出荷-在庫バランスがプラスになったが…~2024年10月の鉱工業生産
昨日(11月29日)、10月分の鉱工業生産指数の速報値が公表されました。当日の日経夕刊は前月比が2ヵ月連続でプラスになったことに注目していますが、いつものように前年同月(同期)比に注目してデータを観察します。今月のポイントは、出荷-在庫バランスが7月以来のプラスになったことではないでしょうか?
生産の前年同期比は7月以来のプラス
前年同月比でみると2024年10月の鉱工業生産は前年同月比1.6%上昇しました。プラスは2024年7月以来です。下の表に示した通り、2024年7月は10業種がプラスでしたが、今月のプラスは7業種(確報で実績値が公表される化学工業、食料品・たばこ工業次第で増える可能性はありますが)。
今月は生産用機械工業が16.8%と大幅なプラスになりました。経済産業省の資料を見ると、半導体製造装置などが伸びているようです。一方、半導体を含む電子部品・デバイス工業の生産の伸びが縮小しているのが気になります。
出荷-在庫バランスもプラスになったが…
10月の出荷-在庫バランスはプラス2.0と、これも7月以来のプラスです。しかし、7月は12業種がプラスだったのに対して、10月は8業種です(化学工業と食料品・たばこ工業次第で増える可能性はありますが)。
生産予測調査も先行きの生産伸び悩みを示唆しているようなので、10〜12月期の生産、出荷-在庫バランスがプラスになるかは予断を許さない状況ではないでしょうか?