レポ46:長門川尻岬灯台(2019/12/31)
本州最西北端であり響灘(ひびきなだ)の東の境域。灯台が見る先は日本海の荒波。山口県長門(ながと)市の深奥部にある灯台を訪れました。
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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。
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◼️レポ46:長門川尻岬灯台(2019/12/29)
山口県長門(ながと)市の向津具(むかつく)半島突端部にある本州最西北端の川尻(かわじり)岬に向かいます。
向津具という地名はかつて「向国(むかつくに)」と呼ばれていたことに由来する説があります。
川尻岬はキャンプ場にもなっています。駐車場もそばにありました。
寒くて風が強い年末なのにキャンパーの皆さんがいて驚きです。数組だけですが年越しキャンプでしょうか。
キャンプ場の先にある展望台から臨む灯台への道のりは、かなりの距離があるように感じます。灯台の姿がギリギリ目視できます。
夕陽と灯台とをセットで観たかったですが、灯台は完全に日本海側を向いており難しそうです。響灘に沈む2019年最後の夕陽は美しかった。
展望台には航路標識燈竿(とうかん)の碑がありました。通常、山の頂部に設置するところ、何故ここにあるのかは不明です。
灯台へ至る道の入り口はこんな感じです。
尾根づたいに続く道をハイキングすることに。
道幅も少し狭いのでくれぐれもお気をつけください。
ここの階段を昇ります。かなりの急勾配が続きます。奥に行くと岩場の下に降りられるようです。
夏場の暑さの中であれば地獄だったでしょう。
展望台から歩くこと約10分。生茂る草木の陰からようやく灯台の姿が見えてきました。
木々を抜けると本州最最北端の灯台の登場です。
冬場だからか灯台周辺は刈り取りされており、スッキリされていました。恐らく夏場なら藪が茂っていて地獄の蒸し暑さでしょう。
しかし冬場ならば枯れていたので、こんな茂みからでも撮影可能でした(冒頭の写真も茂みから手だけ伸ばして撮影)。
灯台には立派なソーラー発電機が備え付けられています。
灯台の眼前は日本海の断崖です。落ちたら確実に死ぬ。
ちなみに灯台のある場所には来た道とは別の道も続いており、そこを突き進むと響灘が一望できる岩場に到達します。
ただ岩場から灯台も見えませんし、まあまあ大変な道のりですので、行くのはあまりオススメしません。
こんな寒風吹き荒ぶ場所で孤高に灯りを照らす灯台に敬意を表して、暗くなる前に来た道を戻ります。
急勾配の下り坂も足腰に負担がかかるので気をつけてください。
帰り道、日本海の荒波が岩場に打ちつけ波飛沫をあげていました。すっかり岩場が黒に変色していますね。
改めてキャンプ場から灯台のある尾根を眺めるとキラリと輝く小さな灯りが見えました。
村上 記
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