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「Go To」効果?持ち直し続く~2020年7月の宿泊旅行統計調査

 遅ればせながら、8月31日に公表された観光庁の「宿泊旅行統計調査」のポイントをまとめておきます。すでに日経電子版のNQNスペシャルで、下記のように概要はわかりやすくまとめられていますが(汗)、私自身の備忘録も兼ねて。

宿泊施設稼働率は30.4%まで回復
 6月に22.8%(速報時は22.4%)まで回復した後、30.4%まで持ち直した。コロナ禍の影響が出始めた今年3月の水準(32.4%)に近づいたが、例年は60%を超えていることを考えるとまだまだ弱含み。また、回復の中心は「ビジネスホテル」の模様。7月の稼働率は39.5%となり、例年(75%程度)の半分強となりました。一方、「シティホテル」は例年80%台の稼働率に対して、7月は25.4%にとどまっています。「ビジネスホテル」に宿泊する観光客もいるでしょうが、観光需要中心の「シティホテル」の回復はまだまだであり、「Go To」の効果は8月の結果を待つ必要があると思われます。「ビジネスホテル」の稼働率も、リモートワーク利用も含まれているかもしれませんね。

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・延べ宿泊者数は56.4%減。外国人観光客の寄与はマイナス20ポイントで変わらず
 7月の延べ宿泊者数は2258万万1570人泊と、前年同期に比べて56.4%減。6月の68.9%減(速報時は69.6%減)からマイナス幅が縮小しました。
 7月の減少幅縮小に寄与したのは引き続き日本人の宿泊者。6月はマイナス48.4ポイントだったのが、7月はマイナス36.2ポイントと縮小しています。代わりに、前年同月比でほぼ100%減である外国人の宿泊者のマイナス寄与は20ポイント前後で変わりません。入国制限されているのですから、当然ですね。

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・都道府県別の1~6月累計延べ宿泊者数の減少率トップは奈良県
 1ヵ月遅れで確認できる都道府県別データを用いて、延べ宿泊者数の2020年1~6月累計の前年同期比減少率を最後に確認しましょう。減少率のトップ5は、(1)奈良県(64.9%減)、(2)京都府(63.1%減)、(3)山梨県(61.8%減)、(4)沖縄県(61.1%減)、(5)大阪府(59.8%減)となっています。1~5月累計では3位だった京都府が2位となり、山梨県が2位から3位へ下がりました。すべての県で、減少の半分以上は日本人宿泊者の減少によるものです。「Go To」の都道府県別の効果を把握するには、あと2ヵ月待たなければなりませんね。

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