友情の賞味期限

そいや今年は大学時代に青春の輝いた時間を分かち合った最高の友たちから「誕生日おめでとう」のLINEが来なかったな。

そんなことを唐突に思い出した深夜のベッドの上。別にいいんだけどさ。

友たちと最後に会ったのは昨年の夏の終わり。
大学を卒業して1年半。それぞれ社会人になって仕事をしたり、アルバイトをしながら勉強を続けていたりした。

他のみんなは大学の所在地が地元だった。私は唯一、地元から離れてこの大学に来たけれど、就職に伴い地元に戻った。

学生の時は、大学という同じ箱の中で生活して、たまに共通の講義を受けて、昼休みには一緒にお昼を食べて、休みの日には予定を合わせて遊んだ。先生たちの話題で盛り上がったり、アルバイトの愚痴を言い合ったり、将来の夢を語り合ったりもした。
もちろんそれぞれの誕生日会も開いた。ケーキを買って、みんなで餃子を作ったり、たこ焼きを焼いたり、ピザをたらふく食べたり。共にする時間が増えれば増えるほど、この縁はずっと続くと思っていた。いや、続けたいと強く願った。それほどに愉快な仲間たちだったから。

だから普段グループラインなんぞ動いていないけれど、年に1回は会って、近況を報告しあって、大学時代を懐かしむ機会を作れたらいいなって思っていた。
そのつもりで、お給料もちょっとずつ貯めてたりしたんだけどね。
なんか、もう、そういうのなさそう。

思い返せば昨夏に会ったとき、楽しいけど楽しくなかった。
この日はみんなでちょっといい旅館に泊まったんだけど、みんなの少し学生の名残があるテンションについていけなかった。はしゃいでいるみんなをちょっと冷めた目で見てしまっていた。
ん~、これは私が変わってしまったのかもしれないな。

それから会話にも純粋な気持ちで加われなかった。
住んでいたり置かれている環境が違ったりするからしょうがないんだけど、仕事の話も、日々の話も、恋バナも、どこか赤の他人の話を聞いているようだった。
4年間も一緒に過ごしたのに、その4年間は昇華しちゃったみたい。
私たちの価値観って、どこか似ていた気がしたんだけどな。
大学マジックが解けちゃったんだね。

そしてチェックアウトの時「もうこのメンバーでは会わないかもしれない」と直感したんだよな。
あんなに愛しい友たちだったのに。そしてその友たちとつるんでいる自分のことも大好きだったのに。
誰からも「また会おう」って言葉はなく、ましてや自分の口からも出なかった。
そのことがもう、私たちのこれからを物語っていたんだね。

これはもうしょうがないことなのか、それとも私たちの関係がその程度だったのか。どうなんでしょうね。
でも振り返れば、美味しくてお腹いっぱいになる思い出がたくさんできたな。今でも全身であの時食べたものの味やおしゃべりなどをして満足した気持ちを覚えている。
よく分からないけど、とにかくみんなが日々幸せに生きてくれることを遠く離れた地から願い続けています。
あ、結婚するときくらいは連絡ちょうだいね。


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