問~90問の得点率に上がっていきました。
TOEICのスコアも以下の通り760点→900点まで上げることができました。
さらにシャドーイングを行ってきた結果、
✔海外ドラマ
✔海外ニュース
✔TED
といった音声も7~8割聞き取ることができるようになりました。
まだまだ勉強中の身ではありますが、今のリスニング力はシャドーイングのおかげと言っても過言ではありません。
このようにシャドーイングの威力は理解いただけたと思うので、次に具体的なやり方を4ステップでお伝えしますね!
シャドーイングのやり方【4ステップ】
①スクリプトの精読
まず初めにシャドーイングを行うシャドーイング用の教材(スクリプト)をほぼ完璧に理解しましょう。
この段階では、
✔知らない表現のチェック
✔スラッシュリーディング
✔自分で日本語訳ができるかチェック
この3つを意識しましょう。
シャドーイングは、スクリプトの内容理解ができていないと効果が薄いです。
まずはスクリプトを理解して準備完了です!
②オーバーラッピング
オーバーラッピング(overlapping)とは、日本語で「重複する」という意味で、聞こえてきた音声と同じスピードで声に出すというやり方です。
つまり、カラオケで歌詞を見ながら歌うのと全く同じことをします。
ちなみに、シャドーイングと違う点は
テキストを見ることができる
ことで、耳で聞こえてくる英文と目で見ている英文が一致するので、シャドーイングより1段階難易度が易しいです。
逆に言うと、シャドーイングはスクリプトなしなので、聞こえてくる英文を処理するハードな訓練なのです。
このオーバーラッピングの段階では、
✔スラスラ音声と一緒に声に出せる
✔英文を聞きながら頭の中で訳していく
この2つを意識してください。
③プロソディシャドーイング
さていよいよシャドーイングのステップですね。
ここではシャドーイングを2種類に分けて行います。
なぜなら、人間はマルチタスクが苦手だからです。
英文の発音やイントネーションを意識して、かつ前から英語を訳していくといったことを一気に行うのはマルチタスクとなり非効率的です。
そのため、発音やイントネーションを重視する①プロソディシャドーイングと英文を前から訳していくことを意識する②コンテンツシャドーイングに分けました。
では、最初のプロソディシャドーイングとは何かを解説します。
プロソディ(Prosody)=韻律という意味で、
''音の上げ下げ・区切る位置・長さや強弱”など、言語の音の特徴を表す総称''
のことです。
つまり、英語で言うところの英文の
✔リズム(緩急・テンポ)
✔ストレス(強弱・アクセント)
✔イントネーション(高低・抑揚)
主にこれら3つを意識したシャドーイングのことを指します。
いったん英文の内容のことは忘れて、''音''を意識してシャドーイングをします。
これによって英語独特のリズムやリエゾンといった単語と単語のつながり、どこが強く読まれるのかなどが身につきます。
その結果、カタカナ英語を抜け出してよりリアルな英語に耳を慣らすことができ、リスニングアップの要因につながります。
④コンテンツシャドーイング
先程のプロソディシャドーイングで音をしっかり意識したあとは、いよいよコンテンツシャドーイングです。
コンテンツシャドーイングとは、contents(情報の中身、内容)を意識するシャドーイングのことです。
このシャドーイングの目的は
✔英語脳を鍛える
ことにあります。
英語学習の初心者は、聞こえてきた英文を
英語→日本語→理解
と日本語訳がないと中々理解できないことが多いです。
もちろんこれは誰もが通る道であり、悪いと言っているわけではありません。
しかし、TOEICや英検、TOFEL、IELTSのリスニングは日本語を挟んでいてはスピードについていけません。
よって、日本語を挟まない
英語→理解
の英語脳を作る必要があります。
その訓練としてコンテンツシャドーイングを行うわけです。
具体的にどのようにコンテンツシャドーイングを行うのか。
まず前提として、シャドーイングする教材(スクリプト)の内容を理解している必要があります。
✔分からない表現を無くす
✔スラッシュリーディング
✔日本語訳をだいたい頭に入れている
ステップ①で述べたこの準備の上でシャドーイングが成り立ちます。
では、シャドーイングの際はどうすれば良いか。
これには2つのステップがあります。
①英文を区切りごとに日本語訳に直す
②英文を聞いてなるべくその情景を想像する
巷では良く
「英語脳を作るにはイメージすることが大切です」
などと言われることが多いのですが、私自身はこれは中々難しいと考えています。
日本語を介していたのにいきなりイメージしろと言われても、
英語→日本語→イメージ
と結局日本語が入ってしまうことになります。
よって私は、まずは日本語を挟んでも良いから少しずつ英語を聞いただけでイメージが湧くようにする必要があると考えています。
私自身もリスニングが苦手だった高校時代、シャドーイングを実践していたのですが中々うまくいきませんでした。
「英語聞いただけでイメージ湧くわけないやん」
って何度も思いましたし、自分にはシャドーイング無理かもと諦めてしまいました。
この苦い経験があるからこそあなたには
シャドーイングのハードルをなるべく下げる
ことを意識してほしいです。
話が少し逸れましたが、コンテンツシャドーイングのステップ①で述べた''英文を区切りごとに日本語訳に直す''のやり方を解説します。
これはスクリプトの精読の段階でご紹介したスラッシュリーディングのことです。
スラッシュリーディングとは英文を要素ごとにスラッシュ(区切る)ことで、長い英文を分解して理解することができます。
例えば以下の英文
I was a sals manager in a pharmaceutical company when I was 30, and then I moved to a start-up to learn programming skill.
このような長い英文を聞き取るって考えただけで拒絶反応が起こりそうですが、落ち着いてください。
こういうときこそスラッシュリーディングの出番です。
I was a sals manager /
in a pharmaceutical company/
when I was 30, /
and then I moved to a start-up/
to learn programming skill.
いかがでしょうか?スラッシュ(区切り)を入れるだけでいかに英文が短文の固まりに過ぎないかがわかると思います。
具体的なスラッシュリーディングのやり方を知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
では、スラッシュリーディングができたは良いけど、どうシャドーイングに生かせるのか?疑問に思われると思います。
それはシャドーイングの際に
"スラッシュごとに英文を前から訳していく''
のです。具体的に先程の英文を使うと
I was a sals manager /
脳内:(私が/だった/営業部長)
in a pharmaceutical company/
(〜で/製薬会社)
when I was 30, /
(〜とき/私が/だった/30歳)
and then I moved to a start-up/
(そしてそのあと/私は/移った/〜に/ITベンチャー企業)
to learn programming skill.
(〜するため/学ぶ/プログラミングのスキル)
このように前から前から英語を理解していくようにシャドーイングすることで、
日本語訳するときのような
返り読み
の癖を強制することができ、ネイティブと同じ思考回路で英語が理解できるようになっていきます。
この訓練を行っていくことで英語脳を手に入れることができるのです。
シャドーイングの教材
ここまで
シャドーイングとは何ぞや?
シャドーイングの威力のハンパなさ
シャドーイングのやり方
以上は理解できたと思うので、あとはシャドーイングの効果を上げるためのコツをお伝えします。
まずは教材ですね。
今は動画コンテンツも発達して、よりシャドーイングにできる教材が増えてきたこともあり、教材選びに悩まれる方も多いと思います。
しかし、私はシャドーイングの教材は
✔自分の好きな教材
✔自分の学習目的に沿った教材
✔自分のレベルに合うか少し高いくらい
✔2~3分以内の短いコンテンツ
このあたりの基準に合っていれば何でも良いと思っています。
TOEICリスニング対策の場合は、公式問題集のPart3と4
英検リスニング対策の場合は、過去問
スピーチを磨きたい方は、YouTubeのTED
英語初心者の方は、基礎英語ラジオ講座
イケボな俳優の声が好きな方は、海外ドラマのセリフ
などなど皆さんの用途に合わせて教材を探してみてください。
シャドーイングの効果的な学習時間
では最後にシャドーイングの効果的な学習時間ですね。
シャドーイングを実践された方なら感じていると思いますが、
''シャドーイングはぶっちゃけ疲れます''
脳で大量の情報を慣れない言葉で処理しようとするので、かなり大変です。
よって、私は1回のシャドーイングは15分が最適だと考えています。
たった15分!?
と思われるかもしれませんが、秘訣があるのです。
それは
朝、昼、夜の3回×15分=45分
を1日で行うというやり方です。
困難は分割せよ
との言葉の通り、集中力の必要なシャドーイングは短いスパンを複数回繰り返すのがベストです。
仕事で昼に時間が取れない場合は1日30分でも問題ないです。
大切なのは、
''毎日継続すること''
だからです。
シャドーイングを習慣化しようとする場合、最初は1日5分とか10分でも構いません。
1週間でも最低は4日以上無理やりシャドーイングを行う
これによって徐々に習慣化されていきます。
ここで効果的な学習時間をまとめると
✔1回あたり15分以内
✔毎日5分でもやってみる
✔1週間のうち4日以上は続ける
以上になります。
参考文献
最後に、私がシャドーイングの学習法で参考になったYouTubeの動画をご紹介します。
動画コンテンツで理解したい方はぜひご覧下さい。