見出し画像

生姜農家さんに会う 〜後編〜

どぅも、僕です。
今回は生姜農家さんを訪ねた話の後編です。
前編では全く生姜に触れなかったので、後編は生姜漬けで行きたいと思います。
前編はコチラ↓

生姜の種

畑に着いて直ぐに、僕は猟師会長から野口さんを紹介してもらいました。
挨拶もそこそこに、早速生姜の保管してある場所に案内して頂いて説明を聞きます。

野口さんの脇に置いてある長い畝の様な塊。これは生姜の種です。厳密に言うと生姜の種になる、「新芽の出ている、種になる生姜」

写真のように、生姜の先から白っぽい先端が出ているのがわかるでしょうか。
これが一つの芽になって、そこから地上に向って茎を伸ばしていくんですね。
これを見ているとわかるとおり、大きい塊からはいくつかの芽が出ています。
ですから、一つの芽になるように生姜を切って分けていくんです。
この時、刃物は使わず、このように追って(割って)分けていきます。

芽が出ているなら、芽の部分だけを細かく分けていけば、いっぱい種を増やせると思ったそこのアナタ!世の中そんなに甘くないんですね。
芽を増やせば生産性が上がると思いきや、そこが難しい所で、生姜の芽は鮭の赤ちゃんと一緒で芽になっている元の生姜の大きさが大きい程、養分を持っている為、成長に必要な養分を補えるので発芽の成功率が違うという事でした。うまくできているんですね。

育てる大変さ

生姜は植えた種の大きさの5倍程度まで大きくなるそうで、野口さんの持っている種の生姜の量を見ていたら、まぁ大した量になるんだろうな…という感じ。
「ガッツリ稼いでるんだろうなぁ。」と考えていたら、考えを見破られたのか「そんな簡単なもんじゃないよ」と笑いながらピシャリとやられました。
そもそも、生姜は結構難しいみたいで、種を植えても芽が出て来ない農家さんもいる程。
種も、野口さんの様に上手く増やせる人は良いけれど、収益を上げる為に畑一面分の種を買おうとすると結構高額で、一般サラリーマンの平均月収は簡単に吹っ飛ぶ金額になります。そりゃそうですよね、食べられる生姜だってそこそこするのに、それ買って来て食べずに植えるんですから。
そこから芽を出すための世話や諸々の経費を考えたら、かなり高リスクの仕事ですよね…

保管の大変さ

また、種の保管も大変で、地下2メートル以上掘って、無菌状態の種の保管場所を確保して次のシーズンまで保管しなければならないんですね。
常にリスクと隣合わせの農作物です。

生姜の種見学を終えて、今度は商品になる生姜を見せて貰います。

この写真は、出荷する前に泥がまだ付いている状態の生姜。
立派な大きさの生姜がたくさん保管されていました。

生姜の保管も大変です。
特に冬場に凍ってしまうような寒さの時。
生姜は冷え過ぎるとそこから傷み始めるとの事。
保管庫の温度を常に十数度に保ち、冷え過ぎるとヒーターを入れる。
野菜の保管にヒーターを使うというのに驚きましたが、野菜というか根も寒すぎる環境ではダメになってしまうんですね。。改めて勉強になります!

野菜をもっと大切に食べよう

いゃ〜、生姜に限らずですが、僕達消費者は「野菜は安けりゃいい」とか、「最近野菜高くなってきたよね」とか、勝手な事言いまくってるな…って思いました。
この手間と気遣いで仕事してる人達をもっと尊敬しなきゃ駄目だと思います。
野菜作りは如何に大変か、見学させて頂いて痛い程よくわかりました。
逆に言うと、これだけ手間がかかると言う事を目の当たりにすれば、野菜が高いだのサイズが小さいとか不揃いだとか言えなくなると思います。

別れ際のサプライズ

色々と見学させて頂いて、帰ろうと思っていた所、猟師会長の車に乗り込む直前に野口さんから聞かれました。

野口さん「君は何で生姜欲しいの??」
僕「実は僕、ジンジャーエール作って…云々…」
僕は手短に今考えている事の概要を伝えました。
野口さん「じゃあ、直売所の脇の一角のお店空いてるから使っていいよ。」
僕「え?!」
野口さん「どうせしばらく空いてるし。土曜日と日曜日だけしか使わないでしょ?」
僕「はい…でも直売所って言ってもオーナーの方に言わないと…」
野口さん「俺がオーナだから。」
マジか…

展開の速さと全てのピースがカッチリとハマりすぎていて怖い位の上手い話です。
隣を見ると、猟師会長はニヤけながら
「んじゃ、頑張れよ。」
と言って僕を車に乗るよう手招きします。
僕は「はい!有難うございます!」
と言って車に乗り込みました。
この集落の人達は、皆快く色々と協力してくれます。
今回も気遣いや暖かさを感じて涙が出そうでした。
帰りは車の揺れなんて関係ありませんでした…とは言えないですが。

という事で、これから土日限定のお店を出すための準備です。
突然の展開に戸惑ってはいますが、バリバリ進んでいきますよ!
乞うご期待です!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?