UD
長野からかないくんが僕ら(TとSY)を乗せて山梨まで送ってくれた。
その翌日、僕たちは上野原駅近くのスーパーの駐車場で便意をもよおす。
すたすたとそのスーパーの正面入り口向かって左のトイレへと向かうんやけど、直前で僕らの前に、女性の方と男性の方が列に、いや、ぼくらどう考えてもこの人らの後や。
おっちゃんが男子トイレに入った、のぞくと唯一の個室やった、、、かないくんはそれがわかってたかのように、建屋はいってすぐの、ハンディのある方用の(どなたもお使いくださいと書いてある)部屋に滑り込んでいった。
ぼくは必然的にその二人のレースの成り行きを見守ることになる。
もちろん先に出てきた方に入ろうというのが筋である。にゃけど、このしらんおっさんのうんこにフェードインしていくのか、心通い合うかないくんのうんこにカットインするのか、どっちを僕の心は欲してるんだろか?ってなったら、なんか欲がでてきて、かないくんの部屋に向かって「う●こ、流さんといて!」って言いそうになるけど、彼はそのへんはちゃんとしてる人間やろうなって思ったし言わなかった。
そうこうしてるまに、かないゴールイン。
ぼく、残っているであろう臭気の最中に飛び込んだ。
いざ便座に座ろうとした時である。
(ハンディのあるかたむけの部屋の内部はとても広く、オストメイトなども設置してあった)
いざ!尻をむいて座ろうとした時である。
壁面である左手側に取り付けられた手すりが、かなり僕の体に近いのである。
ちょっともう手が、腕が当たりそうなくらいの距離にぐいっとL字型の手すりがしっかりついてある。
そのとたん、排便とともにある考えが浮かぶ。
正直言って、『すこし』邪魔なこの手すり、
これがユニバーサルデザインの、その思想のど真ん中なんやなって。
ユニバーサルデザインって、みんなにとって使いやすい設計じゃないんや!
体に何不自由ない僕たちが我慢をする、そしてその分、からだが思うように動かない人が楽をする。それがUDなんやわ。
そうとわかったらいくらでも我慢したるわ!どんどんミッドポイントを動かしていってください。