レポ19:余部埼灯台(2019/5/2)
兵庫県香美(かみ)町のJR餘部(あまるべ)駅。地上高約40mの「空の駅」として名所となっていますが、駅から車ですぐの山奥にある「日本一の灯台」の存在はあまり知られていません…
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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。
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◼️レポ19:余部埼灯台(2019/5/2)
兵庫県北部にある美方郡(みかた ぐん)香美町(かみ ちょう)。日本海に面しており、町全域が「山陰海岸ジオパーク」に属するという自然豊かな町。
今回はこの香美町にある「日本一高い所にある灯台」である余部埼(あまるべさき)灯台の灯りを、朝焼けとともに観るべく、夜行軍を敢行しました。
日の出予定時刻は午前5:11。無事に午前5時前には灯台すぐそばの駐車場に到着。道中、野生の鹿たちに3度ほど遭遇しましたので、スピード飛ばし過ぎにはご注意ください。灯台周辺情報は後述します。
天気予報では明け方から晴れ模様。しかし現場は想定以上に曇っており、まさに雲行きが怪しい。結果として少し怪しげな雰囲気がまた良かったです。
iPhone内蔵カメラでは92万カンデラという光度を撮影するのに限界がありました。ちなみに光度日本一は室戸岬灯台(高知県)の160万カンデラ。しかし、地面の水溜まりに映ると鮮明にレンズが映るという不思議現象が。
余部埼灯台は第3等大型フレネルレンズですが、塔高が約14mとレンズとの距離感がとても近く、美しいレンズの回転運動をゆっくり満喫することが出来ました。
時刻は午前5時過ぎ。晴れていれば東雲の空が赤く染まる時間帯ですが、曇天の空でお日様は一向に出てきません。しかし、辺りは白んできましたので、ようやく灯台の全容がちゃんと確認できました。
雨上がりの曇天は、通常なら鬱々してガッカリしますが、今回は水溜まりに映った逆さ灯台がとても美しく、レアな光景にテンション上がります。
初点灯は1951年(昭和26年)3月25日。なんせ日本一の標高(平均海水面から灯火まで約284m)にある灯台なので、建設は難航し約2年の歳月を要したとのこと。
現在の灯台は1985年(昭和60年)に建て替えられた2代目だそうです。
ようやくチラっと朝日が垣間見えましたが、この日はこれ以上朝焼けは見れませんでした。きっと快晴の日は素晴らしい景観なのでしょう。
駐車場は灯台まで目と鼻の先のところにありますので、カーナビに沿って余部埼灯台に向かえば大丈夫です。途中、山道は急勾配で細い部分もありますので、ご注意ください。
駐車場から灯台までの道の間には、山中にあるという美伊神社の鳥居と、小屋の中にはトイレがありました。トイレは水洗トイレではなく「ネポンパールトイレ」という泡洗浄のトイレらしいのですが、私が使用した時には何故か泡が出てきませんでした。
夜中に灯台の光が反射していた冒頭の写真は、こんな道だったんですね。
日中は晴天になり、青天をバックにした白灯台は夜とはまた違う意味で美しかったです。
「余部埼灯台」が海上保安庁発行の『灯台表』に基づく正式名称ですが、地元では「御崎(みさき)の灯台」の方が定着しているようでした。
御崎というのは灯台から少し降りたところにある集落の名前でして、壇ノ浦の合戦で敗れた平家の武将たちが逃れた末に流れ着いたとされている、とのこと。
村上 記