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【対談】「異端児から教育界に新風を」  (松永エリック・匡史×戸田裕昭)<前編>

戸田裕昭の対談企画第二弾!
今回は松永エリック・匡史さんをお迎えします!ミュージシャン、コンサルタント、そして大学教授と、様々な顔を持つエリックさん。多彩な活動といまの教育現場での活動は、どのように結びついているのでしょうか??

軽やかに自由に語られる言葉は、映画や本を通じた学びやご自身の体験で溢れていて、わくわく感満載でした。そんなエリックさんと戸田の考える教育観は完全一致。これから一緒に創る新しい世界に向けて、意気投合した熱き対談です!(全2回。聞き手・文章:チーム戸田)

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<0> 松永エリック・匡史さんご紹介

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高校時代からスタジオミュージシャンとして活動。アイドルから演歌まで幅広い分野で数多くのレコーディング、ステージをこなす。

米国通信会社AT&T及びAT&T Solutions、米国コンサルティングファームのアクセンチュア(旧アンダーセンコンサルティング)、野村総合研究所、日本IBMとコンサルタントとしてのキャリアを重ねる。

デロイト トーマツ コンサルティング メディアセクターAPAC統括パートナー・執行役員, PwCコンサルティング デジタルサービス日本統括パートナーを経て、現在はメディア・デジタル事業のプロヂューサーとして活躍中。

2019年4月1日より青山学院大学地球社会共生学部教授に就任。

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(・・・ご挨拶とともに始まった、エリックさんの周りの奇想天外なお話)

戸田:めっちゃ面白いー!・・・でもこうやってずっと喋っていくから始めよう(笑)

― そうですね(笑)。始めましょう!

■ 「先生」への道と教育への思い

- それでは、松永先生・・・

エリック:エリックでいいですよ!生徒にも先生って呼ぶなって言っています。

― ありがとうございます!では、エリックさん。これまで、ミュージシャンやコンサルタントなど数多くの経験をされて、今は大学に教えにいらしている。戸田さんも、ビジネスや地域活性化をやってこられました。お二人とも、そうしたフィールドからなぜ教育現場にいらしたのか、ということをまずお聞かせください!

エリック:僕ね、逆なんですよ。実は元が教育なんです。

― 大学院の?

エリック:いや、小学生くらいから教員になりたかった。もともとは、水谷豊が出演している『熱中時代』を観て、先生が大好きになった。そして、金八先生でさらに好きになって。

戸田:僕と全く同じだ!

エリック:だから先生になりたい、というのが最初だったんですよ。今のキャリアは、「こういうキャリアの先生に習いたい」と考えて積み上げてきたキャリアなんですよ。

音楽もビジネスも、全部一流の実績があるのに偉ぶらなくて、友達みたいな先生だったらすごくかっこいいと思ったんですよ。だからすぐ先生にはならなかった。だから起点は「先生」にあって、そのルートを通ってきたんです。

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        プロのミュージシャンとしても一流

― 理想の先生像があって、そのプロセスをふまれてきた。

エリック:そう、だから常にどうすれば生徒にかっこいいと思われるかを考えてきた。

戸田:めちゃいいですね。

エリック:だって格好悪い先生に教わりたくないじゃないですか。生徒たちには、ここに来てよかったなって思ってほしい。それは出会いだと思うんですよ。

いい先生一人に出会えれば、大学って行って良かったなと思うはず。でも今の子たちってどこの大学を卒業したか、ということで終わっちゃうじゃないですか。

どの大学で過ごしたか、ということだけ言うために4年間費やすことは、あまりに無駄。しかも、昔はそれに耐えていたけど、今の子たちは耐えないんだよね。すぐ辞めるって言う。

戸田:わかります。最近も、僕のところにきた大学1年生がすごく情熱的な子で、大学辞めてこういうことやりたい、と言ったけれど、止めました。

エリック:そういう情熱的な子こそ、大学に入る意味を見出せずに辞めるって言う。退学します、と。「退学」がすごく軽い言葉になっている。

でもね、これからの社会を生きていくときに、辞め時はすごく大事だと思う。キャリアを積む過程で、辞め時は大事。もちろん逃げることも大事だから、その兼ね合いは難しい。

ただ、簡単に辞めることを大学でやっちゃうと、続くと思うんだよね。辞めグセがつく。

戸田:あーなるほど!

エリック:社会に出たらもっときつい。すぐ辞めたくなるでしょ。大学でそれやると癖になると思う。だからできれば、大学では辞めることだけじゃないって教えるしかない。それは僕らの経験を通じてね。

あとは本人次第だけど、大学は教える場であって、試練を与える場ではないと思うんだよね。だって自由だもの。

中学高校は、偏差値があって内申書があって、と制度的にガチガチだけれど、大学は自由。だから次の段階に進んだ時に成長できる人間をつくるのが大学の仕事じゃない?本当は中高の仕事だと思うけれど、できないから大学の仕事になる。でもそれが企業になるのは違うと思うんだよね。

戸田:違いますね。

エリック:企業は選ぶ側。もちろん学生も企業を選ぶ。だから、企業で教育を受けるのはおかしいと思う。大学は耐えることとか次への進み方とかを学べる最後の機会なんだよね。

戸田:僕もなるべく逃げ癖はつけさせないようにしています。すぐ「嫌だからやめる」「僕にはちょっとこれは無理だった」って言う。自分の限界をどんどん自分で低くして、できないレベルをどんどん上げてしまっている感じがする。

エリック:コンサルにいたとき、部下がたくさん辞めていった。そうした時に、辞める最後の面接には一番時間を使った。辞めると言ってもスッキリしてないんだよね。結局はどこかで劣等感になってたり、トラウマになって次に行ってしまう。

辞めるのはいいんだけど、ちゃんとリーズニング(reasoning)ができないといけないんだよね。辞めるまでの道筋・目標があって、辞めることがステップになっているっていう形にしないと絶対ダメ。

どんな状況であっても、自分は上昇しているというストーリーを作れるかどうかが大事。精神的にボコボコにやられたとしても、「良い経験になった。だから次はこうする」という目標があればステップになる。

ただもう無理です!って、何も決めずに突然辞めたら全然よくならないし、次にもっとひどくなるのは誰の目からみても当たり前。だから、そのステップをちゃんとやるっていう、最初の癖をつけるのは大学だと思う。

だから教授とか教員は辞める子に対するフォローをすべきだと思う。卒業生にはならないけど、教師の責任としてあると思う。辞めることをトラウマにさせないで辞めさせるっていうのは上司とか先生の仕事。大事な仕事だと思う。

戸田:間違いないなぁ。僕もよく学生に対して、何事も次にどうつながるかと考えて取り組んでいかないと、やっても意味がないことに力を使ってしまうっていうことを伝えています。

辞めるにしても、次につながるのかということを考えられるようにしていってあげないといけないですね。

エリック:そう、もったいないからね。後になればなるほどきついからさ。僕はもう50過ぎてるからさ、一番きつい年代なんだよ。50になると今更?っていうくらい差がついているし、負け癖がついてる人っていうのはどうしようもないんだよね。

あと、もうちょっと勉強しようよって思う。インターネットの情報を鵜呑みにしていて、全然自分で調べないでしょ。

例えば就職活動ランキングも鵜呑みにしている。有象無象の票が集まっているランキングに対して、まずおかしいなと思うべき。じゃあ仮にランキングが正しいとして、日本人ってエリートの意味がわかっていない。エリートって特別な人でしょ。

日本人はランキング10に入らないと劣等感を持つでしょう。でも、エリートはすごいんだよ。だってトップ企業に全大学生が入れるわけがないじゃない。入れる前提で劣等感を感じるなよ、っていう。だから日本ではプレッシャーしかない。そこを変えていかないと、って思う。

本当はやっぱり高校、中学。偏差値でランキングされる前に、偏差値とは何かって言うことを教師が教えなければならない。僕の理想はスーパーIQが高くて偏差値70超えているやつが工業高校に行くような中学校を作ること。

「先生、俺モノを作るのが好きだから工業高校行こうと思うんですよ。」
「で、お前成績どうなの?」
「県でトップとりました。」
「いいじゃん!」

それで工業高校に行く。そうすればまた新しいものができる。それをみんな偏差値で区切って、「なんでこんなとこ行くんだろう」なんて言う。なぜ偏差値ランキングがいいのか全然わからないのにね。

戸田:僕が初めてエリックさんと出会った時に一緒にやりたいと思ったのは、目指しているところが全く同じだったからです。「やりたいことがあったらやりたい道に進んでいく」っていうこと。

僕も、何かやりたいことがあるのに、ただ「良い大学に行かなければならない」っていうのは違うと思っていて、やりたいことがあるんだったらその時点でやれるような社会にしていきたいなって思っていた。だから、一緒に目指していきたい!

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            自分のやりたい道を進む!

■ 実は夢って実現可能なものしかない!

エリック:僕、人間は実現できない夢ってみないと思うの。できないと思っていることは現実的だから。例えば、僕が今から100メートル走ってオリンピックでメダル取ろうなんて、絶対思わない。

人間ってやっぱり可能性がないものって絶対夢を持たないんだよ。だから夢を持った時点でそれって実は可能なんだよね。

それを求めさせるのは教育だと思う。だからやりたいって思ったことに対して、すぐ無理だよ、って言うんじゃなくて、「いいじゃん!どうすればできるのそれって??」って一緒にやればいい。もちろんいろいろあって、現実に直面した時に、また次に夢が出てくる。そしたらその夢に移れば良い話で。

親や周りの人が与えたり、夢の中で選ばせたり、ということは違うと思う。選択肢を与えるのが親の仕事だと思う。

僕自身、絶対強制はしない。選択肢を与えようと思っていろんなものをやっていく。それで、子どもをいろんな人、一流の人に会わせる。

ありきたりの人生がいかにくだらないかっていうことを体感してほしかったの。それを子どもに言うのではなくて、感じてほしかったの。

すごく有名な奴に会わせて、
「あいつはフランスでこんなことやったんだよ。」
「すごいね!」
「でも中学しか出てないんだよ。でもそこからすごく頑張ったんだよ。
修行って、高校で勉強するよりもっと大変なんだよ。」

って言って感じさせる。どの世界でも大変なルートがあること。そして、何が大切かではなくて、結局は“素敵なおじさん“になることが大事、っていうところに目標持っていけば人を見る目も変わるかなって。

死んだ目をしている負け犬みたいなおじさんから、「君たちは今これを学ぶべきだ」なんて言われるよりさ。

戸田:そうですね!間違いない。

エリック:あのね、僕も戸田さんも若干軽いノリがあるところは認めます。認めるんだけど(笑)、僕らみたいのがこういうところで生き残っていくことを、僕は一つの選択肢としたい。こうなれと思っているわけじゃなくて、こんなふざけたやつでもこんな風になれるんだっていうことを、選択肢として見せることが教材になると思う。だから自分も一生懸命頑張ろう、成長しようって思っているし。

戸田:実は僕も、教育の世界に立たせてもらって良かったこともすごくいっぱいあるんですけど、一番辛いのはプレッシャーを感じることなんです。

去年教えた子に、次の年に「戸田先生全く変わってないですね」って言われるのがまずいっていう一番のプレッシャー。学生たちの成長スピードはすごく速いから、それに対して自分も負けないように頑張らなきゃっていうプレッシャーがある。

エリック:企業の方が楽だからね。それに学生は感覚も違う。その感覚も、理解はできないけど把握していたい。把握するためにオープンなってもらう。情報が入ってこないのが、結構大変。

戸田: そうですね。

エリック: 今の子たちは、素直で良い子たちだしね。昔みたいにつっぱったやつはあまりいない。つっぱってたでしょ? どれだけ学校来ないで成績取るか、みたいなチャレンジをする。朝まで遊んで学校来ないっていう、それ普通じゃないかって。

戸田:まさに僕です(笑)。エリックさんは50代に全く見えないっていうところがすごいですね。

― 戸田さんも言われるでしょう、年齢に見えないって??

戸田:うん。先日単発の授業をした時、僕のことをヤンキーと思っていたり、チャラくてこの人の話を聞きたくないと思ったっていう感想もあったり、人は見かけによらないということを体現している、っていうのもあった(笑)

良いのか悪いのかわからないけどありがとう、素直な感想なんだなって思いました(笑)

エリック:いいね(笑)

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        こう見えて(!?)真面目で本気そのもの

■ 授業:エリック流・戸田流

―お二人が、授業や今の学生たちとのの関わり方で工夫してることはなんですか??

エリック:なるべく話をすることはもちろん、彼らにとって発見のある授業をすることだと思う。要はここでしか聞けない授業。彼らは実践的な授業というのを求めている。

例えば、僕の経営学の授業では、アカデミックな人たちは論理的にやっているけれど、「ロジカルシンキングなんていうのは一銭にもならない」と最初に言う。過去のものを使った人で食えてるやつはいないと。MBAもそうだよ。お客さんもMBA持ってるんだよってね。優秀な人を相手にして、同じこと言って食えるわけないよと伝える。

全部がデジタルになっている世の中で、みんながこぞってデザインシンキングもやってますって言う時に、どうしてまだロジカルシンキングなのかって、そういうところに疑問を持ってほしいんですよ。

でも過去は大事だと思っているので、過去の人たちにリスペクトを持つことは大事。「お前ら古いんだよ!」じゃなくて、「あの時はあの時でイノベーションだったんだ」と理解する。

初めてボイスコピペそう作った時もそう。その時はイノベーションであって、彼らは偉大だった。なるほどこの時代背景だから偉大なんだ、とわかるところまで勉強しなきゃいけない。

浅いとつまらない、ただのお勉強になってしまうけれど、一つ深くやっていくと面白い。例えば、経営学基礎でバブル経済の仕組みっていうのをやったのね。要はレーガン大統領が政策を実施した時の、日本の状況や公定歩合が結果的になくなったという歴史を話した。そこにカルチャーの話を入れる。

“Back to the Future“という映画で、過去に戻った主人公が、未来から来たことを説明する時、「お前のときの大統領は誰だ」って聞かれて「レーガンだ」って答えると、みんなに爆笑される場面がある。あんな三流俳優がお前の時代では大統領になるのか!というギャグなんだけど、それは歴史を知っていればこそ面白い。

悪役のビフ、という奴が未来に行って金持ちになるという話もそう。未来でビフタワーって建てるんだけど、それがまさにトランプタワーなのよ。髪型もそっくりで。全く同じことをやっている。知識が必要なんだけど、こんな風に歴史とカルチャーがわかると映画がすごく面白くなる。

ダニエル・グレイグの”007 Sky Fall”もだね。この映画で面白いのが会話。彼がMというコードネームなんだけど、突然来たやつに面白く思わない他の同じMの先輩が来て会話する。その中で、「あぁ、あなたは超エリートだけど、もともとは中流階級の出だよね」と言われる。

それは、イギリスって言葉で育ちがわかる、ということね。クイーンズイングリッシュとかね。それがわからないとセリフの意味がわからない。そこに目が向けば、英語ってどうなってるんだろう、育ちってわかるんだっていう気づきになる。そうすると007で面白いものがたくさん出てくる。

そういう、勉強するきっかけみたいのがわかると、楽しいんだよね。そうしたきっかけができるといいなと思う。

戸田:なるほどなぁ。おもしろい。

エリック:経営学もそう。

男性諸君!好きな子をデートに誘う時にまずは何をする?銭だろう、財布中見るよね。それで、次に何考える?最後の事考えるだろう、お前ら。(笑)そのためにはどうする?いきなりは無理だなって考えるでしょ。プロセスを考えるよね。あたかも、あれ来ちゃったっていうプロセス。

でもうまくいかないよね。だから次はこうしようって学んで、次、また学んで次に向かう。それでもう一回財布を見る。またプロセスを考えてどうやったらいけるかなって考えるでしょ。

さて、今何考えてきた??

ファイナンス・サティスファクション・プロセス・ラーニング、はい!これロバート・キャプランのバランスト・カード、これだよと。みんなわかったでしょ!ってね。

戸田:僕より深いな。(笑)

僕も結構恋愛に例えて話すんですよ。みんなのビジネスとか難しく考えるけど、実は実生活でも普通にやっているんだよって伝えたくて。

あと、僕は本で読んだことを伝えない。僕は僕が体験したことから、僕が気づいたことを伝える。

だから去年やったことと同じだと嫌だなと思っている。全く同じことやった事は本に書いてあることの上乗せになってしまうから。

だから全く違う体験をして、全く違う気づきになるのかもしれないし、違う体験からやっぱり去年言ってた事は同じかもしれない。そういう、最先端でやっていることの気づきを学べているようにする、ということは意識しています。

でも今回、もう一歩深掘りするっていうのはエリックさんから学びました!

それこそ見えているものだけ伝えていたら、遠い話になるかもしれない。一段学生に近づけるような話に変えて、置き換えてあげたりするとだいぶまた学びが深まるかなと思う。

エリック:僕ら自身の学びにもなるしね。もう一回考えてみると結局視点が違うのが楽しいんですよね。

自分としては正しいと思っていたことも変わっていく。それは経験があるし出会いがあるから、いろんな影響受けて変わっている。

僕はそれでいいと思っていて、変化を恐れないっていうことが大事だし、変化しない事は大変なんですよ。

授業なんて毎年同じことやっていればすごい楽なんです。でもやっぱり資料を変えたりしているから毎日大変なんですよ。

戸田:わかります!僕も資料を使い回そうかなと思って複製まではするんだけど、見ているとなんか全然違うなって組み直す。そうするとやっぱり初めから作ろうって、結局作り直しちゃってだいぶ時間かかる。

エリック:僕、大学の授業パワポ使ってないの。これ自由がないなと思って、ホワイトボード黒板にチョークでも書くようにしたの。だから、やりながらどんどん変わってくる。

(笑)

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              自由に広がる授業!

一応、最初のパワポは自分用には作っているのね。自分用に流れがわかるように作っているんだけど、結局話すと気持ちよくなっちゃって、ボンボン変えちゃって。

戸田:面白いなぁ。そういうライブの授業ちょっとやってみるか。パワポって、僕の中で目次でしかなくて。

エリック:うん、そうそう。情報の確認は必要だから、年代とかそういうのは確認するよ。そこは知識だからね。でも基本的には作らない。僕、英語の授業も持っているんだけど、基本は日本語で作って、英語で喋っているのね。それを見ながら喋り始めるとわけ分かんなくなっちゃうけど(笑)

戸田:そういう授業だったら学生も楽しんでいるなー!

 広がる学び・遊びも学び

エリック:授業中にこれなんですかって聞かれて、話がそれることもしょっちゅう。

この前もバブル時代の構造について話していた時、学生が私のお父さんは椿家でDJやってたんですよって言ってきて驚いた。それなら、っていって、新宿の勢力図を示して当時のディスコの歴史の話になってしまった。(笑)

戸田:何の授業でしたっけみたいな。(笑)

エリック:そういう話でもビジネスに繋がるからね!(笑)

例えば、青学時代の友達は、学生時代に高級ブランドの中古品を扱うビジネスを始めた。当時、質屋しかなかったから、高級ブランドのものが中古になると行き場がなかったことに目をつけたんだ。

他にも、青学の後輩で理容師と美容師の資格を持ってサンフランシスコに行ってビジネスを始めた奴がいてね。彼が言っていたことが面白い。大学時代の友達が遊びに来ると、食事に出かける。でもその自由が効くっていうのは、自分で時間や仕事をコントロールできる立場だっていうこと。それが、全員大学でとことん遊んでたやつばっかりなんだ、と。みんな自分の世界・世界観を持って自由を持ってた奴らだっていうんだよ。

ダメなのが、まだ遊んでるってことなんだけどさ(笑)
治らないな!て言って傷を舐め合う(笑)。

戸田:そういう大先輩たちがいるっていうのは心強い!

エリック:遊ばないと大変よ。完全にマーケティングだからね。

学生時代、どうしたら女子学生たちの気を引けるか考えた。自分たちのバリューは何かっていうところから始まって、自分たちのマーケットバリューというのはどこにあったら効率的に出せるかということをやっていた。

当時3K(高身長・高学歴・高収入)っていうKPIがあったんだけど、それをどう下げてバリューを出していくかっていうことがチャレンジだった。この3つが揃っていた人がモテた時代ではないんだよね。この3つを糧にどうバリューをつけていった人がいるか。それがモテた。みんなすごく勘違いしている。

戸田:間違いないと思う。すごいところを見せるよりも、凄くないところを見せる方が受ける可能性があるかもしれないし!

・・・何の話してるか分かんなくなってきた。(笑)

エリック:そうだね(笑)

戸田:人によって自分をどういうキャラに仕立て上げるかということは、仕事も一緒だと思う。自分もその人に気に入られるためには自分がちょっとずつアレンジしていくっていうことが大事。

エリック:軸はぶらさずにちょっと見え方を変えていく。相手をベースに変えて考えているということ。相手にどう感じてもらいたいかっていうのを考えて、それに対して自分のビジョンがあって、そのためにはどうすればいいか戦略を立てる。それは全員やり方が違う。

でも今の人はそこに法則を求める。僕がこうすればいいじゃないかって言う。でもキャラクターが違うから、当てはまるわけがない。みんなの印象がそれぞれ違うのに、同じことをやっても意味がない。

大事なのは、相手をどこまで考えるのかということと、そもそもその相手を本当に好きなのかというところ。大して好きではなかったら、そもそもターゲットにしちゃいけない。好きだったら、どうしたらこの人をもっと自分に向かせるか、と考える。

だからターゲティングのことなんだよね。コトラーの言う事と同じ。どうして普通のことになると、考えないの?急に親の言った価値観になるの?って思うね。

戸田:本当に!

エリック:だから日本人って個性がないって言われる。それを変えていきたい。変えていかなきゃって思うよ。

【続く】
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幅広いご経験があるからこそ、自由自在に広がっていく対談!では、この自由な発想から、お二人が考えるこれからの教育とはどのようなものでしょうか??次回もお楽しみに!

>>> 第2回「新しいチャレンジ・これからの教育」へ続く!

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