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ぼうののう#3「温度」

最近、遅くても6:30までには勝手に目が覚める。絶賛衣装作り中だから、ちょっと緊張というか、作業しないとっていう意識があるのかもしれない。起きて、ご飯を食べて、また1時間寝る。

つまり、最近は使うことのないアラームだけど、私は、大きい音が急に鳴るとしんどくなるから、緩やかな音楽を選ぶ。もう何年も、星野源さんのフィルムを設定してる。その曲が、映画のエンドロールに使われたというのは、いつ頃かに知っていて、観るタイミングがやっときた。

沖田修一監督の、キツツキと雨。
謎に初回限定盤を持っているフィルム。お久しぶり。

役所さんの演じた克さんのキャラクターが絶妙で、はじまりからおしまいまで、好きー!ってなった。絶妙!確実にどこかにいるような人、癖があるのがおもしろくてギャップがあって愛おしい人。

同じく沖田さんの映画、モリのいる場所でも思ったけど、沖田さんの映画の、散りばめられているおかしなところとか、ぬくもりを感じられる温度感とか、好き。

東京に住んでいたころ、引越しのための段ボールをもらって帰っている朝、横を通り過ぎたゴミ収集者のお兄さんが、走って戻ってきて、大きい声で、それゴミー?って、聞きにきてくれて。いや、違います!って私は答えて、それでお兄さん、急いでまた車に戻っていって。それだけなんだけど、とても爽やかであたたかい太陽に照らされていたこともあり、すごく良い、赤の他人とのコミュニケーションの思い出のひとつとして、記憶に残っている。それは私にとっては、思い出すと微笑めるような、ぬくもりのあるもので。それと同じような温度を、キツツキの雨で感じられたような気がした。

全く知らない人で、これからも知らない人だろうなって人とのコミュニケーション、好きなのよね。電車のホームで肩に虫が乗ってる人に声かけたり、学校のパソコンでデータ作ったのにUSBを忘れてて、自分のパソコンに移動できなくて、隣にいた人に借りようとしたり。貸してくれなかったけど、温度とか色とかも、ちょっとずつ違う思い出が、棚に沢山並べられるような感覚で残る。

どうしても最近減ってるから、知らない人に会いたいな。そろそろ、作業しないと。


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