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隊員総会でセントルシアに来たんだが素敵過ぎやしないか

半年に1度の隊員総会にセントルシアにやってきた。任国にJICA事務所がないために、我々セントビンセント隊員は国境を越えねばならんのだ。

と言ってもたかだか20分程度のフライトなのだけど。

それで、研修以来およそ4カ月ぶりにセントルシアの地に降り立ったわけだが、ものすごく文明を感じた。セントビンセントにいたときは、いやそんなに変わらないなと思っていたけれど全然違う。

まず、「チャイニーマン」「チンチョン」なんて無礼な呼びかけをしてくるタクシードライバーや行商がいない。「ヘイ、ハロー」から入ってくる。それからどこ出身ですかという話になってくる。その当たり前のコミュニケーションに感動して「サービス良いな」って思わずいらないものを買ってしまいそうになった。

英語の訛りはそれほどキツくなくわりときちんと英語として聞き取れる。感動した。ぼくは英語の通じないセントビンセントに行って英語が圧倒的にヘタクソになった。

以前研修のときに泊まっていたホテルと同様のハーモニースイーツ。セキュリティしっかりしてるし良心的価格。Kとの2人部屋だけれどプールがあるのが良い。

3時半頃にチェックインして速攻泳いだ。

だって暑いんだもの。

それからマリーナの近くにあるホテルのモダンなカフェでアイスを。上がラムレーズンで下がライムシャーベット。う…うまい。それぞれ3スクープくらいの量で400円ほど。

そして実はここ、在留邦人の間でパンが、特にクロワッサンがおいしいと話題のパン屋でもある。

もちろん食べた。

めちゃくちゃうまい。ぼくは神戸に6年くらい住んでいたからパンにはそれなりにうるさいけれど、それでもおいしいと感じた。日本で同じ店があってもおいしいと思う。ちょっと塩っけがあって、イメージは塩パンの上位互換。これはヤバい。1個240円ほどでそんなに高いわけではないし、サイズも大きいからお得感もある。

聞くところによると、オーナーだかチーフ的な人がフランス人なのだそうだ。それはもう間違いない。

ふらふらと街を歩いていると新たにSAKURAGIという看板の寿司バーが改装中だった。ぼくらが研修をしていたころはなかったものだ。完成すればこの近辺で3件目の寿司屋となる。SAKURAGIという店名からひょっとして日本人オーナーなのでは?と期待している。スラムダンクからとっている可能性も否定できないけれど。

夜はインド系のカレーレストランに。タンドリーチキンと、魚とラムのカレーを食べたのだけど、非常に良かった。満足。最高。お酒飲まないで2人でお会計5,000円ほど。

セントルシアの首都カストリーズは度々治安情報を賑わすファンキーな町だけれど、ここロドニーベイは駐在員や大使館員など外国人の多く住むセレブなエリアで治安も比較的良く、食の選択肢も多い。クオリティも比較的高い。

夜も遅くまでやってるきちんとしたバーもあるし、このエリアはクオリティ・オブ・ライフが高い。

ここまで書いたものは全部セントビンセントにはないものばかりだ。(プール付きのホテルはあるけれど良心的価格とは言えない。ラムレーズンのアイスもあるけれどレーズンこんなに入ってない。値段も高い。)

セントビンセント、首都ですら夜日が暮れたら町も真っ暗になって人通りほぼゼロになるんだもの。開いてる店はいくつかあるけれど、日が暮れるとバスなくなるから帰れなくなる or 暗い夜道を歩かねばならない。

ここにいると、誘惑が多くてめちゃくちゃお金使ってしまいそうだけれど、先進国に近い割に快適な生活ができると思う。

スーパーにも寄ったけれど、セントビンセントとは品ぞろえが全然違うもの。辛ラーメンとサッポロ1番思わず買ってしまったもの。感動したもの。

もちろん、人口も経済規模も違うから単純比較するのはよろしくないけれど、ここロドニーベイのあるセントルシア北部の隊員を羨ましく思った。ほんとに。

実際に住んで、体験してみてわかる差。

そこそこのカフェが1件ある。それだけで、日々の生活がどれだけ潤うことか。会話に花が咲くことか。考えたこともなかった。

セントビンセントには気軽に立ち寄るカフェは1件もない。1件も、だ。

それがどれほど大きなものなのか。どれほどの幸せをもたらしてくれるものなのか。実際に失ってみないとわからない。そしてそれを享受したことがない人にとっては到底理解できないものだろうと思う。

枯れた心が潤った隊員総会前日となった。

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