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僕から母乳が出る頃〜王道的その日暮し〜

次男が産まれてから、精密にいうと、長男が飛び跳ね、次男が部屋の中を這いずり回る頃。
自我、、、自我っていうのかな、自分の中にある、こんなことしたいなぁ、とか、こんなもんが好きやなぁっていうのん、それがパァーーーーンって破裂して、姿が見えなくなった。煙のように雲散霧消。気づいたらおらんようになってた。
長男ができた後はまだ、自我、、、自我っていうのかなぁ、そんなんが燻ってた、それどころじゃなくて、そこらじゅうに火の手をあげてた。やれ、気に入らん、あーあれやりた、絶対やらなみたいに。
それがさ、真っ白。今まで自分が何が好きだったとか、何に昂まり、何に憤っていたかとか、そういうこと全部が。思い出せないの。いままで自分を自分たらしめてた、と信じていたものたちの不在、やから、自我っていうのかなって、自我って言い方したんやわ。まぁそれがこれから先どうなっていくのかなぁってのは、ふっと考えることなんです。
僕の、想像ではね、これ、ばーって一面のモヤ、過去の自我の粉体、それが引いていく、クローズアウト、そのなかに、ブラックオニキスの自我のオベリスクがそこに屹立してる姿が目に浮かぶのよね。純度を増して透けながら黒びかりする自我。
いままでの自我の中に混ざっていた不純物が全部逸失して、大きくなっていく。

その行程(プロセス)の只中の、高圧状態の、ハイライトにいまたっている。
男児2人を2カ月間ひとりで食わすのである。
朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩これで1週間
朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩
朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩
朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩これで1ヶ月
朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩
朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩
朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩いまこのへん
朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩朝昼晩

今まで一度も働いたことのない自分に初めての仕事である。
結構大変で、冷蔵庫の中に冷えているビールをとらず、その脇のドリンク剤ばかりに手が伸びる19時風呂上がり。

振り返ってもおそらく焼け野原。
ただ、今自分はその進みゆく火の上を歩いてるなぁ。
幼子をただ食わす、そう、そう、その日暮し。
いまはそれだけです、すみません。
すーっと母乳がでるのです。