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よみがえる“四神降臨祭”・前編 祭に至るまで

先日発表されました、「ドルアーガの塔」40周年記念公式記録全集
本書には、2014年11月29日に阿佐ヶ谷ロフトAにて開催されたトークイベント“四神降臨祭”の模様も収録されることが発表されました。

開発者の証言として、4人の開発者(遠藤雅伸、内藤智、小沢純子、篠﨑雄一郎)が登壇したイベント「四神降臨祭」の会話録を収録。この4人が一堂に会した数少ない機会であり、その証言を後世に残すために文字として記録しておく。

公式リリースより引用
PAC-MAN OFFICIAL STORE |「VIDEO GAME CLASSICS」「ドルアーガの塔」40周年記念 未公開資料を含む、企画書、画稿類、サントラをまとめた記録全集!


このイベントを主催しましたのは、何を隠そうこの(管理人)。
ですが、なにせもう10年前のお話ですし、その内容を知るのもイベントにご来場くださった100名余の方々だけなのです。

そこで、そもそもこの“四神降臨祭”って何をやったの? といったところをあらためて振り返ってみたいと思います。


■神四柱を降ろすまで

四神降臨祭とは、『ドルアーガの塔』30周年を記念して行われたトークイベントです。
「トークイベントをしよう」と思った理由ですが、「ゲーム開発や雑誌編集の関係者を集めて、SNS共有禁止のクローズドな空間で裏話をする」イベントが、当時はやっておりました。

管理人が個人的に影響を受けたのは、ゲーム雑誌「ファミコン必勝本」~「HiPPON SUPER!」の中心メンバーによる「ヒッポンエイジス」です。
2011~2013年に開催され、管理人も何度か足を運びました。

こちらはヒッポンエイジスの第1回の記事。おそらく取材が入ったのは、この回が最初で最後でしょう。
阿佐ヶ谷ロフトAを会場に選んだのも、ヒッポンエイジスが同会場で開催されていたので、それを真似てみた感じです(新宿のロフトプラスワンは、ちょっと敷居が高い気もしましたし……)。


トークイベントの目的として、管理人の野望はただひとつ。
長年謎だった疑問をぶつけてみる。これに他なりません。

ただ、遠藤さんに聞いてみるだけなら、2ちゃんねる(当時)で2001年に遠藤さんが“降臨”して以来、ある程度のことはお聞きできました。
とはいえ、遠藤さんお一人ではハッキリしないことも多々あり、いずれ他の開発者の方々にも話を伺いたい、という妄想はつねに抱いておりました。

なお開催に至るまでの経緯は、以前こちらのブログで書いております。

上ブログにもありますが、「やるなら30周年の今しかない」「40周年まで待つのは遅い」と思ったのが強烈な動機でしたし、「一番の難関だと思った遠藤雅伸さんが快諾してくださった」ことが本当に最初にして最大の一歩でした。
この一歩を踏み出せなかったら、たぶんトークイベントという企画は陽の目を見ることはなかったでしょう。一肌脱いでいただき、四神の皆様本当にありがとうございました。


■いろいろな準備

2014年7月頃に遠藤さんの承諾を経て、いよいよ「妄想」を「現実」に移す準備を始めます。
幸いにして、阿佐ヶ谷ロフトAさんは初めての利用にもかかわらず丁寧にご対応いただき、大変助かりました。

  • e+でのチケット販売の手配

  • オリジナルメニューの調整・調理

  • 当日の各種運営

これらはお店側で担当していただいたので、管理人はイベントに専念できました。


そして、遠藤さんの快諾により篠﨑雄一郎さん・小沢純子さん・内藤智さんとも連絡が取れました。また管理人の知己を頼り、当日のお手伝いとカメラマンを手配。
そして9月13日、新宿某所にてキックオフが行われました。

某神がお持ち下さった、iPadに映し出されたポスターイラスト
(どなたの手かは、推して知るべし……)

言うて神四柱を目の前に、管理人やお手伝い・カメラマンはただの人ですから、一足先に揃い踏みを拝観(?)して、もう大興奮です。

そして管理人がいただいたのがこのサイン。

いやー、もうこれは聖遺物ですよ

神四柱にサインをいただく機会があったら、絶対これにもらおうと決めていました。Windows用ソフト『ナムコヒストリーVOL.2』付属のマウスパッドです。
このイラストがまず大好きなんですよねー。宗教画のような構図と、二人の表情と。そこに神々のサインが加わったのですから、これはもう家宝レベルの宝物となりました。

そんなこんなで、顔合わせと打合せは終了。
あとは管理人がひたすら台本とスライドを書くのみとなりました。

事前に皆様からも質問を募っておりました。


チケットは遠藤さんが宣伝した途端、予定していた80枚が一気に売れ、追加で20枚販売したものの、そちらも程なくして完売となりました。
かくしてお店のキャパシティ上限到達につき、前売り完売・当日券なしという状況に。大変ありがたく思いつつも、ギリギリまで事前準備に追われる胃の痛い日が続くこととなりました……。


■コラボメニューの野望

イベント準備はほぼ台本とスライド作成に終始することとなりますが、忘れてはならないのがコラボメニュー。

お店に作っていただいたコラボメニュー表。
しかしなんで背景がMSX版なんでしょうかね……

とはいえ、せっかくですからコラボメニューも凝りたいところ。他イベントを参考にしたり、逆にお店からの提案もあったりしたようです。
以下お店に送ったメールからの転載。

●ポーション・オブ・パワー
…青いカクテル。
基本はブルーハワイですが、レモンやパインのジュースの代わりに、エナジードリンク(レッドブルなど)を入れてみてください。
ただ、色を重視したいので、色があまり変わりすぎない程度の量でお願いします。

●ポーション・オブ・エナジードレイン
…赤いカクテル。
レッド・アイをそのまま作っていただければと思います。
ただ、レシピによってはスパイス(塩・コショウ・タバスコ)を入れるそうですので、それを多めにしてスパイシーな味にしてもらえればと思います。
卵は入れないでください。

……よくこんな細かな指定してたなぁ、と我ながら思います(もちろん、ここからお店のほうで調整していただいているかと思います)。
また、スライム封印まんじゅうはお店からの提案だったようです(ネーミングは管理人ですが)。元々は2014年1~2月に渋谷パルコ パート1(現存せず)で行われた「ノーコン・キッド×ゲームセンターCX カフェ」のメニューのひとつ、スライム盛り合わせ(ゼリー)の再現を考えておりました。

ただ、ゼリーは難しいけど水まんじゅうなら……とのお話から、スライム封印まんじゅうに至ったわけです。


コラボメニューのメインは「悪夢再び!?伝説のローパー触手入りグリーンカレー」。

この緑色の物体がローパーの触手です

これはご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、MMORPG『ドルアーガの塔 ~ the Phantom of GILGAMESH~』において、2009年にカラオケパセラとのコラボで販売されたメニューの再現です。

このローパーの触手の正体が凍みこんにゃくである(しかもわざわざ既存の緑色のこんにゃくから手作業で凍みこんにゃくを作った)と遠藤さんから聞き、これを再現できないかお店に相談しました。
一時は難色を示されたものの、当日ちゃんと凍みこんにゃくで作っていただいたのはうれしかったです。


お店入口の看板。
これを見て「ああ、本当にやるんだな……」と内心思いました。
誰もいない客席。
キャパシティ上限のため、右側の座敷席も開放されました。

そんなこんなで、瞬く間に当日を迎えました。

※余談ですが、タイトル画像の電波新聞社製ドルアーガの塔トレーナーは、当日管理人が実際に着用したものです。休憩をはさんでお色直しとかしてましたね……

後編はこちら


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