「Go To」で日本人宿泊者数の減少幅はさらに縮小~2020年11月の宿泊旅行統計調査
25日公表された観光庁の「宿泊旅行統計調査」のポイントをまとめておきます。すでに日経電子版のNQNスペシャルで、下記のように概要はわかりやすくまとめられていますが(汗)、私自身の備忘録も兼ねて。
延べ宿泊者数は30.2%減。日本人観光客のマイナス寄与縮小が貢献
11月の延べ宿泊者数は3465万8060人泊と、前年同期に比べて30.2%減。10月の35.2%減からさらに減少幅が縮小しました。減少幅縮小に寄与したのは日本人の宿泊者です。10月のマイナス15.3ポイントから11月はマイナス12.8ポイントまで縮小しました。「Go To」の効果が出ていることが確認できます。一方、外国人観光客が抜けた穴は大きく(寄与度はマイナス17.4ポイント)、政策の後押しがあっても前年に比べて3割ものマイナスになっています。
宿泊施設稼働率は46.1%まで回復
10月に42.8%(速報時は43.1%)まで回復した後、11月は46.1%まで持ち直しました。例年の60%強にじわじわと近づいています。「ビジネスホテル」の11月の稼働率は54.8%まで回復しました。一方、観光需要中心の「シティホテル」の11月の稼働率は50.6%まで改善しましたが、例年(80%超)はまだ遠いです。このあたりにも、外国人観光客が戻っていない影響がうかがえます。
都道府県別の1~10月累計延べ宿泊者数の減少率トップは引き続き大阪府
1ヵ月遅れで確認できる都道府県別データを用いて、延べ宿泊者数の2020年1~10月累計の前年同期比減少率を最後に確認しましょう。減少率のトップ5は、(1)大阪府(64.5%減)、(2)沖縄県(63.4%減)、(3)東京都(63.3%減)、(4)京都府(63.3%減)、(5)山梨県(59.0%減)となっています。1~9月累計に比べて、東京が4位から3位へ、京都が3位から4位へ変わった以外は、同じ顔触れです。3位と4位の差も小数点第2位以下の話なので、ほぼ変わっていないという理解で良いでしょう。ただし、減少幅に注目すると山梨県は1~9月累計の62.1%減から縮小しています。Go Toで近場の旅行が増えたという報道がありましたが、山梨県はその恩恵を少しは受けたと推察されます。