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【対談】「友情から生まれる僕らのWill」  (坂田卓也×戸田裕昭)<前編>

戸田裕昭の対談企画!
やってきました第三弾!企画当初から「絶対話したい」と戸田が決めていた仲間、坂田卓也さんとの対談です!

出会ったときからお互いに気になる存在。それぞれにリスペクトしながら、プライベートも仕事も共有してきたお二人。たくさんの時間を過ごしているはずですが、今回の対談ではそれぞれ「初めて聞いた!」という一面も出てきました。

話すほどに気づきのある関係!そのお二人の信頼に満ちた対話をどうぞお楽しみください!(全2回。聞き手:チーム戸田)

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<0> 坂田卓也さんご紹介

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坂田卓也
2005年 青山学院大学卒業。
2016年3月 グロービス経営大学院経営研究科卒業。
2018年1月 さとなおラボ9期生。

2005年凸版印刷入社後、出版、広告、玩具、ゲーム、駐車場・カーシェアリング、コミュニケーションプラットフォームなど幅広い業界のマーケティング・新規事業支援に携わる。2014年4月より、経営企画に異動し、経営戦略部に所属。次世代の事業の柱を構築するべく、社内の新事業支援を実施。2016年より、戦略投資推進室にて、新事業創出を目的としたベンチャー投資およびM&A業務に従事。15社の企業に出資し、協業による事業開発とM&Aを実施。2019年よりユニファ(株)社外取締役。

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<1> 認め合う二人 

■ 尖る戸田、まとめる坂田

戸田:バナナ用意したよ!

坂田:あまり食べないのよね(笑)

戸田:あれ(笑)

ー いいですねぇ。早速仲の良さが感じられます(笑)。坂田さん、よろしくお願いします!

戸田・坂田:よろしくお願いしまーす!

ー まずはここまで仲の良いお二人の出会いからお聞かせください!

坂田:確か地方創生系の話をした飲み会ですよね。 僕は地方創生系ではないけど呼んでもらった。

戸田:そうそうそう。かなり前だよね、たぶんCSW*がまだできていない頃。

坂田:そうですね、2014年くらいだから5年前?僕、グロービスに入った時じゃないかな。

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ー 戸田さんの印象はいかがでしたか?

坂田:やっぱり尖ってるなっていう印象だった。今ほどおおらかではなかった。

ー おおらか!!

坂田:おおらかですよ、今は人の話を聞くじゃないですか。その頃は話を聞かなかったからね。

「俺はこういうことをやっている」「こういうことを持っている」とストレートに話していた。それが面白いと思ったんですよね。それで飯食いに行き始めたかな。

戸田:サカタクに会うのは自分が凹んでいる時が多いな、と思うな・・・それも、凹んでいるから会いに行こうというのではなくて、会うことが決まっているときにちょうど凹むことがある。

そういうときに、サカタクは「僕は今これをやってます」とか、「ここは折れそうだけど、こう乗り越えました」とか、そういう話になるんだよね。それで、「戸田さんこれはやったほうがいいと思う」と話してくれる。

サカタクが他の人と違うのは、「そんなの戸田さんらしくない」ってはっきり言ってくれるところ。

ー 戸田さんらしさ、ってなんですか?

坂田:やっぱりそのエネルギーの量ですね。志を掲げそれを実現させるっていう、誰からも頼まれてないことをやり続けるってのは相当きついと思う。

だから僕の話が発破をかけることになったかもしれないけど、やっぱり誰かにやれと言われていないことをやる、というのは、自分の中で使命感があるからでしょうね。

CSWも、やるって決めてから会社を通すのはなかなか難しいですよ。やる、と決めてから、論理的に組み立てて通すということはなかなかできない。ボトムアップでなんとなく他社がいろんなことやっていて、それをみて「これをやればいいじゃないか」という感じでつまみ食いのような形でやることは、続かない。

でも戸田さんの場合、その溢れ出るエネルギーを支えるもの・・・志というのかな。その志があるから、新しい事業も手段としてやっていけるというところがすごいと思う。

戸田:そういう意味でいうと、やっぱりいろんな人に助けられていると思う。

坂田:社内の人は大変だろうけどね!

戸田:間違いなくね(笑)。最近、当時の部下にも「あの時はごめんね。あれがあったから今の俺がある」っていう話をしたよ。

坂田:あ、やっぱり前よりも包容力がありますよね。時を経て、その人のことをちゃんと知ろうとした上で話を聞こう、としている。

そういうことかな。浅く広くというよりは、本当に信じる人とぐっとやる感じなのかもしれないですね。

戸田:そうだね。最近はけっこうそのほうが多い。

前は、何かおもしろそうだな、と思ったらすぐに「やりましょうやりましょう!」という感じになっていたけれど、今は違う。この人は合うな、と思う人じゃないと、「一緒にやろう!」とは言えない。

坂田:なるほど。それが最近のシフトチェンジなのかな。「嫌だからもうやめる」っていう落ち方はないんじゃないですか?折れそうだ、とか。

戸田:最近大きなことがあったけれど、映画『ジョーカー』を観て立ち直った。

坂田:そういうことを、一つの手段として自分で検討できるようになったのでしょうね。それはすごいな。

戸田:まだミスしてばかりだけどね。

坂田:ミスね・・ありますよね、それは。

戸田:あと、先生をやっているというのは大きいかな。ダサイところ見せられないっていうのはかなりでかい。

坂田:なるほどなるほどなるほど。

戸田:自分が背中で見せないと、「自分から想像できないなんて言うな」とか、「本当に今日を生きたのか」とか言えない。自分がやっていないといけない、っていうプレッシャーを感じている。

坂田:なるほどね、役が人をつくる。それを僕は感じているのかもしれないですね。

戸田:先生でいると、どこで見られているかわからないのは怖いよ。東京駅の近くの居酒屋で飲んでいて、店員さんにお手洗いはどこですかって聞いたの。そしたら、「上智でお話しされていましたよね」って言われて。

坂田:そういうこともあるのね!怖いねぇ(笑)

ー 戸田さんからのサカタクさんの最初の印象はいかがでしたか?

戸田:サカタクはね、何をやっているかわからなかった。(笑)

坂田:(笑)

戸田:でも、俺はもっと話がしたいって思ったんだよね。

坂田:何をしていたかな。経営企画1年目くらいかな。

戸田:仕事の話はしていないんだよね。飲みに行くか、飲みに行くか・・・・飲みに行くか(笑)

坂田:出会って半年くらいは、戸田さんの前の会社で会って、またその半年後に会って、というペースかな。

会社1年目の時は会社から言われた仕事をしていた。2年目頃から経営企画になって、探索の期間。3年目でベンチャー連携の部署をつくった。

その頃、投資をやり始めてベンチャーとの共創のようなことをやっていて、それで関係したんじゃないかな。戸田さんが仕事で呼んでくれて。

戸田:あー!そうだ!

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坂田:そのあたりから、仕事の話をし始めた。

戸田:そうだね。サカタクはプライベートですごく好きになって、そこから何か一緒に仕事やりたいと思ったんだよね。それで、松下村塾のメンターや、CSWの時に新しい事業も一緒に考えていた。

坂田:そうね。戸田さんの転職もあったし、いつかそれはやろうっていうことにはなったね。最初の構想は二人でつくっていたんですよね。

戸田:そうそうそうそう。

坂田:ほとんどできて、あとはお金のサービス設計をどうしましょうか、というくらい進んだ。UI/UXだけかなと。当時新しい考え方のサービスだったから、誰がお金つけるだろうか、それをどう乗り越えようかっていうときに、戸田さんは見つけてくるんだよね。

地方に出張したときに、「お金出すっていうところ見つけてきたよー」って動いてくる。いつも「えぇっ早くない?!」って驚くほどのスピードで進んでいた。

でも、進めるなかで関係する人の役割分担の調整が難しくなったり、戸田さんの転職があったりで、状況が変わっていったから一度止まったけれどもね。

ー そのプロジェクトを考えていたときのエピソードをよくお話しされますよね。

戸田:そうそう!「戸田さんは何もできないから、ただ騒いでればいい」って言われたのを今だに覚えてる。

坂田:あはははは!!(笑)そうなの??仕事をすぐとってきたじゃないですか!

戸田:一緒にやっていたもう一人の仲間と3人で話しているとき、彼が仲間プロフィールを作ってきてくれて、サカタクが「これを調べておきますね」って言って動き始めてて。「あれ、俺も何かやる」って言ったら、「何もできないでしょ」って。

坂田:もうちょっと違う言い方だったと思うけれどなぁ(笑)

戸田:これ自分にとってはすごく良い経験なんだよ!授業でもよく話している。それぞれの役割、強みが違うことを活かせば生きていけるんだよっていうことを伝えるときに話しているんだよね。

■ 「知的ゴリラ」と「強い意志」

ー お二人が、お互いにそれぞれ「これが(相手の)強みだな」と思うところはなんですか??

戸田: サカタクは「知的ゴリラ」。すごく頭がいい。僕がふわふわと話すことややっていることを、「まとめるとこうですよね」ってすぐ理解してくれる。

ー なんでわかるのでしょう??

坂田:戸田さんって、ふわふわ喋っているようで、根底にある枠組みはけっこう論理的だと思う。人の話、事業の話、お金の話・・・・そういう話のうえで、志について話しているのか、ロジカルな話をしているのか、その分け方をこちらで想像して聞くとわかりやすい。

戸田さんが話しているのは今このことだから、こういう話をすればいいよね、とわかる。あっちいったりこっちいったりしない。

一番わからないのが、ピースがバラバラしている話し方のひと。時間軸と話している内容とが混ざると、歪曲してきてよくわからなくなる。

戸田:あるある。

坂田:戸田さんの話は、考えていることがこういうこと、と整理できる。僕自身の理解を深めるために話をしているところもある。

戸田:僕はビジネス作りが好き、と言いながらも感情で動くことが多いなかで、ビジネス視点からみて圧倒的に漏れていることをサカタクが指摘してくれる。

「これとこれが足りないですよね」と言ってくれると、「あ!確かに!!」と気づきがあることが多い。

ー 坂田さんからみた戸田さんの強みはなんですか??

坂田:戸田さんの強みは、僕に圧倒的に欠けている「これをやりたい」っていうパワー。この”What" があることがすごい。僕はこの"What"がぼんやりとしているから、すごくリスペクトする。

僕が今の会社にいるのは、会社自体がいろいろな事業をやっていて、いろんな会社との接点があることが理由。ビジネスの種をつくりながら自分がリーダーシップを持ってやっていくと、一緒に事業を推進してくれるメンバーが集まってきてくれれば進む。でもそうでなければ進まない、という状況でやっている。

でも戸田さんはやり方が違う。決めてから進む。

例えば、畑があって、戸田さんはそこにリンゴの木を育てるって決めているとする。僕は、まず庭をつくって何が育つのかみて、木も必要だし、植木も必要だし・・・ということを考える。

戸田さんはここはリンゴの木なんだ!と決めてやる。変えるにしても、やっぱりやめた、ぶどうだ!という感じで決めていく。

そういう、「決めることができる」というのは僕にはないから、勉強させてもらっている。それは志の話なんだろうなぁ。

戸田:そうね。志かなぁ。

■ 志 

ー 坂田さんの志はどんな変遷がありますか??

坂田:僕、20代の頃は「志」というようなことに対して、斜に構えていたのね。でも、グロービス・ビジネススクールで考えるきっかけがあった。

恩師と出会って、志やぶれない大局観ということは経営者として必要だ、ということを教わった。リーダーシップ育成の授業でも、ちゃんと真摯に自分を正面からとらえるっていうことを教わって、そこからちゃんと考えて志をつくりましたね。

その志は、「プロの経営者になる」ということ。

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32歳くらいのときだったけれど、その頃日本の経営の形はだめだ、というポジショントークで言われることにすごく違和感があって。

剣道をやっていたこともあって、日本人であることが理由でできないと言われることは気に食わなかった。だからこそ、ちゃんと作れる人間になりたいと思った。

だから、本当は会社だけにこだわらない。今は、ある社外取締役になっているのだけど、それも一つの形。「プロの経営者になりたい」という夢や志の実現に向けて、そうした形を何個がつくっていきたいなと思う段階かな。

戸田:いいね!

ー 坂田さんは、志のプロセスから実現に向けてどういうプランニングをするんですか?

坂田:プロセス、というと、山登り型と川下り型という2つがあるよね。

高い山を据えて、その頂上を目指して登山ルートを作るように志をつくるパターンの山登り型。セレンディピティのような、川下りのように流れに乗りながら最終的に行き着いたところが志だというパターンの川下り型。

その2つがあるとしたら、僕はどの山を登るかということを決めたいタイプなのかなと思っている。

ただ、その登る過程ではいつも一合目にいたいなと思っているのね。頂上に向かって"n" 合目にいる、というその”n"が増えていくだけでは、ゴールが決まっている前提は変わらない。

だから、その頂上にいけば、「もうこの山は登らない。次の山にいく!」となる。山を下らないといけないじゃないですか。人生において「山を下る」ことがいまいちよくわからない。

そもそも今、登っている山がどういう山なのかもわからないから、この山自体も抽象化する。そして、ゆるぎない大局観をもって進んでいく、というイメージでいる。信号のない高速道路をずーっと進むような感じに近い。

気づいたら下っていたり、他の山に行ったりしているかもしれないけれど、ずっと一合目にいるような、頂上がないような形で、「プロの経営者」を目指している。

「プロの経営者」にもいろいろな形がある。例えばベンチャーの社長もそうだし、今の会社の社長もそうだし、転々とすることもプロの経営者かもしれない。

だから自分にとっては、今一番パフォーマンスが発揮できなくなるような環境になってしまったときには、「違う。この山登るのやめた」って止める。高速道路に信号を設けようと思っている。

そんな進み方ですね。

戸田:なるほどね。。!

坂田:今の環境ではチャレンジさせてもらっているし、スタートアップでも頼りにしてもらっている感覚があるので、それが続く限りはやろうと思っている。

僕が何のアウトプットも出せなくなったら、バリューがない。それこそ戸田さんと初めて会ったときの、何をしてる人かわからない人になってしまう。

仕事をしていると、「この人にはこういう価値がある」と認識された上でタグがちゃんとつく。それでやっと、話をしたくなるじゃない。

そのタグが、もっぱら「坂田って新しいことやってる奴だ」とか、「知的ゴリラだ」とかになってくる。それで何のアウトプットも出せなくなると、ただの評論家になっちゃうから、アウトプットは大事にしているかな。

戸田:そうね、間違いない!

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一つひとつのやりとりに、お互いに尊敬し合う気持ちが溢れる前半。対談は、経験に基づいた「志」の深い部分に進んでいきます。お楽しみに!

>>> 後編「志」に続く!

*1 CSW: Cooperate Social Will の略。戸田が前職時代に立ち上げた事業・概念。各企業(Corporate)が目指すべきより大きな「理念・志」という(Will)を共有(Share)し、互いの強みを社会(Social)のための価値に変革していくことを目指した。戸田はこの時から、一人ひとりが志(Will)を持ち、実現のためのプランを描くための人材育成を行なっており、現在の教育事業にも繋がっている。

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