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湘北になれなかった僕等へ。

 世の中には光と影があるように、何事にも表と裏が存在する。関ケ原の戦いで勝った側もいれば敗けた側もいる。ということだ。

 みなさん。こんにちは。今回のテーマは「スポーツがくれたもの」というNOTEの課題テーマ。僕の人生経験からスポーツがくれた教訓を紹介してみようと思う。タイトルの通り「湘北になれなかった僕等」ということで、これは少年漫画の金字塔スラムダンクが大きく絡んでくる。楽しんで下さい。

 早速、語っていこう。

 ※この記事は4400文字程度で構成されています。

 あれは、忘れもしない小学生時代の話。

 僕等の学校ではスポーツ大会というイベントが行われていた。スポーツといっても球技限定で。クラスメイトがチームを組み。全員参加という。体育系が目立つイベントなのであった。突然、僕等、陰キャラは面白くない。

 ちなみに僕のステータスは

 というもので、どう考えてもソシャゲだったら。「もう一度リセマラした方が良い」と声をかけたくなる貧弱ぶりだったのだから、本当に面白くない学校行事だった。

 とまれ。スポーツ大会の出し物はサッカーとバスケット。2択に絞られていた。個人的にはアタッカー以外は棒立ちでいいサッカーが良かったのだが、TVで絶賛放映中のアニメ。スラムダンクの効果もあり、球技大会の出し物はバスケットボールになった。

 この球技がバスケットになったということで、クラスのテンションは高まりに高まった。今で言う。バズる。あるいは、炎上というやつだろう。

 バスケットボールは5対5のスポーツだ。一人でも役に立たない人間がいれば、即発見される。つまり、サボれないということだ。球技大会までの半年間。クラスでチーム分けが行われ、体育系の先生にしごかれることとなった。練習メニューは。

 朝7時からの外周。

 休み時間にドリブルなどの基礎トレーニング。

 昼休みのシュート練習。

 放課後から18時までのトレーニング。

 どう考えても小学生がするトレーニングメニューではないのだ。そのあげく、授業の合間の隙間時間もバスケットの練習が入りこみ。ひたすらバスケ漬けの毎日を行うことになっていた。

 はっきり言うが。陰キャラにとっては、地獄だ。

 だが、きつい練習に耐えることはまだ、大丈夫だった。クラス全員。男子女子全員が耐えているのだから。一応。僕も男なので、ガッツで耐えなくてはならない。そう思っていた。だが、あまりにも疲弊している同じ陰キャラ達を観ていると「この練習メニューは酷すぎるのではないか?せめて休み時間くらいは休ませてあげるべきなのではないか?」と思うようになっていた。

  まじでこんな感じの練習風景でした。

 そして、僕が決断する出来事がおきる――

 昼休み。僕がボールを拙い手で八の字に回していると、声がかかり。5対5の練習をすることになった。ミニゲームというやつだ。

 球技大会まで。残り3か月。その頃には一人一人にキャラクターのあだ名が付けられており、体育系のクラスメイトが流川だ。仙道だ。と言われて調子にのっていた。ちなみに。僕のあだ名は『飛ばない眼鏡』だった。

 ※小暮君ですね。

 ミニゲームをすることになり。その前にチームを組むことになったA君が声をかけてくる。 

 「おい眼鏡!おまえ。いつもディフェンスばかりしているから、今日はオフェンスしていけよ!

 当時、スラムダンクを読んでなかった僕に意味の分からない単語で指示してくる同級生のA君。あだ名は流川。

 「そうだな。チーム全体が攻めていかなきゃ駄目だからな」

 宮城のあだ名をもつB君も同意。

 「そうだな!お前。この試合一回でもシュートを打てなかったら○スからな!」

 言いたいことを言いつつ。その他もろもろ。野次を飛ばす体育会の方々。    

 そして、円陣を組んで、叫ぶ。

 『俺たちは強い!!』

 そんな体育系の儀式を白けた目で見据えながら。とりあえず、シュート一本のノルマをどう決めるか。僕は頭を悩ませていた。そんな悩める姿を観て思うところがあったのか。先生が声をかけてきた。

 アドバイスでもしてくれるのか?と思い期待したが。

 「お前。チームのことを考えて動いているか?全体を観てお前の役割はディフェンスだ。守りに徹しろ!いいな!!」という命令を下してきた。

 お分かり頂けるだろうか?

 「オフェンスに徹しろ」という生徒達。「ディフェンスに徹しろ」と命令する先生。僕の胸中は、「どっちやねん!!」である。

 矛盾という言葉を理解していない子供の僕は頭を混乱させながら、練習試合に臨む。とにかくノルマを達成しなくては○される。先生の指示を無視してボールに突進する僕。もちろん、そう簡単にはボールはゲットできない。ある程度、試合が進行した時点で、急に何故か先生がタイムアウト。

 僕を呼びつけて怒鳴り散らす。

 「なんでお前がオフェンスに出るんだ!チームのことを考えているのか?」

 「いや、あの、だって、みんながシュート入れろって……」

 「なにをぶつくさ言ってやがる!お前はディフェンスが仕事!いいな!?」

 これ以上なにか言うと殴られると思ったので、頷いて試合再開。無意味にゴール下で腰を低くして過ごす。

 そして、なんの展開も無いまま。ノルマをこなせないままに、試合終了。

 僕等のチームは勝ってはいたのだが、チームの取り決めを守れなかった僕にチームメイトは批難殺到。

 「あれだけ。言ったのに何故、シュートをしに行かない!」

 「お前に勝つ気はないのか!?」

 「その伊達な眼鏡は、なんの為にあるんだ!!」

 「やる気がないなら、帰れ!」

 なんかエヴァとスラムダンクの名言を混ぜながら。僕を叱咤してくる。

 「あ。でも、先生に言われたから……」

  先生の命令だからと言い訳をする僕。だが、そんな言い分。チン毛も生えてない小学生に通じるわけもなく。僕を責めてくる。そして、三井のあだ名を名乗る。ちょっとチンピラ系のC君が

 「じゃ、罰ゲームな」

 言って。床に落ちてるバスケットボールを拾い。ボールを僕の顔面にパスする。 あだ名に反して。『飛ぶ眼鏡』

 今、考えると酷い話しである。

 僕は鼻血を出しながら、顔面をおさえ、眼鏡を拾う。当時。眼鏡は高かったので壊れてないことに安堵しつつ、鼻血を止める為に体育館から離れ。保健室に避難しようとする僕。だが、しかし。体育会系の教師が僕の逃亡を許すわけもなく。

 「鼻血が出た位で逃げるな!」

叱咤を飛ばしてくるではないか。そして、そのまま僕は昼休みが終わるまで鼻血を抑える為に体育館の天井を体育座りで観て過ごすことになった。そして、さすがの僕も、これは許せないと思った。

 そこで、小学生ながらも。

 「どうにかしてバスケットから逃れらないか?」頭を使うことにした。

 『せめて、休み時間だけでも、バスケットから離れられたなら――』

 僕は、バスケットに関わらない時間を手にするために。僕と同じ陰キャラ達と話して。クーデターを起こすことにした。クーデターと言っても、そう大したものでもない。

 休日に行われているバスケットの練習を陰キャラ達が総出で休む。というものだ。別にルールを犯してなどいない。権利を主張するだけの話だ。もちろん。休む口実は体調不良という理由付けも忘れない。こうすれば、「無理なバスケ練習は控えるだろう」という打算効果も狙っての作戦だった。

 ※土曜。日曜。などの休みの日もバスケットの練習してたのよ。

 陰キャラクラスメイトのみんなに根回し。「休みの日は休みたいだろう」という僕の発言にみんな支持してくれた。僕は自分が他者貢献し正義に酔った気分になった。なによりも、バスケットから離れられる。嬉しい気持ちで次回の土、日。最寄りゲームセンターに引きこもり練習をボイコットした。あの時流行りだった。キングオブファイターズでお気に入りの赤髪の青い火を使うキャラクターでCPUのバスケキャラをボコボコにしていた。

※昔のゲーセンが懐かしいです。

  僕はストレスを発散し、久しぶりに生き返った気分で家に帰る。すると日曜日の夜。いわゆる学校登校前日の夜に電話が鳴った。

 母が受話器を取って僕に渡してくれたのを今でも覚えている。

 受話器を受け取る僕。「(一体誰からだろう?)」

 不信に思いながら、耳を当てた瞬間。怒号!!

 「眼鏡!お前。どういうことなんか!?なんで練習に来んのか!?」

 電話越しで叫ぶのはクラスのボスであるD君。あだ名は魚住。内心キョドリまくる僕は咄嗟に言い訳を吐く。

 「はっ!いや、今日は体調が悪くて……」

 「嘘に決まってるだろうが。お前以外、全員参加してるんだぞ!っていうか全部聞いたわ!!」

 「(な。なんだって!!)」

 この時は心底、焦ったのをおぼえている。

 まるで、ホームズに追いつめられた。モリアーティ。

 まるで、素数を数える神父様。

 まるで、デスノートでニアに追いつめられる月君である。

 どういうことなんだろう!?と心臓の鼓動を抑えながら、理由をそれとなく聞くとーー。

 やっぱり、先生や体育系のクラスメイトが怖い陰キャラ達は、休む度胸もなく全員。休日でも練習に参加。僕の計画。僕の内心。僕の行動を全て暴露してくれたそうですotz

 「明日。覚悟しとけよ!」

 と捨て台詞を残し、電話を乱暴に切るD君こと魚住。

 青ざめた顔で。焦り、しかし、冷静に言い訳を考えながら。生きる道を考える僕。だが悲しいかな。そこは小学生。良い案が浮かぶ訳もなく。為すすべもなく。処刑される為に学校に登校。

  小学生に戻れたら叫びたい。「助けてゆたぼん!!」

※当時。学校に行かないという選択は今ほど浸透しておらず僕にはその選択肢は頭にも浮かんでいないのでした。

 結果――

 ボコられました。散々にクラスメイト全員から罵倒され、先生からは平手打ちされ、同じ逃亡を決意した陰キャラからもなじられ。何故か女子からも非難されました。

 その日から僕のあだ名は。飛ばない眼鏡から。悪い眼鏡になり。しばらくの間。誰も信用しない。されない日々を送りましたとさ。

  この出来事で僕がスポーツが僕にくれた教訓は。『人を動かすことの難しさ』ですね。

 大人になっても、この教訓は今でも役立つことこら。スポーツってやっぱり偉大だなって思いました。

 ちなみに、球技大会はうちの学校が優勝してました。中学に入学してから聞いたのですが、あんなにガムシャラに練習している学校はそんなになかったそうです。

今、考えても100対30みたいなスコアーだったもんな。あれは虐殺ですね。さて、今回の話はこれで終わりです。

 ところで、なんで?あだ名の候補に赤木と桜木がいなかったんんですかね。湘北のチームなのに。あ、スラムダンクは高校になってから読みました。山王戦ってすごいですよね。

 じゃ、またね。

 ※引用画像

 スラムダンク。エヴァンゲリオン。キングオブファイターズ98。デスノート。ゆたぼん動画。

 

#スポーツがくれたもの

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