リビセン東野さんご夫婦の『楽しくたくましく生きていく方法』-「大家の学校」開校式に行ってきたよ-
サイト制作をお手伝いさせていただいている「大家の学校」、第4期がスタートしました。
大家の学校第4期サイト→http://mamekurashi.com/oyanogakkou04
「大家の学校」は、日本一有名な大家・青木純さんが発起人。
賃貸住宅をただの箱ではなく暮らしの舞台に編集し、欲しい暮らしをつくる住人を採用する大家の学びの場をつくることにしました。
という青木さんの言葉からも分かる通り、金銭や利益目的だけではない「不動産とまちの課題を解決する大家の仕事」を学ぶスクールです。
講師陣がこれまた豪華でして、もう説明不要でしょってくらい超有名な建築、場づくり、空間デザインなどのプロフェッショナルたちが集結しております。
そして北は北海道から南は九州まで全国の大家さんや町づくりに関心のある生徒さんたちが集まっています。とにかく熱気がすごい。
さて第4期の開校式の講師は、いま大人気、引っ張りだこの「ReBuilding Center JAPAN(通称:リビセン)」代表・東野ご夫婦!
アメリカ・ポートランドにある古材屋さん「ReBuilding Center」に感銘を受けたご夫婦が「これを日本でもやりたい!」と伝えたところ、本家が快くOKしてくれ、日本版リビセンをオープンさせるに至ったそう。
いま、日本中で解体されている古い建物から、古物や古材、建具などをレスキュー・販売します。
そして、いつか全国にリビセンができて、全国で古材がレスキューされ、新たな役割を持って世の中に送り出されていく。そうして、古材や古いものが活用された、いい空間がたくさん出来ていく。
そんな景色を遠くのほうに見つめながら、進んでいきます。
(公式サイトより抜粋)
レスキューだけでなく実際に店舗や家の施工までしていらっしゃいます。
そんな東野さんの45分間のレクチャーの中で特に印象に残ったお話を抜粋メモしておきます。
レスキューしたい2つのもの
1.古材という資源
・今の時代に手に入らない木材もある(幅広のヒノキ、当時の職人の手仕事が残ってる木材など)
2.家主さんの気持ち
・家の解体ってマイナスなイメージになりがちだけど
-「材料を救いあげて次の必要な人へ届けていく」
-「家主さんの思い入れのある材料は優先的にレスキュー」
していくとマイナスがプラスになってくる。
古材の価値
・手仕事の跡と経年劣化
・廃棄物を減らす
-アメリカでは古材を使うこと自体が価値。
古材の「古い感じ」が苦手な人ですら、古材を自分で綺麗に加工して使う。
この価値観が日本でも広まったら良い。
・ストーリーを引き継ぐ
-おばあちゃんが米糠で磨いてきた床を残すとか、小さい頃に傷つけて父親に怒られた思い出の柱を残すとか。家族の形跡を次の世代に残していく。
・貴重な木材の救済
-このまま建物がただただ解体されていくことが続けば、「40年前にハウスメーカーが作った家」が古民家になる日が来てしまう。それは切ない。未来の子供達が「本物の古民家の木材」に自然と触れられる日が来れば良い。
今までレスキューした木材の総量は年60t。すごい!と思いきや...
日本全体の木材の排出量をアフリカゾウに例えると、レスキューした木材はりんご1個分にしか満たないんだそう...切ない...
だけど続ければ、数十年後、数百年後に結果が繋がっていくかもしれない!だから活動を継続しているそうです。
リビセン的!共感を呼ぶ仕組み<何を使って誰とどんな風に始めるかが大事>
・共犯者を作る
-場をつくるときは人をたくさん集めてDIYをしたり。
完成する頃には「俺が作った!」と愛を持ってくれる共犯者がたくさん生まれているから、場が自然と盛り上がっていく。
-リビセンには「サポーターズ」というシステムがあって、リビセンとお客さんの間くらいに位置する存在。Facebook上のグループに500人以上がサポーターズとして登録してくれていて「この現場の解体やります!」「こんなイベントします!」と声かけると集まってくれる。
・当事者が頑張る
-当事者が頑張れば運が向いてくる!頑張ればなんとかなる!
・継続
・素直が一番
-リビセンでは、「ベンチ24,000円(だけど材料買えば11,000円で作れるよ)」って値札に書いちゃう。
利益だけで考えれば損だけど、技術や考え方が広まる方がよっぽど価値がある。
「ReBuild New Culture」
私達の理念は「ReBuild New Culture」。
それは「次の世代に繋いでいきたいモノと文化を掬い上げ、再構築し、楽しくたくましく生きていけるこれからの景色をデザインする」ということ。
最後、青木さん×東野さんのトークセッションで「たくましく生きてく」がキーワードとしてあがっていました。たくましく生きるために、色々と挑戦しているのかも、と。
東野さんはこれからお店だけじゃなくエリアを育てようと考えていらっしゃるそう。
リビセンのある諏訪に少しずつ店舗オープンや商店街活性化の兆しが見えてきているから、そこへ古材の利用を伝えられたら。そしてエリアがより楽しくなったら。
そんな東野さんの未来図、実現していく姿を見てみたい!
壮大なお仕事をされているのにどこか肩の力が抜けていて「やれることをコツコツと」なにより「楽しく」取り組まれている東野さんご夫婦でした。
(お二人ともお互いのこと大好きなんだろうなって何となく伝わってきてほっこりした)
(あとお忙しいのに、後日メッセご丁寧にやりとりしてくださってお人柄にも惚れた)
ちなみに今回の会場は千駄木のKLASS。
大人気のカフェHAGISOやTAYORIを手がけるHAGI STUDIOさんの設計部門オフィス&「まちの教室スペース」です。
HAGISOといえばサバサンド!(大好き!)今回もサバを使ったメニューが提供されておいしかったです!
あ、大家の学校は単発で受講もできるので「とりあえず一回行ってみたい」とか「この講師の話聞きたい!」って方、ぜひご参加くださいねー!→https://peatix.com/group/43408/events