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「あたしね、もしも生まれ変われるとしたら、雨になりたいの」 そんなことを昔言っていた。小…
貴方への手紙を書くのは初めてですね。そもそも私は手紙を書くこと自体得意ではないのと、手…
夜、目が覚めると、真っ暗だった 少しだけ、鳥肌も立っていた 悪夢にうなされていたのかな 汗…
「もしもし、今大丈夫?」 「もしもし、大丈夫だよ」 「・・・とりあえず、久しぶりだね」 …
迷う。 私の目の前から旅立つ人へ、何を言えばいいか。 いつも迷ってしまう。 どんな言葉が…
遠くの雲に絵を描く。 私に生えた天使の翼をみんなに自慢している絵。 みんなは私のことが怖…
朝と昼と晩のこと。 乾いた鐘の音が聞こえて目が覚めた。 高い空が見えてここがベッドの上だと気づいた。 枕は昨晩の雨の匂いを残して。 起き上がるブリキの身体は関節が軋んで ギシギシと音を立てる。 妙に爪が綺麗なのは昨晩研いだダイヤが光るから。 そうだ。 今日は外に出る約束を彼としたはず。 私は寝坊をした。女の子なのに。 時計はこの部屋にはないけど もうじき夕方だと思う。 カラスが泣いて空が焼けるよと言っているから。 慌てて支度をしなくてはいけない。 「鏡に映らないところだけ綺麗
君にも泣きたい夜があったんじゃないの。んで、その夜は泣くことが出来たのかい。毛布にくるま…
街灯に照らされる私の影は愉快に踊っている。耳に着けたイヤホンからはアップテンポな曲が鼓…
扉が閉まるのはゆっくりだった。 いっそ、一時停止して巻き戻してもいいかな。 ・・・…
思い出は砂のようにぽろぽろ零れていくから ひとつ残らず手で掬って 瓶に詰めて時計にした …
ガタゴト揺れるこの箱は たくさんの思惑を乗せて 終点を目指して ガタゴト ガタゴト・・・…
恋なんて、あんなに辛いもの二度としないはずだったのに、 中学一年生のころ、隣の席の女…
深くまで知られることは怖い。 自分がまだ行ったことのない深い場所まで勝手に行って覗かれて、「君ってこんな海だったよ」なんて言われたら、たまらなく辛く。恥ずかしい。 入口の推進の深さを示した看板を見て怖気づいて引き返す人の方がまだマシだと思う。 勝手にずけずけと人の浜に乗り込んで。デリカシーのサンダルもあったもんじゃない。 自分の海の底まで一人きりで行ける人ももちろん居ると思う。 そんな人に憧れる。けど、みんながみんなそうじゃないから。 一人きりでは行けない人もいるの