一日一文|PIRONARIA

好きなもの多めな人。毎日更新。日々何時間も仕事での発話/記述したとて「とある劇中用」。何に有用とも知れんがただ思っちゃうねって類の言葉、も少し大事にと。

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ダテマキの冒険

今更孤独ぶるな、とその人は言った。「あのコミュニティの多勢には持ち得ない可能性を、誰より君自身が全身で感じていたろう」そうなのだろうか?「そう、だから “君だけが” 此処に呼ばれた。何のためか。刻は午後三時。わかるはずだ」唯一人。選ばれた。危うい喜び。同志の声は既に潰え、裏切りかという自問さえ、満足の中に蕩けていった。—出典:『ダテマキの冒険』 昔から好きなんです、 伊達巻 withコーヒーの組み合わせ。 コーヒーを淹れながら窓辺を振り返ると、 ステージ(皿)にピンで立つ者

    • 迷いながらたどり着いたここでさえもう意味がない

      今日のラブレター | スカートさん『CALL』へ。 時間もパワーも愛情もかけて仕事してきた大人が、 ふと目線を高い空へ逃がして、 手ずからレールの組み替えを決める、 あの時の、その時の歌に聞こえる。 角度を変えるのか、行き先を変えるのか。 いずれにせよ、 「ここではもう意味がない」だなんて、 「ここでももう意味がない」だなんて、 始めた頃には想定だにしなかったのに。 欲すればこそ拓いた道を来て、 やっと抱き締めたのに。 もう“持っている”のに。 他ならぬ自分が進んだから

      • 巻き戻せなさ上等

        今日のラブレター / 有山達也さん著『装幀のなかの絵』へ。アンドゥ。undo。 PCで、一作業前に戻す操作。 繰り返せば、もっと遡るも(さかのぼ)るも可能。 著者の有山氏は著名なアートディレクターさん。 「undo」に対置する制作態度として 「勢い、決意、挑戦、冒険、ハプニングの受け入れ」などを挙げ、 undoを禁止してこれらを取り戻そうとします。 読みつつ私の脳裏には、 ふくふくと膨らみゆくパン子の姿が浮かんできました(私は日々パン焼きを愉しんでおり、 しばしばパンをパ

        • 作り手が作り手を推したくなった、その刹那立ち現れるヤバすぎる状況について

          今日のラブレター | 枡野浩一さん著『ショートソング』へ。『ショートソング』は、歌人・枡野浩一さんによる小説。イケイケ歌人A氏と、ひょんなことから短歌を始めたB君が、交互に一人称になるスタイルでリズムよく読んでいけます(歌人の小説はやはりリズムがいいのですねぇ)。 さてこれはどういうお話だったのか。読み方は人それぞれと思いますが、私が読後に「…ん?まさかずっとこういう話してた?」と考えることになったのは、掲題のテーマでした。「作り手が作り手を推したくなった、その刹那立ち現れ

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          今日のラブレター | 板チョコとボンボン・ショコラへ。

          チョコレート考 チョコレートの中に、射し込む、あるいは立ち込める、闇や蠱惑や、はっとするような可愛げや。大好きです。私はボンボンよりも板チョコ(bean to bar遭遇以降の文章です)に満足を授かることが圧倒的に多いのですが、これについて、心彷徨うまま考えてみます。 板チョコ。まず形状からして直球です。至るべき充足へスッ…っと伸び、我ら踏みしめるべき道かのようです。確かめたければどんどんと進めばよい、バリバリいただけばよい。遮る何物も無く、潔く明確であるという性質はなんと

          今日のラブレター | 板チョコとボンボン・ショコラへ。