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社畜。SEKIROで遊ぶ(序)
早いもので、僕がSEKIROに出合って一年になる。
僕は福祉関係の仕事をしており、社会に出て十年以上経つ介護福祉士。東北地震やリーマンショックなど社会の波に揉まれつつも、なんとか乗り切ってきたと思う。みなさんも知ってる通り医療現場というのは過酷で感染症が流行する前から、忙しい状況が続いていた。
詳しい事実は省くが、僕の20代は仕事と酒で溶かしたと言っても過言ではない。
ブラック企業産の社畜。働くことがボーナスです。
社畜だってゲームがしたい。
さて、時代も変わり。時は経ち、働き方改革なるものが施行され、僕にも人並の休日と人権というものが与えられた。余暇ができ、ふと、自身を見渡すと、新卒で10年以上、馬車馬の如く働き、30歳を超え中年に差し掛かろうとしていた自分か鏡に写った。
酒浸りで未婚、彼女無し、趣味もなし、とりたて誇るスキルもなし。仕事しかやってこなかった男の哀れな姿だ。
当然、単調な日々を繰り返していたので、休日与えられても暇なだけ、昼間から酒を飲む訳もいかず部屋で椅子に座り思索にふけっていると「なんか、久しぶりにゲームでもするか」と思いつき、僕はPS4を購入する運びとなった。
一日3ℓも酒飲んでたから、健康診断にも引っかかってたしね(笑)
ゲームはなにを買うとしようか?僕は社内の同僚にお勧めゲームをチョイスしてもらうことにした。彼は筋金入りのゲーマで業務の間もゲームをして仕事をしないその道のプロなのだ。個人的には、ゆるふわ系な。癒し系ゲームを所望していた。どうぶつの森とか。そんなのだ。
友人は語る。「うーん。ゲームブランクがあるならフロムゲーが良いですよ。手っ取り早く、PS4のゲームになれることもできますから」
なるほど。助言を聞き入れた僕は仕事帰りにブックオフに行ってフロムソフトウェア―のゲームを購入することにした。せっかくだから最新作にしよう。そこで出会ったのが、SKIROだった。
狼さん。見た目より歳食ってるようにみえるよね。
チュートリアルで死に戻ったあの日
自宅に帰って、ソフトをPS4にインストール。
ゲームをスタート。ブランクが10年以上あるので、久方ぶりに握るコントローラがなかなか手に馴染まない。始めは、チュートリアルの崖に張り付くことが分からず3時間以上も谷底に落ちては冒頭からの死に戻りを繰りかえしていた。
本当に、このゲームは癒し系ゲームなのか疑問を抱きつつ、ユーチューブで基本の立ち回りを覚え一日かけて武器を手に入れる。
楔丸ってなんで折れないんでしょう?
試行錯誤を繰り返し、敵をステルス忍殺する術も覚える。要は、学生時代に遊んだゲーム。天誅みたいなものだと理解する。
後ろから忍び込んで相手を瞬殺。
よし、これで、久しぶりのゲームライフを充実させよう。喪った20代を少しでも取り戻そうーー
僕は少しずつだが、SEKIROになれつつあった。だが、ゲームをプレイをしていると、出る杭を打つ感じで初見のボスが現れる。組み頭の「山内重則」さんだ。なんだ?このモブは?大河ドラマのエキストラーにでも出てるんだな!武器も手に入れ調子に乗った僕は、正面からモブに斬りかかり、そして、即、斬殺された。この人、強くないですか?
『組み頭』ってことは身分は農民なのかな?出世したのか。芦名が兵隊不足なのか?多分、後者だろうね。
あれ?負けイベント?訝しみながら画面を注視する僕。しかし、当たり前のようにロード画面が表示され、ボス付近から再スタート。何回かプレイしては敵に斬りかかっては『死』を繰り返す。ごり押しでは倒せないと思い、打倒組み頭の作戦を考える。この辺りから、このゲームは癒し系ゲームではないのではないか?難度が高くてゲームクリア出来ないのではないか?と頭によぎりはじめるが、「難しい。出来ないは、嘘つきの言葉」という社訓を思い出し、頭を捻り戦略を練ってから再トライ。相手が振りかぶるの見越して、攻撃後の隙を見て斬りかかる。剣術でいう後の先というやつだ。ちまちま攻撃を当ててモブ侍を撃破。
ヒットアンドアウェー。これが僕の終盤まで使い続けるSEKIROの生存戦略誕生の瞬間だった。
一年前の僕に言いたい。弾けよ。と。
チュートリアルにしては難易度の高い洗礼を受けながら、無事に組み頭の「山内重則」さんを忍殺して先に進むと、イベントシーン。源氏武者宜しくの甲冑に身を包んだNPCが登場する。そう、SEKIRO界の剣術師範代。芦名弦一郎の登場だ。
弦ちゃんの愛称で慕われる。このゲームの影の主役。好きなもの。芦名。口癖も芦名。忍殺された辞世の句も芦名。どんだけ、芦名好きやねん……
為すすべもなくもなくボコられ、腕を斬られる主人公。
一心様が仏師殿の腕を斬ったシーンをリスペクト。
チュートリアルは終了。
ストーリーは進み、ヒロインポジションである九朗君が攫われてしまい、場面は荒れ寺に移動。主人公の狼さんは源平武者に左腕を斬り落とされた後、この荒れ寺に運ばれたらしい。仏師殿なるお爺さんから、義手忍具なるからくりを左腕に装着させられ、経緯を聞いて、外に出る主人公。
人の左腕に、なに勝手に取り付けとるねん?
ちなみに、仏師殿の元ネタ、絶対これだよね。
実は、赤武者が一番強かった説。
荒れ寺で情報を統合すると、要は九朗君は芦名のお城に囚われているから助けに行ってね。ということらしい。
言われるがままに道なりにマップを進みつつ、与えられた義手忍具を試して遊んでいると、馬鹿みたいに強い赤い武者・侍大将 河原田直盛に遭遇。チュートリアルに出てきた。モブ武者(山内重則さん)と同じ系譜らしい強敵だ。まぁ、戦ってられないと鍵縄で華麗にスルーする。ちなみに倒すとアイテムくれました。
『無生之辱 有死之栄』上杉謙信のファン?
赤い侍から逃げ回り、芦名近辺を巡回する。芦名の雑兵に何度も何度も殺されながら、主人公は持病を知り合いに感染させ、なんとか芦名城下に到着。アイテムショップをやってるおっさんにお金を融資して城下に突入。
楽して敵を倒せるアイテムおくれ。
階段を駆け登り、いさ、芦名城門に突入しようとすると、柱に括り付けられ苦しんでいる赤鬼さんを発見。軽いスキンシップに斬りかかると投げ飛ばされ、即、死。
仕事をサボって休んでる芦名城の落ち武者の話しを盗み見聴きすると、「赤鬼は火に弱いから敵対する時は火で焼こうね」という貴重なアドバイスをもらう。
「うん。火を吹くアイテムなんて持ってないよ」
役にも立たないアドバイスを受け入れて、いざ、再度、赤鬼戦へ。
戦闘は熾烈を極めたが、赤鬼の投げで何度も崖下に落とされ、あるいは掴まれて殴り殺されて、なんとか相手の攻撃パターンを覚えることができるようになった。その後は横ステップ回避でひたすら相手の攻撃を見切り避けながら刀で斬りまくる。ボクシングで言うインファイトだ。大丈夫。攻撃食らっても、精々死ぬだけだ。狼さんがね。
赤鬼は捕らえられて実験材料にされた外人かな
何度も死と回生を繰り返し、写輪眼を開眼した心持ちで赤鬼を滅多斬りにして忍殺を決める。
討伐後は鍵縄で穴の開いた城壁から城下に潜入することに成功。拾った遠眼鏡で遠方を眺めると芦名城が視える。ヒロインの九朗君もそこにいるのだろう。散歩コースくらいの距離しかない。楽勝なり。しかし、ここからが、本当の地獄だと、僕は、この段階では知る由もないのだったーー。
次回は、過去編から九朗君奪還編まで書いていこうと思います。
では、まーたね。